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七星山 ~首都台北に聳える最高峰に登る~

2018年05月23日 | おもしろすぎる台湾
2016年3月28日(月)

朝から天気は快晴!天気予報では雲が多いと言っているが、これなら絶好の山日和なので、昨日予定していた七星山へ行くことにした。

七星山は台北郊外の陽明山国家公園内にあり、台北市の最高峰で標高は1120メートル。「陽明山国家公園」というのは、台湾に9つある、日本で言う国立公園のことで、広大な範囲に及ぶ。桜など季節の花がキレイなことで旅行ガイドにもよく載っている陽明山公園は、陽明山国家公園内にある特定の観光地。一方で七星山は、同じ国家公園にあって、台北市の最高峰でありながらも旅行ガイドには滅多に載っていない。

2年前、クレオパトラの形の岩のオブジェなどで有名な野柳へ行き、金山経由で台北に戻る途中で、七星山の近くを通り、大きな山々と、大涌谷のような岩から噴煙が上がっているのを見て、「台北のすぐ近くにこんな火山があるんだ!」とビックリして、いつか来てみたいと思っていた。それが実現することとなった。

台北から、七星山に最短で登れる登山口の小油坑まで直通で行くバスがあって、そのバス停はホテルからも近い。だけど、9時発は行ってしまって、次は10時半までないので、ホテルから少し遠いバスターミナルの260番乗り場から陽明山行きのバスに乗り、そこからまたバスを乗り継いで行くことにした。


月曜日だけれど行楽日和のためか、バスは混み混みで4人とも座れず、途中の停留所に着くたびに更に車内は混み合ってきた。終点近くでようやく座れたが、陽明山から乗り継いだ108番の陽明山周遊バスはマイクロバスで、これまた混み混み。。おまけに急なカーブが多くて立っていて踏ん張るのがタイヘンだった。それでも車窓から目に飛び込んでくるダイナミックな山々の景色には息を呑んだ。

近くのおばさんに小油坑に着いたら教えてくださいと声をかけたら、自分はそれより前に降りるからと、混んだ車内をわざわざ運転手さんに言いに行ってくれ、「小油坑」の正しい発音「シャオ_ヨウ⤴ガン~」を教えてくれた。おかげで安心してバスに乗っていられた。

台北から1時間40分もかけてやっとのことで小油坑で下車。風が冷たくて強い。気温は12℃。目の前に聳える山が七星山かな。辺りは一面荒涼とした岩肌が広がり、あちこちからゴーゴーと音を立てて蒸気が噴出し、硫黄の臭いがする。大涌谷みたい。


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登山道を歩き始めて最初のころ、こうした「温泉」の噴出口が道沿いにいくつか見られた。大涌谷の自然探勝路でもこんな光景を見た覚えがある。


登山道は最初からひたすら階段が続く。足場はしっかりしていて安心できるが、単調だし、歩幅を決められてしまうのであまり嬉しくはない。丹沢の塔ノ岳を思い出す。


道は単調だが、200m歩くごとに頂上までの距離が記された看板があって励みになる。登山口の小油坑から七星山主峰までの距離は1.6キロ。


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花は殆ど咲いていないが、こんなかわいらしいスミレに出会った。

風が冷たくて最初は寒かったが、歩いているうちにだんだん温かくなってきた。最初の頃はブッシュばかりだった植生が、中間地点辺りに来ると、低木の群落も見られるようになってきた。


「台湾も14回目ともなると、こんな山登りするのか…」と、あまり有難くなさそうな顔で息子に言われながら、最後のもうひと頑張り! 小油坑を出発して、コースタイムの1時間より少し早く台北市最高峰の七星山主峰の山頂に到着!


頂上からの眺めは360度、遮るものがない大パノラマが広がっている。


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広い山頂には沢山の登山者でにぎわっている。日本語で話しかけてくれる人も。外国人も多いが、日本人は見かけない。ドイツ語が聞こえたので話しかけたら、僕が訪れたことがあるヴュルツブルクから父と息子で、2週間かけて台湾を旅しているとのこと。この時期に2週間も台湾旅行できていいなぁ~!

