6月2日(金)
MS:小泉詠子 /Pf:朴令鈴![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
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文化庁在外研修員によるソロリサイタルシリーズ Vol14
~声で巡る世界の旅~
ムジカーザ
【曲目】
♪ トスティ/歌曲集「夕べ」
♪ トスティ/四月
♪ トスティ/夢
♪ トスティ/九月「教えて、貴女の魂は私のことを聞いてるか」
♪ マルゴラ/旅路のあとで
♪ マルゴラ/辿り着けますように
♪ ガゼッラ/ひび割れた鏡
♪ ロッシーニ/別れ
♪ ロッシーニ/誘い
♪ モーツァルト/サリエリ「ヴェネツィアの定期市」のアリア「わがいとしのアドーネ」による6つの変奏曲 K.180 K6.173c (ピアノソロ)
♪ モーツァルト/「教皇ティトの慈悲」~「行きますとも、愛しい人よ」
♪ ロッシーニ/「セビリアの理髪師」~「今の歌声は」
【アンコール】
♪ トゥリーナ/カンターレス
♪ ビゼー/「カルメン」~ハバネラ「恋は野の鳥」
文化庁新進芸術家海外研修制度で留学した経歴を持つ若い音楽家を紹介するソロリサイタルシリーズに、メゾソプラノの小泉詠子さんが登場した回を聴いた。「声で巡る世界の旅」というタイトルのシリーズで、小泉さんはイタリアをテーマに、演奏される機会が少ない歌曲を中心にいつもながら全ての作品と徹底的に向き合って最高の状態に仕上げ、最高のパフォーマンスを聴かせてくれた。
小泉さんの歌には高貴な艶があり、華があり、熱い血が通っている。そして常に詩と音楽が分かちがたく結び付いて、言葉がリアルに生き生きと「歌」となって息づく。それは、小泉さんの詩と音楽に対する共感と愛情、鋭い感性、妥協のない真摯な姿勢によってもたらされるものだ。
最初に演奏したトスティの歌曲集「夕べ」からは、寂寥や悲哀、むなしさといった影を宿す表情を、噛み締めるように語り聴かせ、美しく淡い光が心の奥底まで軟らかく射しこむような静謐さを感じた。朴さんのクリアなピアノが空気を一層浄化した。次の「四月」では、そんな影から一転して春の光が一気に溢れ出て、眩しい光に満たされた。生命が萌え立つなんと艶やかな喜びの発露!
そのあとも、小泉さんが自ら作成した歌詞大意の言葉が演奏によって命を宿し、詩の光景が目に浮かび、詩の思いがリアルに生き生きと伝わってきた。トスティでの溢れる詩情、マルゴラやカゼッラでの生き生きとしたリアリティー、皇帝の戴冠式のために書かれた儀礼的なモーツァルトのオペラ・セリアのアリアからも熱い心の苦悩と愛が伝わり、ロッシーニではスポットライトを一身に浴びる自信がみなぎっていた。
小泉さんの歌唱は、こうした高い次元の表現を実現するための声の魅力と、申し分のないスキルを備えている。繊細で美しい弱音、ビンビンと聴かせるフォルティッシモから、更に一押しして聴き手をもう一段高く持ち上げるようなパワー、モーツァルトやロッシーニでの精緻なメリスマも絶品だった。
小泉さんと長年デュオを組む朴さんのピアノは、知的で明晰で煌めきがあり(ソロで演奏したモーツァルトのヴァリエーションでは、フォルテピアノの佇まいを醸し出していた)、小泉さんの歌唱と相性がぴったり。両者による知と情のバランスの取れた格調高く熱いデュオが、2曲のアンコールも含めて本物の輝きを放った。
Drei Liederaende vol.3 ブラームス(MS:小泉詠子) 2022.12.22 王子ホール
第22回演奏会 新作歌曲の会(MS:小泉詠子) 2022.7.16 東京文化会館(小)
おととおととVol.4 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2013.12.25 やなか音楽ホール
おととおととVol.2 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2012.5.4 やなか音楽ホール
「鯨法会」(詩:金子みすゞ)~NHK-FM「リサイタル・パッシオ」~(MS:小泉詠子/Pf:朴令鈴)
CD さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「かなりや」(詩:西條八十)
拡散希望記事!
