Lupinus-ルピナス-

絵本のルピナスさんのように自分なりの「世の中を美しくすること」を見つけたいと思っています。

そのときの本

2009年09月09日 | 本・絵本
そのときどきの自分の気持ちを代弁してくれるような本というものに、今まで何冊かであってきました。
・・・といっても心を動かされたのに、タイトルを忘れてしまったものもあるんですが^^;。

高校生から大学生のころは、とくに源氏物語が好きで、漫画と円地文子さんの本など読みました。とくに大和和紀さんの漫画の中で、紫の上がどんなに仲の良い間柄でも人間と人間の間には隔たりがある―という思いが書いてある場面が印象深く残っています。
20代の頃、自分は他人に100%は理解してもらえることはない、と悟った頃でもありました。親にしても、子どものことを100%理解してもらえるなんてないのだなあと。
それでも100%は無理だけれど、それでも自分を理解しようと寄り添ってくれる人がいることはありがたいのだということに気づき、親にしても、それでもいつも味方でいてくれる存在であることに、感謝の気持ちをもつようになりました。

そして、最近、だんなさんが読んで泣いちゃったよ~といって貸してくれた本、辻村深月さんの『凍りのくじら』を読んで、本が「今」の自分のそのときの気持ちに近くて、自分をわかってくれるような感覚というのを久しぶりに感じました。

あらすじは書きませんが、主人公の女の子の母親に対する感情が、私が亡くなった母に対する気持ちと何か通じるものがありました。ああ、わかるその感じ・・・というのがいくつも。
私の母はとても善良ないい人だったと思いますが、それでも、それはどうか?と思うような言動もたまにはあり、それが私の批判的に思うところ・・・厳しい目で見てしまう部分がありました。
主人公が母に対してそう思う感情がとてもリアルでした。母と娘という関係は多かれ少なかれ、そういう部分があると思います。

でも、そのお母さんの書いたエッセイが文中に出てくるのですが、それにも私はその思いが自分と重なってしまって、娘の気持ち、母の気持ち、どちらも自分の中にあるのが自分でわかって、なんか不思議な気持ちになりました・・・
私は、そのお母さんの普段は見せないその思いを読んで泣きました・・・だんなさんは、また私とは違う場面で「父」の立場で感じて泣いてしまったらしいです。
父と娘との関係というのも、そのお話の重要な部分なのです。

そして、「少し・不思議な」お話です。ちりばめられた伏線がああ、こういうことだったか・・・と。
そして、そして。ドラえもんが読みたくなってしまいました☆
小説中のドラえもんのエピソードが随所に効いているのです。
ドラえもんは深い漫画だったのだなあ・・・と読み返したくなりました。

でも、みなさんはきっとどんなお話かぜんぜんわかりませんよね(笑)
もし、興味を持ったら、ぜひ。


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