秋晴れの河川敷で気持ちよく散歩していたら、うげっ! ラーメンみたいなのがぶちまけられている!・・と思ったら、今まで見たこともないような植物でした。黄色い線状でこんがらがっています。
一体何?家に帰ってすぐに図鑑で調べました。アメリカネナシカズラ(ヒルガオ科ネナシカズラ属)でした。でも今の時代スマホでも簡単に調べられるんですね。Googleレンズ、便利な世の中です。
葉緑体を持たず、緑色していないのでぱっと見は植物には見えないです。黄色してるから卵麺のラーメンかと思っちゃいました。
もっと近くで見てみると・・
あら、なんと可愛らしい花が咲いていました。ヒルガオ科なのでアサガオと同じく5つの頂点をもつ合弁花です。雄しべ5本は花冠より外に出ています。雌しべ2本はカタツムリの触覚のように突き出ています。絡みつかれているのはカタバミ。
アリが蜜を求めて花に来ていました。赤くチラチラした花はミチヤナギ(タデ科ミチヤナギ属)です。ミチヤナギにも絡みついていました。
そしてマメグンバイナズナ(アブラナ科マメグンバイナズナ属)にも絡みついていました。グンバイナズナっていう植物もいてグンバイナズナ属なんだそうです。属が別なんですね。この写真のはどっちなんだろう。自信ないです。
アメリカネナシカズラは近くにある植物ならどんなものにも絡みついていくようです。嫌いな食べ物ってないのかな。ヒルガオ科なのでアサガオと同じようにつるは右巻きです。
虫瘤発見。アメリカネナシカズラは葉緑体を持たずに全て寄生した植物から奪い取って生きているちょっと許しがたい植物、でも虫瘤つくられて奪われているという皮肉。虫瘤の下の方、少し緑がかっていますね。葉緑体を作る能力は残っているのかも。
忍び寄る茎。栄養を奪い取る植物(寄主)を感知するとこのように茎にイボイボを作って近づいていきます。気色悪ぅ〜。そういえば、光合成しないから葉っぱを持っていないんですね。
次の段階で栄養吸収を始めた茎をむりやり剥がしてみたら・・
イボイボは、タコの吸盤のように変化していました。寄主の毛がくっついています。体表面に毛があるとネナシカズラの攻撃を少しは和らげることができるのかもしれないです。寄主はヨモギだったかな?
拡大するとこんな感じ。「吸盤」と言っても陰圧にして張り付くのではないです。ドーナツ状の表面に粒々が見えます、これを相手の表皮にがっちり食い込ませるのでしょう。その後に吸盤の中心から寄生根をじわじわ食い込ませていくのです。おそろしや。
アメリカネナシカズラ同士でも絡み合って吸盤くっつけて栄養を奪い合っていました。これって自分自身なのかな。こんがらがっていて何が何だか・・と言った感じ。ヤブカラシという植物は自分自身を見分けて、巻きひげが絡みつかないようにしているそうです。それに比べてこやつらは修羅の世界で生きていますねぇ。
どのように栄養を奪い取っているのかを見るために、寄主の横断面で見てみると・・
くさびのように「根」を形成層あたりまで差し込んでいました。縦断面で観察すると・・
細い根を差し込んでいるようにも見えました。染色すればもっと分かりやすかったかな。
中心に寄生根です。
タネを手に入れられればおもしろい実験できそうですね。好き嫌いあるかが知りたいな。寄生根を差し込んでから、「うっわ、まず〜ぃ」とかなることあるのかな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます