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GW2012ファミリーハイキング 桜咲く百蔵山と猿橋を巡る

2012年06月29日 | 山&ハイキング
2012年4月29日(日)


家族で山にいくときは、眺めのいいところとか、あんまりキツくて長いコースではないなどの条件で選ぶが、更にゴールデンウィークの時期の行き先を決めるポイントとなるのは、

① 混みすぎない
② 新緑を楽しめる
③ 花が多い
④ のどかな里山の雰囲気がある

なども重要になる。①で高尾山は早々に選択肢から外れる。②~④はこのシーズンならではの美しさを堪能するためにやっぱり欠かせない。②の新緑を楽しむには、植林の杉やヒノキばかりが続くコースは避けたい。花粉症にとって辛いだけでなく、植林帯は鳥のさえずりも、道端の花もあまりなくてつまらない。それと、標高が1500メートル以上になってしまうと、GWの頃はまだ芽吹き前なので、標高が高すぎないのもポイントとなる。

そんな条件を満たすコースは、低山ハイクのガイド本にもそれほどいくつも出ているわけではない。そんな中で良さそうに思ったのが中央本線の猿橋駅から望む百蔵山。富士山の秀麗な眺めで有名で、植林地帯は多いようだが上の方は雑木林もあり、頂上付近には桜がたくさん咲いているらしい。今年は下界でも梅や桜は遅かったので、この時期ならまだ桜を楽しめるかも知れない。去年の旅行で立ち寄った猿橋ももう一度見てみたい。

ということで、今年のGWファミリーハイキングは、百蔵山から猿橋の周遊コースを歩いた。

猿橋駅から百蔵山の登山口になる福泉寺まではバスがあるものの、土曜と休日は運行していない。駅前にはタクシーもいなかったので、電話で来てもらった。福泉寺までの料金は、ガイドには1600円と書いてあったが、970円で行けた。ここからしばらくは集落のなかの道を歩く。途中、畑の中で道が二股に分かれるところがあり右へ入って行ったら、農作業をしている人が「そっちじゃないよ」と教えてくれた。

集落の中の道は里山的な田園風景が広がっていていい感じ。

古い農家、古い井戸、庭先にきれいに植えられた季節の花々、道端に咲く野の花、こいのぼり、背景には新緑に彩られた森… この季節ならで眺めが楽しめる。


やがて本当の登山口に入り、道が急になる。残念ながら針葉樹の植林が多いが、ところどころ広葉樹の繁るエリアも通過する。

道端に食虫植物のように大きな壺をぶら下げた花を発見。これ、何ていう花だっけ?

きつめの登りがずっと続く。さっきの登山口から30分で着くはずの金比羅宮にもなかなかつかない。

福泉寺をスタートしてから1時間15分、コースタイムより30分もオーバーしてようやく金比羅宮らしき祠にやってきた。鐘がぶら下がっていて棒で鳴らせるようになっている。祠には仁王様のような木彫の像が立っていた。ガイドによればここから道は一段と急になるとのこと。

ガイドに書いてあるとおりに、金比羅宮からは山道は一層傾斜がきつくなった。

この急坂はかなり続くかと思ったが、それほど長くはなかった。道が緩やかになってきた頃、道端に薄桃色のミツバツツジが咲いていた。ガイドには「ゴールデンウィークにはピンクの花が春を彩る」って書いてあるので、この先にはもっと咲いているのかな、と期待。赤松も多くなってきた。


ツツジはほかにもいくつか咲いているところがあったが、今年の冬は寒くて春の到来も遅かったので、ツツジの開花も遅れ気味という感じだった。
だけど、尾根線を歩いていると山桜がまだ花をたくさん残していて、山道はあちこちが花びらで飾られていた。


表登山道との分岐まで来れば頂上はもう近い。下りて来た人たちが「頂上は桜がきれいですよ」とおしえてくれた。富士山も見えるかな… 

この辺りまで登ってくると標高も1000メートルに近くなっていると思うが、広葉樹はやっと芽吹き始めたという感じ。

芽吹き始めたばかりの、初々しい薄い色彩の雑木林のなかに紅い花がぽっかりと佇んでいた。これはボケのようにも見えるが… 

尾根線に出ると道も平坦になるし、見通しもよくなるし、植林地帯も抜けて雑木林になり、花の種類も多くなる。このコースの一番おいしいところだ。

歩き始めて約2時間半、ようやく百蔵山の山頂(1003m)に到着した。頂上は広場のようにのびやかで、たくさんの人たちがお弁当を広げていた。桜の木が何本もあって、きれいな花を咲かせていた。

展望もなかなか見事。三ツ峠や御正体山、そしてまだ真っ白く雪に覆われた富士山も見えた。この景色は富士山から少し左の方を見た眺め。


クリックで拡大

桜の木に近く、景色もよく見える場所を選んでお昼にした。周りにも登山者はけっこういるが、山ガールブームを反映してか若いおねえちゃんたちがたくさんいて楽しそうに弁当を広げていた。中高年グループのおじさんたちが嬉しそうに山ガールに話しかけていた。



