10月4日(日)コール・ヴァフナ 第25回記念定期演奏会 タワーホール船堀大ホール 【曲目】 1.多田武彦/男声合唱組曲「雪と花火」 2.バッハ/モテット (第25回記念混声ステージ) 「主に向かいて新しき歌を歌え」BWV225 「来ませ、イエスよ、来ませ」BWV229 3.ポピュラーソング・ステージ 少年時代 涙そうそう 千の風になって さくら(須田和宏 編曲) この道を行く(小田和正) 4.木下牧子/男声合唱組曲「光る刻」 【アンコール】 1.夢みたものは 2.シューベルト/ハイリヒ 3.時代 Vc:西沢央子(2)/Org:中野ひかり(2)/Pf:武部純子(3,4) 【指揮】川合良一/車 真佐夫(3,アンコール3) 以前参加していた男声合唱団コール・ヴァフナが25回目の定期演奏会を記念して混声合唱のステージを設け、そこでバッハのモテットを歌うので賛助メンバーを募るという話が今年の3月に来た。バッハの合唱が大好き、なかでもモテットBWV225「主に向かいて新しき歌を歌え」は一番好きといってもいい曲。いつか自分も歌ってみたいと思っていた曲を学生時代からの師である川合先生の指揮で、ひたすら真摯に歌に打ち込んでいるコール・ヴァフナのメンバーと歌えるなんて願ってもないチャンス!ということで、やはりバッハ好きの奥さんと参加を決め、4月からの練習が始まった。夫婦共々超久し振りの合唱だ。 大規模で壮麗、メリスマを駆使して神を賛美する華やかなBWV225にはますます惹かれると同時に、瀕死の苦しみからイエス様に救済されて永遠の平安を得る深い精神性を湛えたBWV229の良さにも心から共感していった。とりわけBWV225は2群の合唱が当意即妙に交感し合いながらやり取りしたり、メリスマがめまぐるしく行き交う難曲で、言葉をきっちり入れて歌うのに悪戦苦闘だったが、それでもそんな音が行き交う響きの渦のなかに身を置いて歌う幸福感も感じつつ練習を重ねた。 ドイツ語の歌詞の指導を担当させてもらった僕は歌詞の逐語訳を作り、クリスチャンの友人のさぁちゃんに歌詞で使われている聖句やコラールなどの言葉の宗教的な意味を教えてもらったり、版によって異なる歌詞を発見し、それをバッハ研究を専門にしている木村先生のお力添えもいただいて校訂報告などとにらめっこしたりしながら練習を重ねて行くうち、この2つのモテットへの愛着は益々増していった。 練習時間は必ずしも十分とは行かなかったかも知れないが、それでも指揮の川合先生と集まったメンバーが一歩一歩この2つの大曲の足元に近づき、登りはじめ、自分たちの歌として歌えるようになってきた。 本番が近づくにつれてステージに立つこととは別に、流行の新型インフルエンザに対するプレッシャーでかなりナーバスになった。夫婦で練習に参加して頑張ってきたので2人ともインフルエンザにはかかれない!それに子供達がインフルエンザにかかってもおれたちのどちらかの出場が危ぶまれるのでこれも絶対に回避したい。子供の学校で「新型が出た」なんて聞く度にヒヤヒヤだった。 幸いにもそんな目に遭うことなく当日の朝を迎え、本番に臨む。通奏低音にオルガンの中野さんとチェロの西沢さんを迎えた。
本番ではできるだけ遠くの席のお客さんにまで声が届くよう、そして歌の心が伝わるように精一杯歌った。途中何度か胸がいっぱいになってうるっと来たが、それでは思うような歌を届けられなくなってしまうと思ってこらえた。指揮の川合先生の表情を見ると安心し、もう一つのバスパート(第2バス)を歌うNさんの歌声をすぐ左隣で聴いて二重合唱を実感しながらアンサンブルを楽しみ、すぐ右隣では抜群の存在感と安定感を誇る同じパートのKさんの歌声に支えられ、ホールに響く8部合唱のハーモニーの中にいる幸せな時間。でもこんな時間は足早に進んで行ってしまう。 喉の調子も良かったしペース配分も考えていたつもりだったのに、ステージの終盤では声がかすれてきたように感じ腹に力を入れ直した。死の苦しみから解き放たれて主イエスのもとで憩う安らかな気持ちで静かに曲を閉じるBWV229 だが、高揚した気分で熱く語るように歌ってしまい、歌い終わったあとも不謹慎かも知れないが「楽しかったーっ」という気持ちでいっぱいだった。 あっという間の25分間。練習にかけた総時間を思うと本当に短い、しかし最高に輝いた貴重な瞬間を味わうことができた。自分では大満足だったが、客席にはどんな風に聴こえていたのだろうか… 僕の出番はこの第2ステージだけで終わったが、コール・ヴァフナのステージはこの前に1ステージ、それに後半の第3、4ステージが続き、その後半は客席で聴かせてもらった。 25年の歳月をかけて柔らかで深いハーモニーを熟成させてきたヴァフナが歌う「少年時代」や「涙そうそう」は郷愁と切なさを誘い、普段はちょっとクサイと思っていた「千の風になって」がスっと心に入ってくる。「光る刻」の「象」での切迫した存在感は、力任せのパワーとは違う地の底から沸きあがってくるようなパワーを感じるなど、聴き応え十分で感銘深い演奏だった。おまけにアンコールが3曲も続き、これでもう1ステージと言えるようなボリューム。 バッハだけで殆ど力尽きた僕だが、ヴァフナの現役メンバーのタフさ、力配分の巧さ、それに精神力にも恐れ入るばかり… こんな素晴らしい合唱の仲間に入れてもらえたことにただ感謝。そして聴きに来てくださった方々にも心より感謝致します。 さあ、来月はもう1つ合唱で出番がある(理科大オケと歌うプーランクの「グロリア」)。あれ? もう頭の中ではグローリアが流れている… |
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