facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

アシュケナージがN響を辞める?「新潮45」の気になる記事

2006年03月22日 | pocknと音楽を語ろう!
 2006年3月22日(水)

「新潮45」の4月号に、「N響、どこへゆく?」という気になる記事が載っている。「N響が音楽監督のアシュケナージとの契約を更新しない模様」という内容で、その原因は「NHKの受信料不払いによる財政引き締め」という表向きの理由の裏に、アシュケナージへの団員の不満(指揮がわかりづらいという)、それに聴衆への不人気があるという。

団員サイドの不満については、前任者のデュトワのときにもかなり聞かれたが、コンマスや首席奏者達はアシュケナージに大きな信頼を寄せているということだから、そんなに深刻なものとは思えない。知り合いの団員もアシュケナージをこよなく尊敬しているし、原因はそうすると聴衆への不人気が主因ということか。

確かにアシュケナージがN響を振り始めた当初の演奏は私もとりたてて印象に残るものがないのだが、2月のB定期、その前の武満徹の記念演奏会と、2回連続で本当に素晴らしい名演に接したり、最近出たCDでモーツァルトのピアノコンチェルト(弾き振り)の何ともエレガントな演奏を聴いたりして、アシュケナージの指揮者としての真価を確信し、これからのN響との共同作業に益々期待していたところだけに、この話が本当なら残念極まりない。つくづくN響というのは聴衆に恵まれないオケだと思う上に、事務局にも恵まれていないな、と感じた。

2月の定期の感想で、N響会員の名演への反応の鈍さを嘆いたが、感受性が鈍ってしまった上に、「指揮姿が格好悪い」なんて訳の分からない文句を言っている年寄りの聴衆の反応のせいで、アシュケナージほどの音楽家を辞めさせてしまおうなんて、いったいどこの誰が言っているのだろうか。アシュケナージの素晴らしさをもっともっと宣伝して聴衆を獲得するのが事務局の使命だと思うが、「素晴らしい」と感じる感性がそういうトップのお偉方に欠如していてはそれも望めまい。

アシュケナージが辞めた後は、また音楽監督不在時代に逆戻りだという。聴衆にも、事務局にも恵まれず、そしてその結果本当に素晴らしい指導者であるアシュケナージを失ってしまうとしたら、N響の将来を危惧せずにはいられない。我がN響は本当にどこへ行ってしまうのだろうか。団員がアシュケナージの更迭を阻止するためにストライキでもやってくれれば全面的に応援しますよぉ!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« MAROワールド「シューマン」 | トップ | 東京のオペラの森「ムーティ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

pocknと音楽を語ろう!」カテゴリの最新記事