植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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花粉観察・ポーチュラカとスベリヒユとマツバボタン

2024年08月22日 | 植物の生態

先日上げたスベリヒユ科の比較記事、それの続きでーす。花粉を顕微鏡で観察しました。

今回の先頭バッターはマツバボタン。

ややオレンジがかった黄色で球形の花粉。マツバボタンは、花粉の量が多いのです。

拡大して切り出すと・・・

表面に細かい突起があるのがわかります。花粉中央はピントが来ていないのでボケて滑らかに見えてしまいますが。。

ちなみに、これは10x10倍のレンズで観察したものですが、対物レンズを40倍に変えて400倍にすると・・・

解像度が落ちますね。小中学校・教材レベルの顕微鏡なので仕方はないが。顕微鏡を買おうとする時についつい最高倍率を気にしてしまいますが、これを見てもわかるように倍率が高ければいいというものでもないんですよね。

マイクロメーターを用いて花粉の大きさを測定しました。

予め1目盛が13.5μmと測定してあります。なのでマツバボタンの花粉は直径85.0μmとわかりました。


次はスベリヒユ。この花は萎むのが早いです。朝9時過ぎには閉じていました。無理やり花びらをこじ開けて中の花粉を取り出しました。花が小さいので一苦労、花粉の量もそれなりでした。

マツバボタンよりやや小さめのようです。色は黄色で形は同じく球形。右上の花粉は少し萎んでいるかな。同じようにサイズを測定したところ66.2μmでした。


最後にポーチュラカです。マツバボタンと似た花をつけますが、花粉の量はかなり少なかったです。

球形の花粉の周りに小さく潰れた花粉がたくさんまとわりついていました。潰れたものは見るからに受粉には役立ちそうにない感じです。こういうのを「シイナ花粉」というらしいです。漢字で「秕」と書きます。意味は、「殻ばかりで中身のないもの、うまく実らなくて萎びた果実、中身のないもの、価値のないもの」だそうです。実際に受粉できるかについて裏をとっていませんが、タネの出来にくいポーチュラカなので この辺りに原因があるのかもしれません。花色の違う花でも調べましたが同じようにシイナ花粉が多かったです。直径は84μmでした。


今日の結果を先日の表に付け加えて終わりにします。

 

マツバボタン

ポーチュラカ

スベリヒユ

科・属

スベリヒユ科スベリヒユ属

スベリヒユ科スベリヒユ属

スベリヒユ科スベリヒユ属

花の直径

3cm前後 *

3cm前後 *

6mm~8mm

花弁の数

5枚

5枚

5枚

花の色

白、黄色〜赤

白、黄色〜赤、紫、絞り咲き等多種。

黄色

がくの数

2枚

2枚

2枚

雄しべ

多数(数えたくないくらい)

多数(数えたくないくらい)

10本前後

雌しべ

柱頭が5~9裂

柱頭が4〜6裂、主に5裂。

柱頭が3〜6裂

果実

蓋果(がいか)

種子はできにくい(蓋果)

蓋果

葉の形

線形

ヘラ状で基部がくさび形

ヘラ状で基部がくさび形

可食性

不可(苦い)

可(色素を含む)

花粉

球形(表面に細かな突起)直径85μm・橙色

球形(シイナ花粉が多い)84μm・橙色

球形(細かな突起)66μm・黄色

 

 

 

 

*大輪の品種もある


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