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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

GWファミリーハイキング ~三国山・生藤山~軍刀利神社

2010年05月23日 | 山&ハイキング
2010年5月3日(月)


今年のゴールデンウィークのファミリーハイキングは、去年のGWハイキングの時に乗った中央線ホリデー快速が快適でとてもよかったので、またこれに乗って行ける山、ということで探し、上野原駅からバスに20分ほど乗って登山口に来れて、頂上まで1時間半程度、展望も良いという三国山・生藤山へ行くことにした。

今回新宿から乗ったのは「ホリデー快速河口湖」で、去年のような2階建ての新しい車両ではなく、夜行で山に行くときに乗る古い特急車両だった。それに入線直後に駅に着いたときはホームはもうかなりの人。辛うじて4人ばらばらに座ることはできたが、余裕で4人一緒に座れた去年とは大違い。総2階建てだった去年の車両とはキャパが違うせいだろうか。更に立川、八王子とどんどん人が増え、上野原では人をかき分けて降りなければならないほどだった。

しかし上野原で降りる客は少なく、上野原からのバスも空いていた。
バスの車内で発車を待っていたら、隣りのバスの運転手さんが「要害山へ行ってみませんか?」と言って手書きの案内のコピーを手渡した。そこには「要害山」とか「八重山」などのコースが載っていて、「展望抜群」とか書いてある。ちょっと心が揺れたが、今回はやっぱり最初に決めたところに行くことにした。

石盾尾神社~甘草水

登山口のある石盾尾神社前で殆どの乗客が降りた。みんな同じコースを歩くのだろうか…

神社でお参りをして、その脇の道を歩き始める。民家や農家が点在する田舎の風景。鯉のぼりが泳ぎ、芝桜や菜の花、レンゲの咲く山里の道だ。農作業をしていたおじさんと挨拶を交わす。「今日は良い天気だから山はいいね。」と言われるとおりのハイキング日和だ。どこかの家のニャンコがしばらく僕たちについてきた。

道は車道から左にそれ、登山道が始まった。よく手入れの行き届いた杉林が続く。結構な上り坂だ。あまり目立たないが、足元にはいろんな花が咲いている。このコースの下調べで見つけたサイトに載っていたのと同じ花もいろいろある。近づいてよくみるとどれも特徴のある形をしていてかわいい。


左上のスミレはわかるが、右はイカリソウというらしい。
下の花はヒトリシズカだって。なるほどね、そんな感じ!

それにしてもこのコースはずっと針葉樹の植林地帯が続く。せっかくの若葉の季節のハイキングなんだから明るい広葉樹の道を歩きたいのだが…

するとようやく明るい緑の葉が繁る稜線に出た。大きな桜の木もチラホラあって、咲き残りの花びらが時おりハラハラと舞い降りていた。

これで針葉樹とはお別れ、と思いきやまた植林地帯になることもしばしば。針葉樹と広葉樹が入れ替わり現れる。こんな調子が頂上まで続きそう。

バス停を出発し1時間20分、展望の開ける明るい場所に出た。ベンチがあって人がたくさんいた。遠くの空に真っ白な雪を被った富士山が見えた。これはいい!


ここからちょっとわき道を行ったところに「甘草水」というおいしい湧き水が出ているらしい。看板を見つけた水好きの息子が「早く水のとこに行こうよ!」と言うが、pocknは富士山の撮影に忙しい。

甘草水はそこから数分のところにあった。水量はなかなか豊富。



カップを取り出してさっそく飲んでみる。うむ!確かに「甘い」かな… おいしい水だ。息子も「おいしい」とゴクゴク飲んでいた。登りの途中でこういううまい水場があるのはうれしい。

甘草水~三国山・生藤山

甘草水からは瑞々しい若葉と舞い落ちる桜の花びらを楽しみながらの登り。20分ほどで三国山山頂(960m)に着いた。東京都、神奈川県、山梨県のちょうど境にあたる山頂からは、とりわけ富士山方面の展望が大きく開けていてとてもいい眺め。ベンチがあり、頂上はなかなかの賑わい。大きな山桜の木があって、残っている花びらとガクの色で木全体が赤みを帯びていた。



それにしても来ている人は殆どがシルバー世代の人達。おれたちみたいな子連れはいないし、若い人もいない。どうして若者は山に来ないんだろう…


静かで眺めのいいところを探したが見つからず、賑やかなところにシートを敷いてpocknがにぎったおにぎりをみんなで食べた。近くにいたおばさんが子供にお菓子をくれた。子連れだといろいろもらえていい。

