12月18日(金)クリスマス・スペシャル・コンサート
X'maro 2009 by 篠崎“まろ”史紀
王子ホール
【曲目】
1.モーツァルト/セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
2.ドヴォルザーク/弦楽セレナードホ長調Op.22, B.52
3.チャイコフスキー/弦楽セレナード ハ長調Op.48
【アンコール】
グレン・ミラー/雨面千尋/ムーンライトセレナーデ
【演奏】
篠崎史紀(Vn)/MAROカンパニー:Vn:伊藤亮太郎、崎谷直人、白井 篤、伝田正秀、戸澤哲夫、西江辰郎、秦野陽介、山岸 努/Vla:佐々木 亮、鈴木康浩、横溝耕一/Vc:上森祥平、桑田 歩、富岡廉太郎/CB:西山真二
X'maroにマロさん率いる若き弦の名手達のMAROカンパニーが登場し、セレナーデの名曲を3曲並べた演奏会はとてもエキサイティングで楽しかった。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が輝かしい響きで始まった。活力と自信に溢れた導入、そしてそれを受けるフレーズは各パート1人ずつで奏でられた。コンチェルトグロッソ風にソリとトゥッティが交替しながら曲が進む。このスタイル、去年もマロさんたちの演奏会で聴いたが、本当にモーツァルトがこうしたスタイルの演奏を想定して書いたようにハマっている。潤いに満ちた響きで甘くロマンティックなメロディーを歌った第2楽章とウキウキする生命力みなぎる第4楽章が特によかった。第4楽章でフレーズの間に長めの休みを入れるやり方がハイドンっぽい茶目っ気みたいに聴こえたのも印象的だった。
続くドボルザークのセレナーデでMAROカンパニーの男達は次々と現れる名旋律を内なる思いを込めて熱く歌い上げた。みんなとても楽しそうな表情で弾き、「僕の歌を聴いてくれ」と言わんばかりに歌比べをしているような若々しく能動的な演奏だった。
締めの3曲目はチャイコフスキー。ここでMAROカンパニーのパワーは全開。色とりどりに今が盛りと咲き競う花々の百花繚乱の光景のように、むせ返るような若い息吹に溢れた演奏。MAROカンパニーの名手達の波長がピタリとかみ合い、高いテンションを保ちながら進んで行く。
情熱的でストレートな気持ちの告白もあれば(第1楽章)、心の底から切々と訴える深くて熱い思いもある(第3楽章)。そして女心を巧みに引き寄せる男の色気みたいなものも備わっている(第2楽章)。まさに「セレナーデ」という名に相応しい魅力がたっぷり詰まった演奏だ。第4楽章では思わず駆け出さずにはいられないほどのワクワクした幸福感に満たされ、グイグイと聴き手の気持ちを高めてクライマックスへと導いてくれた。
マロさんが曲間に交える楽しいトークでは、ちょっとした説明の度に実演が入るのだが、その場で振られていきなりドヴォルザークやチャイコのコンチェルトのソロを見事に弾いてしまうようなメンバーの集まりであるMAROカンパニーはアンサンブルとしても着実に力を蓄え、開花させている。
「とっておきのセレナーデを…」というマロさんの紹介でアンコールに演奏された「ムーンライトセレナーデ」の、渋い男優から滲み出たような魅力も様になっている。このアンサンブルで次に聴きたい曲の選択肢はどんどん広がる。まずはメンデルスゾーンのオクテットの弦楽合奏版。これを是非聴いてみたい!
X'maro 2009 by 篠崎“まろ”史紀
王子ホール
【曲目】
1.モーツァルト/セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
2.ドヴォルザーク/弦楽セレナードホ長調Op.22, B.52
3.チャイコフスキー/弦楽セレナード ハ長調Op.48
【アンコール】
グレン・ミラー/雨面千尋/ムーンライトセレナーデ
【演奏】
篠崎史紀(Vn)/MAROカンパニー:Vn:伊藤亮太郎、崎谷直人、白井 篤、伝田正秀、戸澤哲夫、西江辰郎、秦野陽介、山岸 努/Vla:佐々木 亮、鈴木康浩、横溝耕一/Vc:上森祥平、桑田 歩、富岡廉太郎/CB:西山真二
X'maroにマロさん率いる若き弦の名手達のMAROカンパニーが登場し、セレナーデの名曲を3曲並べた演奏会はとてもエキサイティングで楽しかった。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が輝かしい響きで始まった。活力と自信に溢れた導入、そしてそれを受けるフレーズは各パート1人ずつで奏でられた。コンチェルトグロッソ風にソリとトゥッティが交替しながら曲が進む。このスタイル、去年もマロさんたちの演奏会で聴いたが、本当にモーツァルトがこうしたスタイルの演奏を想定して書いたようにハマっている。潤いに満ちた響きで甘くロマンティックなメロディーを歌った第2楽章とウキウキする生命力みなぎる第4楽章が特によかった。第4楽章でフレーズの間に長めの休みを入れるやり方がハイドンっぽい茶目っ気みたいに聴こえたのも印象的だった。
続くドボルザークのセレナーデでMAROカンパニーの男達は次々と現れる名旋律を内なる思いを込めて熱く歌い上げた。みんなとても楽しそうな表情で弾き、「僕の歌を聴いてくれ」と言わんばかりに歌比べをしているような若々しく能動的な演奏だった。
締めの3曲目はチャイコフスキー。ここでMAROカンパニーのパワーは全開。色とりどりに今が盛りと咲き競う花々の百花繚乱の光景のように、むせ返るような若い息吹に溢れた演奏。MAROカンパニーの名手達の波長がピタリとかみ合い、高いテンションを保ちながら進んで行く。
情熱的でストレートな気持ちの告白もあれば(第1楽章)、心の底から切々と訴える深くて熱い思いもある(第3楽章)。そして女心を巧みに引き寄せる男の色気みたいなものも備わっている(第2楽章)。まさに「セレナーデ」という名に相応しい魅力がたっぷり詰まった演奏だ。第4楽章では思わず駆け出さずにはいられないほどのワクワクした幸福感に満たされ、グイグイと聴き手の気持ちを高めてクライマックスへと導いてくれた。
マロさんが曲間に交える楽しいトークでは、ちょっとした説明の度に実演が入るのだが、その場で振られていきなりドヴォルザークやチャイコのコンチェルトのソロを見事に弾いてしまうようなメンバーの集まりであるMAROカンパニーはアンサンブルとしても着実に力を蓄え、開花させている。
「とっておきのセレナーデを…」というマロさんの紹介でアンコールに演奏された「ムーンライトセレナーデ」の、渋い男優から滲み出たような魅力も様になっている。このアンサンブルで次に聴きたい曲の選択肢はどんどん広がる。まずはメンデルスゾーンのオクテットの弦楽合奏版。これを是非聴いてみたい!