3月10日(日)岡本侑也(Vc)
トッパンホール
【曲目】
1.イザイ/無伴奏チェロ・ソナタ Op.28
2.ブリテン/無伴奏チェロ組曲第1番 Op.72
♪ ♪ ♪ 3.ペンデレツキ/ジークフリート・パルムのためのカプリッチョ
4.細川俊夫/小さな歌
5.ユン・イサン/グリッセ
6.尾高惇忠/独奏チェロのための《瞑想》
7.黛敏郎/BUNRAKU
トッパンホールの情報紙(トッパンホールプレス)のインタビュー記事を読んで興味を持ち、行きたくなったリサイタル。岡本侑也のソロを聴くのは初めて。
深く温かく全てを包み込むように奏で始めたイザイの無伴奏が会場に朗々と響くのを聴いたとき、大家が奏でるチェロの大きさや落ち着き、懐の深さを感じた。岡本のチェロは熱量、緻密さ、インスピレーション、構成力、多彩な語り口や音色、何を取っても最高のものが厳選され、超越した世界に到達していると言っても過言ではない気がした。ブリテンの作品でも、達観さえ感じる悠久のなかに時間を忘れて身を任せているような彼岸的な別世界感を味わった。
全て無伴奏の作品が選ばれながら、無伴奏の定番とも云えるバッハを入れない選曲からもチャレンジ精神が窺えたが、プログラム後半の前衛的な作品における極限まで高められた緊張感や、焦げ臭さが漂って来きそうなほど熱気に満ちた演奏からも岡本の気合いを感じた。無調の音楽は音を間違えても聴き手は気づきにくいが、岡本の演奏に向き合っていると、寸分の音程の狂いもなく弾いていることが伝わってくる。
様々な特殊奏法を駆使したペンデレツキ作品は、鬼気迫るアグレッシブの極地で、弦が耐えられるかとも思っていたら、最終盤に差しかかったときにバチンと弦が切れて退場、もうすぐ終わるところだったこの作品を、再登場して冒頭から演奏し直してくれた。そしてその演奏は、一度目の気迫を更に上回るほど圧巻だった。いつか、ハプニングで演奏が途中で止まり、こともあろうにハプニングが起こった箇所より後の場所から演奏を再開したという苦い思い出があるが(ルイージ指揮N響とブフビンダーの共演)、聴衆に対しても、作品に対しても真摯な姿勢が窺え、益々好感度がアップした。
リサイタルのタイトルは「岡本侑也無伴奏 II」となっていて、2021年に第1回目のリサイタルがあったという。これも聴きたかったな。今後はカルテットの仕事にウエイトを置くとのことでカルテットを聴くのも楽しみだが、また近いうちにソロリサイタルもやってもらいたい。
ところで、会場で配られたプログラムに載っている曲順を見ながらそのつもりで聴いていたら、それとは全然違う曲順に変更されていて、知っている曲がブリテンだけだったので混乱してしまった。こうした重要な情報はもう少ししっかり事前周知してもらいたい。
あと演奏とは全く関係ないが、クロークで預けたものを受け取るとき、お礼も会釈もせずに無言無表情で受け取る客の何と多いことか。「お待たせしました」と丁寧に渡してくれるスタッフに対して何様のつもり?お礼ぐらい言おうね。
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トッパンホールの情報紙(トッパンホールプレス)のインタビュー記事を読んで興味を持ち、行きたくなったリサイタル。岡本侑也のソロを聴くのは初めて。
深く温かく全てを包み込むように奏で始めたイザイの無伴奏が会場に朗々と響くのを聴いたとき、大家が奏でるチェロの大きさや落ち着き、懐の深さを感じた。岡本のチェロは熱量、緻密さ、インスピレーション、構成力、多彩な語り口や音色、何を取っても最高のものが厳選され、超越した世界に到達していると言っても過言ではない気がした。ブリテンの作品でも、達観さえ感じる悠久のなかに時間を忘れて身を任せているような彼岸的な別世界感を味わった。
全て無伴奏の作品が選ばれながら、無伴奏の定番とも云えるバッハを入れない選曲からもチャレンジ精神が窺えたが、プログラム後半の前衛的な作品における極限まで高められた緊張感や、焦げ臭さが漂って来きそうなほど熱気に満ちた演奏からも岡本の気合いを感じた。無調の音楽は音を間違えても聴き手は気づきにくいが、岡本の演奏に向き合っていると、寸分の音程の狂いもなく弾いていることが伝わってくる。
様々な特殊奏法を駆使したペンデレツキ作品は、鬼気迫るアグレッシブの極地で、弦が耐えられるかとも思っていたら、最終盤に差しかかったときにバチンと弦が切れて退場、もうすぐ終わるところだったこの作品を、再登場して冒頭から演奏し直してくれた。そしてその演奏は、一度目の気迫を更に上回るほど圧巻だった。いつか、ハプニングで演奏が途中で止まり、こともあろうにハプニングが起こった箇所より後の場所から演奏を再開したという苦い思い出があるが(ルイージ指揮N響とブフビンダーの共演)、聴衆に対しても、作品に対しても真摯な姿勢が窺え、益々好感度がアップした。
リサイタルのタイトルは「岡本侑也無伴奏 II」となっていて、2021年に第1回目のリサイタルがあったという。これも聴きたかったな。今後はカルテットの仕事にウエイトを置くとのことでカルテットを聴くのも楽しみだが、また近いうちにソロリサイタルもやってもらいたい。
ところで、会場で配られたプログラムに載っている曲順を見ながらそのつもりで聴いていたら、それとは全然違う曲順に変更されていて、知っている曲がブリテンだけだったので混乱してしまった。こうした重要な情報はもう少ししっかり事前周知してもらいたい。
あと演奏とは全く関係ないが、クロークで預けたものを受け取るとき、お礼も会釈もせずに無言無表情で受け取る客の何と多いことか。「お待たせしました」と丁寧に渡してくれるスタッフに対して何様のつもり?お礼ぐらい言おうね。
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