植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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ヘクソカズラとガガイモ

2024年09月02日 | 植物の生態

公園を散歩していたらヘクソカズラとガガイモが咲いていました。今回はそれらのレポートです。

まずはヘクソカズラ。この植物の特徴は、何と言ってもその特徴的な臭い。腐ったタマネギの臭いと表現されることも。糞便の臭気成分の一種らしいですがヘクソカズラの臭いはそれとは大きく異なります。手についても臭いが取れないということは無いので、この植物を見つけたら特徴を知るためにも一度は嗅いでみてください。

ヘクソカズラが傷つけられると酵素反応により植物体に含まれるペデロサイドがメチルメルカプタンに変わって臭みを生じさせます。その意義はアレロパシー。メチルメルカプタンの昆虫や微生物、動物を忌避する効果により感染や食害などに対抗していると考えられています。また他の植物に対する作用もあってペデロサイドには他の植物の生育を阻害する作用があるそうです。

アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草です。ビロード状の白い花冠でその中央から内部は真紅で特徴的な花です。

花冠は5裂しています。花冠の内部は毛がびっしりと生えているのがわかります。小さな花なのにこの毛が生えているため受粉を助けるはずのミツバチたちも苦労しているようです。というのも・・・

蜂たちがブツブツ不平を言っているのが聞こえました。「うんしょ、よいしょ、入りにくいったらありゃしない。こんな毛むくじゃら 嫌になっちゃうよ」

ピンボケごめん。花が小さいので小さなミツバチでもキツキツなのがわかると思います。

このように蜜を吸うのにも一苦労。なので、ルールを逸脱する輩が出てくるのです。

花の根元近くに口を差し込むミツバチの図。これは紛れもなく盗蜜の現行犯です。盗蜜とは、花粉を運ぶ仕事をせずに蜜だけを奪っていく行為のこと。

盗蜜の犯行現場は、というと・・

しっかり穴が空いていました。穴を開けたのがミツバチかは分かりません。より大型のマルハナバチが開けることも多いです。

臭いの他に、ヘクソカズラの特徴といえば・・

ミソハギに絡みつくヘクソカズラ。つるの巻き方にも特徴があります。朝顔のつるの巻き方とは逆になります。写真のように左巻きです。

花の構造については別に報告しています。「花の構造・ヘクソカズラ


次にガガイモ。こちらは、キョウチクトウ科イケマ属です。ヘクソカズラと同じところに絡んでいました。

ガガイモはヘクソカズラと雰囲気が似ているのです。つる性の多年草で葉は対生で全縁の心臓形なのでパッと見そっくりですし、花も毛がびっしりで印象がそっくり。科が違うのに不思議です。同じところに生えて同じような生き方をしていると似てきてしまうものなのでしょうか。あるいは、似ているから同じところに生きられるということか。

 

つるの巻き方ですがヘクソカズラと違って朝顔と同じ右巻きです。

他に違う部分は、というと、もちろんヘクソカズラ独特の悪臭はありません。とは言ってもこちらは毒草。特に根茎に毒があるそうです。つるを切ると乳白色分泌します。そして托葉について。ガガイモの托葉は非常に小さく茎にへばりついて目立たないことがあります。ヘクソカズラの托葉についても同様に小さく目立たないので同定に役立つ特徴とは言いにくいです。

ガガイモの種子は綿毛で印象的。その時期になったらレポートしたいと思います。

 


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