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ハイドンハウス(音楽の旅 2023 レポート)

2023年10月16日 | ドイツ、オーストリア 音楽の旅2023
音楽の旅 2023 レポート(Wien, Berlin, Leipzig, Nürnberg)

2023年9月にウィーンとベルリンを中心に、演奏会や作曲家ゆかりの記念館を訪ねたレポートです。

HAYDNHAUS ハイドンハウス

2023年 9月10日(日)

ヨーゼフ・ハイドンは65歳だった1797年、当時はまだウィーンの街外れだったグンペンドルフに新居を構え、そこで亡くなるまでの12年間を暮らしました。そこがハイドンハウスとして一般公開されています。2009年にハイドン没後200年を記念して、新たな常設展示が行われるようになりました。

ハイドンハウスは、賑やかなショッピング街のマリアヒルファー通りからわき道を入り、静かな住宅街のなかの「ハイドン通り」沿いにあります。




ウィーンでは史跡になっている建物の入り口にこうして紅白の旗が掲げられているので、遠くからでも見つけやすいのです。


ハイドンハウスを取り囲むように佇む中庭は、ハイドンが住んでいた当時の絵をもとに復元されました。


2フロアに渡り展示室があり、こちらは2階の展示室。当時の間取りが再現されています。


寝室兼作曲部屋。置かれている楽器はハイドンが使っていたというクラヴィコードです。クラヴィコードは、ピアノの前身であるタッチで音色や音量に変化を与えることができる鍵盤楽器です。壁には、ハイドンが生前の出版を禁止していたというカノンの楽譜が掛けられています。


ハイドンの時代に製造されたハンマーフリューゲル。


日々の暮らしの様子を、起床から就寝までのタイムテーブルで説明したパネル。8時の朝食後、良い音楽が浮かぶまでピアノの前に座り続けて草稿を練り、午後の4時に再び作曲を始め、午前中に書いたスケッチを元に3~4時間かけてスコアを仕上げていたそうです。


ハイドンの代表作で、不朽の名作となったオラトリオ「四季」と「天地創造」は、この家で作曲されました。こちらは「四季」の冒頭部分。


(拡大可)

晩年は、教育・福祉活動にも熱心だったそうで、金銭面も含めて社会に貢献した様子がパネルで説明されていました。


未完に終わった最晩年の弦楽四重奏曲のスケッチ。高齢になるに連れて作曲は困難になり、破棄することになってしまったという説明が添えられていました。


(拡大可)

1809年5月31日、大作曲家パパ・ハイドンは、この家で死の床に就きました。77歳でした。死因は老衰と云われています。ハイドンは生前、オウムを飼って可愛がっていたそうです。ハイドンハウスにはオウムの動画が鳴き声と共に流れていました。


ハイドンハウスの2階の一角に「ブラームスの部屋」という広いスペースがあります。ブラームスは大のハイドンの崇拝者であったこと、この近所にあったブラームスの住居だった家が1907年に取り壊されてしまったことから、1980年にブラームスの住居にあった家具などがここに移されました。ブラームスは、ハイドンが使っていたクラヴィコード(上に写真あり)や、弦楽四重奏曲の手書きのスコアなども所有していたそうです。




(拡大可)

ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」のテーマ。このテーマの作者は、実はハイドンの弟子のイグナーツ・プライエルではないかと云われているそうですが。


(拡大可)

ハイドンハウスは訪問者も少なく、静かななかでゆっくりと見学ができました。ハイドンが12年間を過ごしたこの家で、ハイドンを間近に感じ、様々な説明で新たなハイドン像に出会うこともできました。日本では名前はとても有名だけれど、同時代のモーツァルトやベートーヴェンと比べて不当に演奏の機会が少ないハイドンの音楽を、もっと積極的に聴きたいという思いが益々強くなりました。

(順次更新予定)ウィーン&ベルリン音楽の旅(2023)

ハイドンの町、アイゼンシュタット(ウィーンからの日帰り観光 2009)
ハイドンフェスティバル・ファイナルコンサート ~アイゼンシュタット~(2015)
ウィーンとベルリンで訪れた演奏会&オペラ(2009)

Haydnhaus公式サイト(ドイツ語)
Haydnhaus公式サイト(英語)


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