2013年8月19日(月)
毎年夏に家族で滞在する清里の貸別荘「野わけ」から、北八ヶ岳の茶臼山を訪れた。八ヶ岳の茶臼山と言ってもイメージできる人は少ないかも知れない。僕にとっても馴染みはなかったが、簡単そうで展望も良さそうな山を地図で探していて見つけた。
茶臼山に最寄りの登山口は、北八ヶ岳を東西に横断する国道299号線の最高地点に近い麦草峠(2120メートル)。白駒池も近いこの峠は、真夏の天気の良い日でもしょっちゅうガスがかかって肌寒いことも多いが、この日はずっと晴天に恵まれた。
有料の白駒池駐車場は避けて、麦草ヒュッテ近くの無料駐車場に車を停めて出発。登山口へ入る手前、車道の南に広がる樹林帯と熊笹の草原が陽光を受けて青々と輝いていた。
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国道から左へそれて登山道に入る。すぐにこじんまりとした茶水池に出る。登山道はしばらく木道で、池をすぎると北八ヶ岳らしいシラビソの原生林のなかの森林浴コースが始まる。
木道から、やがて岩と苔の道になり展望のない大石峠を通過。傾斜は少々キツくなってくるが原生林のなかのヒンヤリとした空気と針葉樹の匂いが心地良い。樹林帯をひたすら登っていくと、突然視界が開け、広々とした岩場に出る。大石峠と茶臼山のちょうど中間地点の展望地、中小場だ。正面には茶臼山がなだらかに佇み、その奥には縞枯山も見える。
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振り向けば、天狗岳など八ヶ岳北部の山々が望める。中小場の展望台は大きな岩が重なっていて絶好の休憩場所でもある。
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茶臼山山頂からほんの少し樹林帯を通り抜けたところで広々とした岩場の展望テラスに出た。樹林帯から一気に森林限界に出たかのような解放感!南アルプス、中央アルプス、そして近くには八ヶ岳連峰の核心部の山々の連なりが見渡せ、大展望が欲しいままに広がっている。
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北側を振り返れば敷き詰められた原生林の樹海の向こう、北八ヶ岳の山並みの後ろに日本百名山の蓼科山が鎮座していた。
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この展望台で、「野わけ」で作ってきたおにぎりを食べ、コーヒーを沸かし、スケッチをしたり、思いっきりのんびり過ごした。日陰がないので夏の太陽がジリジリとコタえるが、暑くなりすぎたらすぐ脇の樹林帯へ入って涼めるのもいい。
茶臼山のあとは、この隣りにあって40分程度で行けるもう一つの展望台、縞枯山へ行くのが定番コースのようだが、縞枯山への登りとなる手前で左にそれて、五辻へ向かった。
茶臼山から縞枯山にかけての一帯では、独特の縞枯れ現象の風景を間近で見ることができる。
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シラビソやコメツガの樹林が立ち枯れた層が、遠くから見ると白い縞模様に見える「縞枯現象」は縞枯山の名前の由来にもなっている。縞枯現象の現場に来ると、白化した枯れ木が無言で立ちすくみ、妖気が漂うような雰囲気を醸し出していた。
縞枯現象は枯れ木と成木が自然の営みによって縞模様状の層を形成する現象だが、なぜこのようになるかは謎も多く、学術的にも貴重なものとして注目されているそうだ。北八ヶ岳ロープウェイのサイトに、縞枯現象について分かりやすい説明が出ている。
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五辻まで下って出逢いの辻方面へ。岩がゴロついた道から、針葉樹に囲まれた緑地帯のなだらかで広い道となる。草の上で寝っ転がりたくなって小休止。お湯を沸かしてティータイム。
出逢いの辻の分岐からオトギリ平方面へ。苔むした岩が重なるうっそうとした原生林のなかを進んで行くと、クマザサが一面に広がる明るいオトギリ平に出る。そこからまた樹林帯の道を国道方面へ下っていくと、「コケモモの庭」という看板がたつ庭園に出る。岩とハイマツがいい具合に配置された、自然が作り出した庭園だ。
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「コケモモの庭」という命名どおり、赤く熟し始めたコケモモを見つけることができた。「高山植物は決して取ってはいけない」という山のルールは普段はちゃんと守っているが、果実類は例外? コケモモの実をつまんでいくつか口に入れる。甘酸っぱい味がクタビレた身体にとって絶好の清涼剤となる。
コケモモはそれほど多くないが、ガンコウランはあちこちに鈴なりに実っていてこれも口に放り込むと、ほのかな甘味とシャキっとした食感がいい。
コケモモの庭から国道はすぐ。車道を10分も歩けば麦草ヒュッテ横の駐車場に帰り着く。約6時間、眺望と森林浴、味覚も楽しめる、ちょうど良い快適なハイキングだった。
「野わけ」では朝食にコケモモとガンコウランのヨーグルト
《行程》
麦草峠10:50 →11:40中小場 →12:25茶臼山展望台14:10 →16:45コケモモの庭 →17:15麦草峠
北八ヶ岳~南八ヶ岳縦走の3泊4日
天狗山登山 ~緑と岩が織り成す庭園美~
毎年夏に家族で滞在する清里の貸別荘「野わけ」から、北八ヶ岳の茶臼山を訪れた。八ヶ岳の茶臼山と言ってもイメージできる人は少ないかも知れない。僕にとっても馴染みはなかったが、簡単そうで展望も良さそうな山を地図で探していて見つけた。
