2008年7月31日(木)
海野宿
インターネットのサイトから印刷した地図を頼りに上信越自動車道の東部湯の丸インターで下りて海野宿を目差したが、途中に「海野宿」という標識が全くなくてちょっと困った。海野宿に近づくとようやく案内表示も出てきた。
海野宿は寛永2年(1625)に北国街道に開設された宿駅だそうだ。「日本の道百選」にも選ばれているこの地域は電柱や看板なども一切なく、一つ残らず古くて歴史的な家々が並んでいる。あまり人通りがなくとても静かで、江戸時代の姿をした人がひょっこり街角から出て来そうな感じがする。
あちこちの家の軒下の門灯の上などに燕が行儀よくとまっていた。燕は人と共生する鳥というが、近づいてカメラを向けても逃げない燕たちは、きっと生活の中に溶け込んでいるんだろうな。紐につるを巻いてきれいに咲いている朝顔からもそんな人たちの温かさが見えるようだ。
それにしてもどこの家も風格のある歴史的な建物ばかり。これほどの歴史的な町並みが、高山とか木曽の妻籠宿まで行かずともこんな東京からの日帰り圏内にあるなんて知らなかった。でも通りは閑散としていて観光客風の人はまばら。
ここに来るまでの道案内も殆どなかったし、もう少し宣伝すればもっと賑わうのだろうが、観光地化されていないために住んでいる人たちの生活臭が伝わってくるという良さがある。
道路の真ん中の柳の並木に沿ってずっと用水路が通っていて、きれいな水が流れている。水辺で野菜を洗っている人がいた。このきれいな水は大昔から今でも変わらず人々の生活に欠かせない大切なものだ。
店先で硝子の風鈴たちが涼しげな音を響かせ合っていた。ここは「橙(だいだい)」とうガラス工房のお店。ノスタルジックな雰囲気があふれた店内には様々なガラス細工の工芸品が並んでいた。
地元名産のくるみの殻をガラスにまぶして作るという「クルミガラス」がこの工房の売りとのことで、胡桃の成分で淡い緑色に発色した小さなグラスが気に入って購入。これで冷酒を飲むのがまた楽しみに!子供たちはオリジナルのびー玉をいくつか選んでいた。
「散歩しているだけで楽しいし、別に見なくてもいいかな…」と思った資料館だが、中に上がれて部屋や中庭も見られるということだったので入ってみたら、これがなかなか面白かった。
古い生活道具や人形や衣装なども興味深かったし、中庭の古井戸の底の水が遠い空を照らし、農作業や養蚕のための道具は実際に触れるように置いてあって、子供たちはそれらを次々に動かして楽しんでいた。地下の倉庫やお風呂場ものぞけ、囲炉裏端ではお茶もいただけて、当時の生活の様子を肌で感じることができた。
インターネットで下調べしておいたおかげで建物の独特な作りにも目が行く。
本来は防火壁の役割だったものが装飾的意匠として作られるようになったという「卯建(うだつ)」、養蚕業が盛んになってから換気のために造られた「気抜き」、長短の組み合わせ模様が美しい「海野格子」等々… 昔の人たちの生活の知恵、優れた美的センスに改めて感動!