お昼には、コンビニで買っておいた奮起湖おにぎりとバナナ、カットフルーツのグァバを食べてからスケッチをした。広い川幅の淡水河がゆったりと蛇行する先に台北市街の高層ビルや、うっすらと台北101も見えている。奥さんが寒がっているので、スケッチは早めに切り上げた。


下山は、登ってきた小油坑とは反対方向にある冷水坑へ下りるコースを辿った。こちら側の方が植物が多い。


七星山エリアにはポコポコとピークがいくつもある。この峰の配置が、北斗七星を思わせることから「七星山」の名前がついたそうだ。


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下山路では、向こうに見える七星山のもう一つの大きなピーク、東峰に登り返す。


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東峰の頂上(1107m)を踏んだ。ここからの眺めも良好。


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下山路から振り返る七星山は幅広で雄大。


高度を下げるに連れて緑が多くなり、小油坑辺りとはだいぶ異なる景観を見せる。道はずっと石を敷き詰めた階段が続いた。


冷水坑のバス停まで0.8キロという標識のところで、右に行くと七星公園と示されていた。奥さんと娘がトイレに行きたいというので公園へ行くことにしたら、これが正解!広い芝生の広場にはお寺風の大きな東屋が建ち、そのバックに七星山が聳えるというベストショットが得られた。


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バス停への分岐に戻ったところで、頂上でお話ししたドイツ人の父子と再会。「またどこまで会いましょう」と言って握手して別れたばっかりだったんだけど。しばらくおしゃべりしながら下山。2週間の台湾旅行では、台北のあとは台南や高雄など、南部に滞在するとのこと。日本にも2回来たことがあり、とても気に入ったそうだ。日本のことをいろいろ褒めてくれた。こんなところでドイツ人とおしゃべりできて楽しかった。


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ドイツ人親子と話が弾んで歩いてたら、奥さんや子供たちより大分先に来てしまった。バス停には丁度バスが来ていたが、家族はまだ来ない。ドイツ人親子はそのバスに乗って行った。このバスに乗れなかったために、帰りはかなり苦労することになった。

バス停近くには興味をそそられるハイキングの標識が立っていた。滝とか生態池とか、吊橋も… いろいろなハイキングコースがあって楽しそう。

「牛奶湖」まで100mという標識があった。「牛奶」は牛乳だから「牛乳の湖?」面白そう。近いので行ってみたら、乳白色の不思議な色をした池を望むことができた。


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牛奶湖を見るためにバスを待つ列から抜けたせいで次の剣潭駅へ直行するバスにも乗れず、その後やっと来た108番の陽明山行きのマイクロバスに乗った。お日様はもう山の向こうへ隠れ始めていた。


陽明山まで立ちっ放し。往路と同様にカーブが多くて、その度に左右に振られて身体を支えるのがタイヘンだった。陽明山バスターミナルで乗り換えた剣潭行きのバスも満員。ひとつだけ空いていたので夫婦で交替で座り、途中で2人とも座れたが、子供たちはかなり辛そうな態勢で立ちっ放し。おまけに渋滞でえらく時間がかかった。結局、剣潭の手前の士林で降りてMRTに乗り換えた。陽明山は台北市内からの距離は決して遠くないが、バスは車内も混むし渋滞もするので、往復のバスはちょっと覚悟が必要だ。

士林からMRTに乗って中山で降り、行きつけのお茶屋さん「新純香」でゆっくり試飲させてもらってお茶を買い、山歩きの疲れがラクになったところで中山駅近くのスーパーでお土産の買い出し。一旦ホテルに戻ってから夕食に出かけた。ホテルに帰ったのはもう11時。今日も目いっぱい活動した。


陽明山ハイキングマップ(クリックで拡大)


距離とコースタイムマップ(クリックで拡大)

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