コロナ禍とは何だったのか? ~徹底的な検証と総括を求める~
やめよう!エスカレーターの片側空け
MS:小泉詠子 /Pf:朴令鈴
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ムジカーザ
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♪ トスティ/歌曲集「夕べ」
♪ トスティ/四月
♪ トスティ/夢
♪ トスティ/九月「教えて、貴女の魂は私のことを聞いてるか」
♪ マルゴラ/旅路のあとで
♪ マルゴラ/辿り着けますように
♪ ガゼッラ/ひび割れた鏡
♪ ロッシーニ/別れ
♪ ロッシーニ/誘い
♪ モーツァルト/サリエリ「ヴェネツィアの定期市」のアリア「わがいとしのアドーネ」による6つの変奏曲 K.180 K6.173c (ピアノソロ)
♪ モーツァルト/「教皇ティトの慈悲」~「行きますとも、愛しい人よ」
♪ ロッシーニ/「セビリアの理髪師」~「今の歌声は」
【アンコール】
♪ トゥリーナ/カンターレス
♪ ビゼー/「カルメン」~ハバネラ「恋は野の鳥」
文化庁新進芸術家海外研修制度で留学した経歴を持つ若い音楽家を紹介するソロリサイタルシリーズに、メゾソプラノの小泉詠子さんが登場した回を聴いた。「声で巡る世界の旅」というタイトルのシリーズで、小泉さんはイタリアをテーマに、演奏される機会が少ない歌曲を中心にいつもながら全ての作品と徹底的に向き合って最高の状態に仕上げ、最高のパフォーマンスを聴かせてくれた。
小泉さんの歌には高貴な艶があり、華があり、熱い血が通っている。そして常に詩と音楽が分かちがたく結び付いて、言葉がリアルに生き生きと「歌」となって息づく。それは、小泉さんの詩と音楽に対する共感と愛情、鋭い感性、妥協のない真摯な姿勢によってもたらされるものだ。
最初に演奏したトスティの歌曲集「夕べ」からは、寂寥や悲哀、むなしさといった影を宿す表情を、噛み締めるように語り聴かせ、美しく淡い光が心の奥底まで軟らかく射しこむような静謐さを感じた。朴さんのクリアなピアノが空気を一層浄化した。次の「四月」では、そんな影から一転して春の光が一気に溢れ出て、眩しい光に満たされた。生命が萌え立つなんと艶やかな喜びの発露!
そのあとも、小泉さんが自ら作成した歌詞大意の言葉が演奏によって命を宿し、詩の光景が目に浮かび、詩の思いがリアルに生き生きと伝わってきた。トスティでの溢れる詩情、マルゴラやカゼッラでの生き生きとしたリアリティー、皇帝の戴冠式のために書かれた儀礼的なモーツァルトのオペラ・セリアのアリアからも熱い心の苦悩と愛が伝わり、ロッシーニではスポットライトを一身に浴びる自信がみなぎっていた。
小泉さんの歌唱は、こうした高い次元の表現を実現するための声の魅力と、申し分のないスキルを備えている。繊細で美しい弱音、ビンビンと聴かせるフォルティッシモから、更に一押しして聴き手をもう一段高く持ち上げるようなパワー、モーツァルトやロッシーニでの精緻なメリスマも絶品だった。
小泉さんと長年デュオを組む朴さんのピアノは、知的で明晰で煌めきがあり(ソロで演奏したモーツァルトのヴァリエーションでは、フォルテピアノの佇まいを醸し出していた)、小泉さんの歌唱と相性がぴったり。両者による知と情のバランスの取れた格調高く熱いデュオが、2曲のアンコールも含めて本物の輝きを放った。
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