富士山がだんだん薄くなってきた。見えなくなる前に富士山方面をスケッチした。


頂上に長居しているうちに賑やかな人達はみんな行ってしまった。だいたいこれがいつものパターン。でも山はやっぱり静かなのがいい。

三国山のすぐ隣りに生藤山(ショウトウサン)の山頂があり、こちらは三国山(960m)より標高が高い990m。そこまでは10分足らず。頂上直下には岩場があるということだったが、岩場というほどのことはなく、岩ばった登山道程度で普通に登れる。こちらの山頂は標高は高くてもあまり展望が利かないが、下り口のところにミツバツツジが咲いていた。


そういえば今回のコースは山ツツジの季節にしてはツツジを見るのは初めて。若葉もいつもより小さい。4月の寒さで花や新緑も遅れているのかも知れない。

三国山~軍刀利神社奥ノ院

下山には軍刀利神社を経由するコースを取った。稜線上の道から分かれて谷に向かって下り始めると、山の斜面に辛うじて斜めにトレースを付けたような道がジグザグに続いて少々歩きづらいが、植林が続いた行きの道とは違って目に染みるような新緑の樹木が続いて眺めもいい。木の幹は曲がったり、大きなウロがあったり、いろいろ変化があっておもしろい。



しばらく歩いていたら遠くで沢の音が聞こえ、だんだん近づいてきた。「沢に出たら休憩しておやつ食べよう」と子供たちに号令をかけると間もなく、沢に行き当たった。

飲める水かはわからないが、息子は早速カップを出して飲んでいた。「うまい!」pocknもちょっと飲んだ。これは多分飲めそう。麦茶のティーバッグが入った水筒にその水をちょっと足した。

そこから先は沢が幾筋も現れ、それらが合わさり太い沢になって水を落としていた。下に神社の社が見えた。そろそろ見えていいはずだと思ってからずいぶんたってからようやく軍刀利神社の奥ノ院に来た。


社は簡素で小さな造りだったが、その手前に聳える〆め縄が張られた巨木がすごい存在感。樹齢はどのぐらいだろうか。まさしくご神木と呼ぶに相応しい風格だ。


そんな樹齢何百年とも思える古い巨木の苔むす根元まで行って上を見上げると、何本もの幹が重なり合いながら高く伸び、広げた枝からは若葉がいっせいに芽吹いていてまぶしいばかり。

何百年ものあいだ、風雪や日照りに耐え、こうして毎年若葉を芽吹かせ続けながらここまでの巨木になった命の営みそのものが、何やら神様の存在を感じさせる。大きな幹に耳を当てれば、古からの何かメッセージが聞こえてきそう。ここは霊験あらたかな気が満ちている感じ。こういうところをスピリチュアルスポットと言うのだろう。


あとで調べたら、この巨木は桂。上野原町指定の天然記念物で、樹齢300年以上、高さは31m、根回りはなんと14mもあるそうだ。パワーを感じるわけだ。

軍刀利神社奥ノ院~井戸集落

鳥居をくぐると登山道は車道にかわった。振り返ると、さっきの桂の巨木に桜が彩りを添え、社の上方には下りてきた山が様々なグラデーションの新緑で覆われているのが見えた。この時期ならではの光景だ。


そこから車道をしばらく下っていくと、今度は軍刀利神社の本殿があった。広い境内の社にはこの神社の名前の由来となっている剣がたくさん奉納され、社の横にも立派な剣が立っていた。この神社では古来から戦勝祈願が行なわれていたらしいが、そうした所以の剣ということだろうか。



近くの道端には二輪ずつ可憐な花を咲かせるニリンソウがたくさん咲いていた。これは軍刀利神社が縁結びの神社でもあるためかも…

さらに道を河に沿ってずっと下っていくと井戸の集落にやってきた。ここにも「軍刀利神社」という看板があちこちにあり、社務所もあった、ということは、あの桂の巨木があった奥ノ院からここまで来た道はずっと参道だったってことだろうか?軍刀利神社はこのあたり一帯に幅を利かせたたいそうありがたい神社のようだ。

井戸のバス停にようやく着いた。この下山路は道も景色も変化に富んでいて楽しめ、何よりあの桂の木に出逢えてよかった。


バスの時刻までまだ時間があったので、集落の中を散歩した。子供達が遊ぶ姿や庭先でバーベキューをやっている様子が、美しい山里の風景のなかでとてものどかで平和な空気を伝えていた。猫もたくさんみかけた…

もうすぐバスが来る頃には太陽は西の山々の頂の上まで差しかかっていた。子供達が吹いている草笛の音が夕暮れの静けさの中に吸い込まれていった。このままずっと日暮れの景色を眺めていたい気分だった。


《行程》
石盾尾神社9:55 →甘草水11:15 →山頂11:44 →下山開始14:55→軍刀利神社奥ノ院16:07 →本殿16:32 →井戸バス停17:10

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