茶臼山に最寄りの登山口は、北八ヶ岳を東西に横断する国道299号線の最高地点に近い麦草峠(2120メートル)。白駒池も近いこの峠は、真夏の天気の良い日でもしょっちゅうガスがかかって肌寒いことも多いが、この日はずっと晴天に恵まれた。
有料の白駒池駐車場は避けて、麦草ヒュッテ近くの無料駐車場に車を停めて出発。登山口へ入る手前、車道の南に広がる樹林帯と熊笹の草原が陽光を受けて青々と輝いていた。
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国道から左へそれて登山道に入る。すぐにこじんまりとした茶水池に出る。登山道はしばらく木道で、池をすぎると北八ヶ岳らしいシラビソの原生林のなかの森林浴コースが始まる。
木道から、やがて岩と苔の道になり展望のない大石峠を通過。傾斜は少々キツくなってくるが原生林のなかのヒンヤリとした空気と針葉樹の匂いが心地良い。樹林帯をひたすら登っていくと、突然視界が開け、広々とした岩場に出る。大石峠と茶臼山のちょうど中間地点の展望地、中小場だ。正面には茶臼山がなだらかに佇み、その奥には縞枯山も見える。
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振り向けば、天狗岳など八ヶ岳北部の山々が望める。中小場の展望台は大きな岩が重なっていて絶好の休憩場所でもある。
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しばしの休憩後、正面に見える茶臼山へもうひと頑張り。中小場の標高は2232メートルなので、標高差にしてあと約150メートル。道は再び樹林帯、小鳥たちがキレイな声で呼びかわしていた。 最後の勾配を登ると茶臼山山頂(2384m)に到着するが、ここは樹木に囲まれていて展望はない。山頂は通過して、すぐ近くの展望台へ向かう。 |
茶臼山山頂からほんの少し樹林帯を通り抜けたところで広々とした岩場の展望テラスに出た。樹林帯から一気に森林限界に出たかのような解放感!南アルプス、中央アルプス、そして近くには八ヶ岳連峰の核心部の山々の連なりが見渡せ、大展望が欲しいままに広がっている。
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北側を振り返れば敷き詰められた原生林の樹海の向こう、北八ヶ岳の山並みの後ろに日本百名山の蓼科山が鎮座していた。
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この展望台で、「野わけ」で作ってきたおにぎりを食べ、コーヒーを沸かし、スケッチをしたり、思いっきりのんびり過ごした。日陰がないので夏の太陽がジリジリとコタえるが、暑くなりすぎたらすぐ脇の樹林帯へ入って涼めるのもいい。
茶臼山のあとは、この隣りにあって40分程度で行けるもう一つの展望台、縞枯山へ行くのが定番コースのようだが、縞枯山への登りとなる手前で左にそれて、五辻へ向かった。
茶臼山から縞枯山にかけての一帯では、独特の縞枯れ現象の風景を間近で見ることができる。
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シラビソやコメツガの樹林が立ち枯れた層が、遠くから見ると白い縞模様に見える「縞枯現象」は縞枯山の名前の由来にもなっている。縞枯現象の現場に来ると、白化した枯れ木が無言で立ちすくみ、妖気が漂うような雰囲気を醸し出していた。
縞枯現象は枯れ木と成木が自然の営みによって縞模様状の層を形成する現象だが、なぜこのようになるかは謎も多く、学術的にも貴重なものとして注目されているそうだ。北八ヶ岳ロープウェイのサイトに、縞枯現象について分かりやすい説明が出ている。
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五辻まで下って出逢いの辻方面へ。岩がゴロついた道から、針葉樹に囲まれた緑地帯のなだらかで広い道となる。草の上で寝っ転がりたくなって小休止。お湯を沸かしてティータイム。
出逢いの辻の分岐からオトギリ平方面へ。苔むした岩が重なるうっそうとした原生林のなかを進んで行くと、クマザサが一面に広がる明るいオトギリ平に出る。そこからまた樹林帯の道を国道方面へ下っていくと、「コケモモの庭」という看板がたつ庭園に出る。岩とハイマツがいい具合に配置された、自然が作り出した庭園だ。
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「コケモモの庭」という命名どおり、赤く熟し始めたコケモモを見つけることができた。「高山植物は決して取ってはいけない」という山のルールは普段はちゃんと守っているが、果実類は例外? コケモモの実をつまんでいくつか口に入れる。甘酸っぱい味がクタビレた身体にとって絶好の清涼剤となる。
コケモモはそれほど多くないが、ガンコウランはあちこちに鈴なりに実っていてこれも口に放り込むと、ほのかな甘味とシャキっとした食感がいい。
コケモモの庭から国道はすぐ。車道を10分も歩けば麦草ヒュッテ横の駐車場に帰り着く。約6時間、眺望と森林浴、味覚も楽しめる、ちょうど良い快適なハイキングだった。
「野わけ」では朝食にコケモモとガンコウランのヨーグルト
《行程》
麦草峠10:50 →11:40中小場 →12:25茶臼山展望台14:10 →16:45コケモモの庭 →17:15麦草峠
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