この通りに1軒だけあった食べ物屋。表は駄菓子や食材や雑貨を売っていて、奥では手打ち蕎麦が食べられる。子供たちはアイスキャンディーを、pocknは「昔なつかしい」ラムネを買って店先のベンチで頂いた。
650mほどの旧街道だったが妙に居心地がよくて、結局2時間近くも過ごした。古い昔からゆっくりと時間が流れる場所ではこうしてゆるりと過ごすのが相応しい。
信州の鎌倉・別所温泉へ
清里の貸別荘「野わけ」ライフ2008
夏の家族旅行で恒例となっている清里の貸し別荘「野わけ」を訪れる前に別所温泉で一泊した。 信州のガイドブックを見ていて別所温泉の近くには古い宿場がいくつかあることを知った。古い街好きのpocknとしてはかなり惹かれる。 別所温泉へ行く途中、その中でも一番規模が大きくて保存状態が良さそうな海野宿(うんのじゅく)を訪れた。 |
海野宿
インターネットのサイトから印刷した地図を頼りに上信越自動車道の東部湯の丸インターで下りて海野宿を目差したが、途中に「海野宿」という標識が全くなくてちょっと困った。海野宿に近づくとようやく案内表示も出てきた。
駐車場に車を停めて、まずは高速のパーキングエリアで買っておいた弁当(横川の釜飯や高崎だるま弁当!)で腹ごしらえ。 街道のスタート地点にある白鳥神社の境内の木陰はベンチが置いてあり、弁当を食べるのにおあつらえ向き。 小川が流れ、池に鯉が泳ぐ由緒ありそうな境内の真ん中には樹齢七百年を超すという欅の大木が祀られていて、長い歴史を感じる。 |
海野宿は寛永2年(1625)に北国街道に開設された宿駅だそうだ。「日本の道百選」にも選ばれているこの地域は電柱や看板なども一切なく、一つ残らず古くて歴史的な家々が並んでいる。あまり人通りがなくとても静かで、江戸時代の姿をした人がひょっこり街角から出て来そうな感じがする。
あちこちの家の軒下の門灯の上などに燕が行儀よくとまっていた。燕は人と共生する鳥というが、近づいてカメラを向けても逃げない燕たちは、きっと生活の中に溶け込んでいるんだろうな。紐につるを巻いてきれいに咲いている朝顔からもそんな人たちの温かさが見えるようだ。
それにしてもどこの家も風格のある歴史的な建物ばかり。これほどの歴史的な町並みが、高山とか木曽の妻籠宿まで行かずともこんな東京からの日帰り圏内にあるなんて知らなかった。でも通りは閑散としていて観光客風の人はまばら。
ここに来るまでの道案内も殆どなかったし、もう少し宣伝すればもっと賑わうのだろうが、観光地化されていないために住んでいる人たちの生活臭が伝わってくるという良さがある。
道路の真ん中の柳の並木に沿ってずっと用水路が通っていて、きれいな水が流れている。水辺で野菜を洗っている人がいた。このきれいな水は大昔から今でも変わらず人々の生活に欠かせない大切なものだ。
メインの通りから路地に入ったところの雰囲気がまたいい。 古い町好きのpocknはしばし佇み、漆喰の白壁と漆黒の板張りのコントラストが見事な壁のひんやりした感触を確かめ、古き時代へと思いを馳せる。 息子はこの路地の先に鉄道の踏切が見えたもので、そっちへ走っていってしまった… |
店先で硝子の風鈴たちが涼しげな音を響かせ合っていた。ここは「橙(だいだい)」とうガラス工房のお店。ノスタルジックな雰囲気があふれた店内には様々なガラス細工の工芸品が並んでいた。
地元名産のくるみの殻をガラスにまぶして作るという「クルミガラス」がこの工房の売りとのことで、胡桃の成分で淡い緑色に発色した小さなグラスが気に入って購入。これで冷酒を飲むのがまた楽しみに!子供たちはオリジナルのびー玉をいくつか選んでいた。
「散歩しているだけで楽しいし、別に見なくてもいいかな…」と思った資料館だが、中に上がれて部屋や中庭も見られるということだったので入ってみたら、これがなかなか面白かった。
古い生活道具や人形や衣装なども興味深かったし、中庭の古井戸の底の水が遠い空を照らし、農作業や養蚕のための道具は実際に触れるように置いてあって、子供たちはそれらを次々に動かして楽しんでいた。地下の倉庫やお風呂場ものぞけ、囲炉裏端ではお茶もいただけて、当時の生活の様子を肌で感じることができた。
インターネットで下調べしておいたおかげで建物の独特な作りにも目が行く。
本来は防火壁の役割だったものが装飾的意匠として作られるようになったという「卯建(うだつ)」、養蚕業が盛んになってから換気のために造られた「気抜き」、長短の組み合わせ模様が美しい「海野格子」等々… 昔の人たちの生活の知恵、優れた美的センスに改めて感動!
この通りに1軒だけあった食べ物屋。表は駄菓子や食材や雑貨を売っていて、奥では手打ち蕎麦が食べられる。子供たちはアイスキャンディーを、pocknは「昔なつかしい」ラムネを買って店先のベンチで頂いた。
650mほどの旧街道だったが妙に居心地がよくて、結局2時間近くも過ごした。古い昔からゆっくりと時間が流れる場所ではこうしてゆるりと過ごすのが相応しい。
信州の鎌倉・別所温泉へ
清里の貸別荘「野わけ」ライフ2008