頂上の桜はソメイヨシノだそうだが、下界のソメイヨシノに比べると質素な趣がある。1000メートルの山頂という、風雨などももろに受ける厳しい気象条件にも耐えている健気さを感じた。


山頂では富士山を入れてスケッチをした。コンパクトデジカメでは薄くてよくわからないが、目で見た富士山の印象はこのスケッチ以上に存在感もあるし、惹きつけられる。


山頂でたっぷり2時間のんびり過ごし、さて下山のコースとしてガイドやブログなどに出ているポピュラーなものは、来た道を10分ほど戻り、表登山道を下って猿橋駅へ向かうコース。だが、、「嫌というほどの、杉、杉、杉の林」という百蔵山のブログレポートを読んで、別のコースはないものかと思っていたら、地図に表登山道まで戻らないで、山頂の少し先を下山する道が出ていた。

今朝、猿橋駅に着いたとき百蔵山が目の前に見えたので山肌の様子を観察したら、ちょうど山の中央あたりに杉林と思しきエリアが黒々と見えた。その少し右にズレたあたりは山肌の色が薄くて、ここは杉林ではなさそう。地図に出ていたもう一つの下山道はその杉林ではないところにありそうだったので、こちらを下ることにした。

下山路に入るといきなりかなり急な滑りやすい砂地のザレ場がしばらく続いた。
奥さんはこういう道が一番苦手だが、要所にはロープもあるし危険というほどではない。急な下りはしばらく我慢すれば少しはマシになる。それに何といっても、こちらは期待したとおり杉やヒノキの植林ではなく自然林が続いているのが嬉しかった。当然花も多く、椿も咲いていたし…

ミツバツツジだって登ってきた道以上にたくさん咲いていた。


そして変化に富んだ雑木林の幹たちが作り出す造形美は生命力に溢れ、見ているだけで元気が出てくる。

こんな風に何本もの幹が合わさると、お互いが居心地いい状態になりたがるためかとても調和がとれていて、素敵なハーモニーを奏でているようだ。

雑木林でのおもしろさでは幹だけでなく、根っこだって負けてはいない。こちらは幹のメロディーを支えるベースといったところだろうか。


枝の方ではいろんな種類の鳥たちがさえずりながら飛び交っている。珍しい鳥の鳴き声が近くで聴こえるたびに、息を潜めて鳥を探すのも楽しい。

こんな倒木があるのも、変化に富んだ雑木林ならでは。初々しい薄緑色の若葉が目に沁みる。


この雑木林は、結局表登山道と合流するまでほぼずっと続いていた。こちらを選んで大正解だった。

市営総合グラウンドの近くから振り返ると、下りて来た百蔵山が見渡せた。こうしてみると植林帯と雑木林のエリアはくっきりと分かれているのがわかる。植林帯がずいぶん多いが、僕たちは右側にある自然林地帯を下りて来たわけだ。


このあと、まっすぐに猿橋駅には向かわず、中央高速の高架をくぐったあと川沿いに左へそれて、日本三奇橋の一つとされる猿橋を訪れた。中央道の高架下の分岐から結構歩いたが、この橋はやっぱり見る価値あり。去年も車で寄ったが、歩いてたどり着くと感慨もひとしお。

橋脚を立てず、吊橋にもせず、両岸から張り出したはね木を組み合わせて深い谷の上に橋を渡す工法の珍しさから奇橋と言われている。この構造は見た目にも美しく、新緑の渓谷の風景にもよく馴染んでいた。

ここで百蔵山の山頂で写真を撮ってあげた3人の山ガールたちに再会。「せっかくだからどうですか」と、ここでもシャッターを押してあげた。「女の人だからそんなに親切なんでしょ」と娘に言われた。そりゃ当然でショ!!

その娘が、橋の袂に建っていた猿橋架け替え工事の記念碑に、天野貞祐の名前が刻まれているのを発見した。天野先生の直筆を碑に刻んだものだった。意外なところで天野先生の名前を発見してびっくり!

この橋と平行して、発電用の水が勢いよく流れる歴史のありそうな水路橋もある。近くには神社や昔ながらのお店が並んでいて、ちょっとした歴史地区になっている。猿橋の横には石段があって、桂川の渓谷へ下りることもできる。紅葉の季節はまたきれいな渓谷美を楽しめそう。

猿橋から駅までは約1.5キロ。バスがあれば乗りたかったが、休日はこちらもバスはなかった。約20分歩いて駅に着いた。

新緑と花と富士山、それに渓谷や歴史ある景観も楽しめたGWハイキングだった。

《行程》
福泉寺10:00 →金比羅宮11:15 →12:25百蔵山山頂14:25 →表登山道合流地点15:37→市営グラウンド16:05→16:30猿橋17:10 →猿橋駅17:30

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