facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

4月B定期(指揮:シャルル・デュトワ)

2006年04月19日 | N響公演の感想(~2016)
4月19日(水)シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団
《4月Bプロ》 サントリーホール

【曲目】
1.シベリウス/交響詩「フィンランディア」op.26
2.ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op. 61
Vn:リサ・バティアシュヴィリ
3.シベリウス/交響曲 第1番 ホ短調 op.39

久々のデュトワ登場。冒頭の「フィンランディア」は並々ならぬ気合いを感じる。地の底から突き上げるような分厚く腰の据わった金管群のエネルギーが頼もしい。弦も厚みがあり響きが充溢している。オケ全体が力まずに充実した音を鳴らし、ホールの隅々まで響き渡る。テンポやメリハリも気持ちが良く、良い演奏だった。

続くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲でソロを弾いたバティアシュヴィリも好印象。シルクを思わせる肌触りの伸びのある美音と、ピタリとハマる音程が聴く者の気持ちを自然とソロに向けさせる。「これは良い演奏になりそう!」と期待が高まったのだが、その期待ほどには盛り上がらなかった。1楽章のカデンツァはちょっと考えすぎ、2楽章はもっと深くて熱い歌が欲しい。3楽章は終盤なかなかの追い上げを聴かせたが、オケが余りに伴奏に徹し過ぎてはいなかったか。もっとスリリングな競演を聴きたかった。

それにしてもN響は指揮者だけでなく、ソリストも外人が好きだ。外人ソリストは超大物に絞り、あとは日本人の実力のある人を招んでもらいたいのだが、N響が招ぶ日本人ソリストはコンクールとかで話題になった人に限られるのはいつも疑問。ま、今日のリサはかわいかったからいいことにしよう。

第1シンフォニーはシベリウスの若々しい力がみなぎり、北欧の大地の息吹きが伝わって来るような演奏。以前やはりデュトワで聴いた第2シンフォニーは「おもしろくなかった」という印象だけが残っているが、今夜の1番はデュトワにしては土臭ささえ感じるような、曲の持ち味を増幅した演奏で楽しめた。フルートの1番を高木綾子さんが吹いていたのには目を見張った。「新潮45」で最近読んだ記事を思い出し、「なるほどね」なんて勝手に思い込んでしまったが、本当の事情は知らない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 烏来日帰り観光 | トップ | 東京混声合唱団定期演奏会(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

N響公演の感想(~2016)」カテゴリの最新記事