10月19日(水)レ・ヴァン・フランセ
東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.マルティヌー/六重奏曲
2.ラヴェル/ジョーンズ編曲/クープランの墓
3.カプレ/フルート、オーボエ、クラリネット、バソンとピアノのための五重奏曲
4.ライネッケ/オーボエ、ホルン、ピアノのための三重奏曲イ短調 Op.188
5.サン=サーンス/フルート、クラリネット、ピアノのためのタランテラ op.6
6.プーランク/ピアノと管楽器のための六重奏曲
【アンコール】
1.デュイレ/ピアノと管楽器のための六重奏曲変ホ長調Op.6~第3楽章ガヴォット
2.イベール/3つの小品~第1曲
3.マルティヌー/六重奏曲~第5楽章
【演 奏】
レ・ヴァン・フランセ
Fl:エマニュエル・パユ/ Cl:ポール・メイエ/ Ob:フランソワ・ルルー/ Hrn:ラドヴァン・ヴラトコヴィチ/Fg(バソン):ジルベール・オダン/ Pf:エリック・ル・サージュ
4年振りに聴いたレ・ヴァン・フランセの演奏会は前回のコンサートで受けた抜群の好感度を更に高め、このアンサンブルの素晴らしさを鮮烈に印象づけた。
レ・ヴァン・フランセの奏でる音楽はどれもがしゃれていて、爽やかで、香り高い。このうえない繊細さと極上の色香で透明感のある水彩画のような世界を描いてゆく。それは細心の気配りで優しく密やかに語り、歌われることもあれば、胸がすくようなスピード感で駆け抜けて行くこともある。そしてまたあるときは強烈なアタックを胸に深く打ち込んでくることもある。いずれにしても彼らの演奏はどれもしかめっ面したお説教の気分とは無縁であることは言うまでもなく、そればかりか背筋を伸ばして姿勢を正して聴き入ることも求めてこない。レ・ヴァン・フランセは浮世の楽しさや刺激を心行くまで味わわせてくれ、或いは天上の心地好さを伝えてくれる。
メンバー一人一人の音楽家としての力量がケタ外れであることは今更言うまでもないので、それぞれから今夜受けた印象を少々乱暴かも知れないが一語で表してみると・・・
パユのフルート:「 光」、ルルーのオーボエ:「色」、メイエのクラリネット:「香り」、オダンのバソン:「味」、そしてホルンのヴラトコヴィチはアンサンブルの中で脈々と流れる「血」、ピアノのサージュはこれら5人のアンサンブルに染みわたる「水」
もちろんこれらの印象は時と場所によってその役割を交替したり、同時にいくつもの特徴を聴かせることもあるが、こうした抜群の名手達がアンサンブルとして奏でる音楽がいかに素晴らしいかは上で述べたとおり。
曲目に少し触れるなら、彼らの十八番とも言えるプーランクの六重奏曲が良いのはもちろんだが、直接言葉を交わすことなく、まるで心と心を交感させあっているようにデリケートにコミュニケーションしつつ、天使達が天上で踊っているような幸福感に満ちたラヴェルの「クープランの墓」や、古典的なしっかりした構成でできているはずの音楽が、そんな形式のことなんて忘れてしまうほど自由に流麗に優雅に奏でられたカプレの五重奏曲など、どれもがレ・ヴァン・フランセの演奏にかかるともう世界で唯一無二の極上の音楽になってしまうことを感じずにはいられなかった。
予定されていたプログラムが終了したのはすでに9時10分をまわっていたはずだが、その後アンコールを次々と3曲も演奏した。サービス精神もあるのだろうが、音楽をするのが楽しくて仕方ないという彼らの姿は音楽の女神ミューズの申し子たちのようにも見えた。
東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.マルティヌー/六重奏曲
2.ラヴェル/ジョーンズ編曲/クープランの墓
3.カプレ/フルート、オーボエ、クラリネット、バソンとピアノのための五重奏曲
4.ライネッケ/オーボエ、ホルン、ピアノのための三重奏曲イ短調 Op.188
5.サン=サーンス/フルート、クラリネット、ピアノのためのタランテラ op.6
6.プーランク/ピアノと管楽器のための六重奏曲
【アンコール】
1.デュイレ/ピアノと管楽器のための六重奏曲変ホ長調Op.6~第3楽章ガヴォット
2.イベール/3つの小品~第1曲
3.マルティヌー/六重奏曲~第5楽章
【演 奏】
レ・ヴァン・フランセ
Fl:エマニュエル・パユ/ Cl:ポール・メイエ/ Ob:フランソワ・ルルー/ Hrn:ラドヴァン・ヴラトコヴィチ/Fg(バソン):ジルベール・オダン/ Pf:エリック・ル・サージュ
4年振りに聴いたレ・ヴァン・フランセの演奏会は前回のコンサートで受けた抜群の好感度を更に高め、このアンサンブルの素晴らしさを鮮烈に印象づけた。
レ・ヴァン・フランセの奏でる音楽はどれもがしゃれていて、爽やかで、香り高い。このうえない繊細さと極上の色香で透明感のある水彩画のような世界を描いてゆく。それは細心の気配りで優しく密やかに語り、歌われることもあれば、胸がすくようなスピード感で駆け抜けて行くこともある。そしてまたあるときは強烈なアタックを胸に深く打ち込んでくることもある。いずれにしても彼らの演奏はどれもしかめっ面したお説教の気分とは無縁であることは言うまでもなく、そればかりか背筋を伸ばして姿勢を正して聴き入ることも求めてこない。レ・ヴァン・フランセは浮世の楽しさや刺激を心行くまで味わわせてくれ、或いは天上の心地好さを伝えてくれる。
メンバー一人一人の音楽家としての力量がケタ外れであることは今更言うまでもないので、それぞれから今夜受けた印象を少々乱暴かも知れないが一語で表してみると・・・
パユのフルート:「 光」、ルルーのオーボエ:「色」、メイエのクラリネット:「香り」、オダンのバソン:「味」、そしてホルンのヴラトコヴィチはアンサンブルの中で脈々と流れる「血」、ピアノのサージュはこれら5人のアンサンブルに染みわたる「水」
もちろんこれらの印象は時と場所によってその役割を交替したり、同時にいくつもの特徴を聴かせることもあるが、こうした抜群の名手達がアンサンブルとして奏でる音楽がいかに素晴らしいかは上で述べたとおり。
曲目に少し触れるなら、彼らの十八番とも言えるプーランクの六重奏曲が良いのはもちろんだが、直接言葉を交わすことなく、まるで心と心を交感させあっているようにデリケートにコミュニケーションしつつ、天使達が天上で踊っているような幸福感に満ちたラヴェルの「クープランの墓」や、古典的なしっかりした構成でできているはずの音楽が、そんな形式のことなんて忘れてしまうほど自由に流麗に優雅に奏でられたカプレの五重奏曲など、どれもがレ・ヴァン・フランセの演奏にかかるともう世界で唯一無二の極上の音楽になってしまうことを感じずにはいられなかった。
予定されていたプログラムが終了したのはすでに9時10分をまわっていたはずだが、その後アンコールを次々と3曲も演奏した。サービス精神もあるのだろうが、音楽をするのが楽しくて仕方ないという彼らの姿は音楽の女神ミューズの申し子たちのようにも見えた。
ほんとに当たっています
私は王子ホールのほうに行きましたが、終演は9時30分ぐらいでした。音楽の女神ミューズの申し子たち、音楽をするのが楽しくてしかたがないんですね