昨冬、野生のシジュウカラのために小動物用のひまわりのタネを餌台に置いたのです。シジュウカラは上手に殻を割って中身だけ食べるのですが・・・餌台に集団で来るスズメは上手に食べられずにあたり一面にまき散らすという暴挙に出たものだから春になってそこらじゅうからひまわりが芽生えたという次第。まぁせっかくなので適当な所に移植して育てることにしたのですよ。
そして育ったのが・・じゃじゃ〜ん ↓↓
うぅぅ・・うるうる・・こんなに立派になって・・育てた甲斐があったというものです。
ひまわりの両サイドにある高さ2.5mのコニファーに比べてもかなり高いなぁ。なのでメジャーでひまわりの身長測定したのですよ。そしたら てっぺんまで3m75cmもありました。高っっっっか!!
これってもしかして日本一?と思ったら日本記録が7m30cmで世界記録は9m17cmだって。これの2倍以上も高いなんて信じられない。っと思って記録保持者が取材された様子を見てみたら・・ひまわりの周りに足場を組んで保護していたわ。ひまわりはやっぱり自立してないと。。。(と負け惜しみ)
地面近くの茎の直径は514mmもありました。たっくましぃー。木の幹といった感じだからノコギリでないと切れないぞ。
ひまわりの茎の断面はというと・・・
中央の白い部分が髄、茶色い部分が維管束、緑の部分が皮層、一番外側の濃い緑が表皮です。維管束は分厚い。ここを通って高いところまで水が運ばれているのです。
実をつける段階になって花が下を向く理由について。たくさん実ったタネが重いから仕方なく下を向いている・・と思われた方、それは正しくないと思いますよ。だって、たくましい茎の持ち主・ひまわりのことですよ。その気になればタネの重さくらいで下を向いて暗い人生を歩まなくったっていいはずです。ひまわりは意図的に下を向いているのですよ。「首」の曲がり方がU字カーブになって歪みが出ていないのを見てもわかります。上から降りかかる災難からタネを守っているというのが妥当な理由でしょう。雨や鳥などでしょうかね。でもね、近くに住んでいる野生の小鳥・カワラヒワはひまわりのタネが大好物で、どっちを向いていようがお構いなしでバクバク喰ってますけど。
そして・・今年の冬も野鳥に餌やりしようと思うのでタネ取りしまーす。まずは頭花を切り取って・・乾燥ついでにしばらく飾っておくつもり。
身長相応に花も巨大!!比較のため長さ約33cmの移植ごてを一緒に写しておきました。メジャーでタネのついている所の直径を測ると28cm(移植ごて右のひまわり)と27cm(移植ごて左)でした。右手前にある小さなのでも直径11cmくらいあります。
一つを拡大してみると・・・
この写真のは、まだ筒状花の残骸がタネの頭にくっついている状態。ところどころそれが外れて真っ黒なタネが見えています。そして2時方向のタネがなくなっているのは、カワラヒワに食われた跡です。
タネの並びに現れる螺旋状のラインについては、その本数がフィボナッチ数列になっているということです。フィボナッチ数列とは、Fn+2=Fn+1+Fn (F1=1 F2=1)
で表される数列。具体的には1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、・・・・
この写真のひまわりは歪みがあって数えにくかったのですが、本質的に時計回りの曲線が89本、反時計回りの曲線が55本と数えられました。これよりも小さい直径11cmの頭花では、55本と34本でした。花の大きさが違ってもフィボナッチ数列に収まるということ。さらに周りの花びら・舌状花の数もフィボナッチ数列に含まれるそうです。写真の「花」ではもう数えようがありませんけれども。。。
なぜ植物にフィボナッチなのでしょうか。その原因は成長点で花の原基が作られる分化初期にあるのだとか。原基が作られる位置は、それ以前に確定している原基から最も離れた部分に作られるという性質によるもの。成長点の成長スピードが十分に早いと2個以上前に作られた原基の影響は受けないので成長点を挟んで180度、互い違いに作られていきます。一方、成長スピードが原基が作られるスピードに対して十分に遅いと、2個以上前に作られた原基の影響も受け始めて最終的に黄金角を持って螺旋になっていくという話らしいです。フィボナッチ数列の一般項に黄金数が含まれるので植物とフィボナッチ数列が繋がるらしいです。数学が得意な方なら理解できるんでしょうか。
フランスの数理物理学者のDouadyとCouderが実験でも証明したといいます(フィボナッチ数の小宇宙・中村滋(日本評論社))。磁場を持たせたシリコンオイルの中に磁化させた流体を一定間隔で滴下させると植物と同じような螺旋が生じたという。まぁ実際問題、この黄金角の特徴があるから葉序であれば上部の葉と重ならないように葉を展開させて光合成の点でもメリットがあるのですよね。