Lupinus-ルピナス-

絵本のルピナスさんのように自分なりの「世の中を美しくすること」を見つけたいと思っています。

上村松園展 1

2010年10月03日 | 日々のこと
上村松園さんの絵を初めて見たのは、私が大学生の頃、山種美術館がまだ茅場町にあって、その展覧会(常設展だったかな?)を見に行ったときです。
そこにはたくさんの日本画がありましたが、一目で好きになってしまったのは、松園さん、そして松篁さんの絵でした。(松篁さんは松園さんの息子さんで、花鳥画を描いていらっしゃいます)
お二人の絵は、品があってとてもとてもきれいでした。

その後何年かしてBunkamuraで上村松園展があり、友達と見に行きました。
そしてそこでくぎづけになってしまったのは「夕暮」という絵でした。

「夕暮」という題名を聞いたとき、どのような絵を連想しますか?
私は、やっぱり太陽が沈んでいく風景・・・かな。

でも、松園さんの「夕暮」の絵は違うのです。
着物姿の女の人が障子のすきまから外に向かって顔を出し、針に糸を通そうとしています。
日が暮れてきて、部屋の中が薄暗くなり手元が見えにくくなってきたので、まだすこし明るい外へ光を求めて針に糸を通そうとしている姿を描いています。
(図録を撮ってみたけど、うまく撮れませんでしたので、詳細にみえないかもですが)

その絵を見たとき、ただただ美しいなあと思いました。
少し昔まで見られた日本での夕暮れ時の一つの光景が、とても美しかったし、松園さんの絵とその題名のセンス・・・といったらいいのでしょうか、その感覚は日本人の持つ美しさを表していると思いました。
私、文章では淡々と書いてますけれど・・・『夕暮」の絵は、本当に本当に心に響いたのです。

そして、今、東京国立近代美術館で「上村松園展」を開催しているので、先日行って参りました。
でも、本当に松園さんの絵を見るのは久しぶり。Bunkamura以来かもしれません。

行った感想は・・・ただただよかった!
展覧会の作品を見て、こんなに心が踊るような気持ちの高揚感は久しぶり。
でも、行ったのが平日の昼間だったからか、来る方は年配の女性の比率が高い。
私たちは明らかに若い方でした(笑)。

約20年ぶりになるのでしょうか、久しぶりに松園さんの絵を拝見して思ったことは、ただきれいなだけな絵ではない、ということでした。
例えば、ある絵を見ていると、その絵に描かれている場面の先の姿をふと想像してしまうのです。それはまるで絵に流れる動きがあるかのように感じます。

そして、お目当ての「夕暮」にもまた会うことができてうれしかった^^

他の気になった作品はまた次回に・・・

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