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© ダイヤモンド・オンライン 提供 写真はイメージです Photo:PIXTA
検察庁法改正案を巡る最中、黒川弘務前東京高検検事長と産経新聞・朝日新聞の記者らと賭け麻雀とハイヤー送迎問題が週刊文春のスクープにより表沙汰になった。新型コロナウイルス感染拡大が問題化している中で「3蜜」の麻雀は、世間の顰蹙(ひんしゅく)を買った。では、権力者側とマスコミの麻雀というのは驚くことなのか。元・接待した側のマスコミ当事者だった筆者が振り返る。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
どう見ても無駄な残業
文春によると、麻雀には産経新聞社の記者2人と朝日新聞社の元記者の社員が参加。黒川氏は5月1日から2日未明にかけ、産経新聞社の記者の自宅で約6時間半にわたり滞在し、記者の用意したハイヤーに乗って帰宅した。東京都では緊急事態宣言を受け、都が外出自粛を呼びかけていた。
告白すると、筆者も取材先と接待麻雀をしたり、送迎のためにハイヤーを用意して自宅まで送ったりしていた。
そう、筆者は全国紙社会部記者時代、文春がスクープしたような「当局とマスコミのズブズブの関係」を送っていたのだ。
筆者は「事件ジャーナリスト」を名乗っている通り、社会部にしかいたことがないので、その社会部での経験と、お世話になったハイヤーの運転手さんに聞いた話で「実態」をお知らせしたい。
まず、ハイヤーを使えるのは「夜討ち朝駆け」が必要な部署だ。
社会部なら警視庁、検察、国税担当。政治部はほぼ全員、経済部は日銀や財務省、外報部は外務省担当といった感じだ。
社会部の場合、朝は取材先の自宅から少し離れたところで待ち構え、自宅から出たところから駅まで一緒に話す。逆に夜は駅で待ち構え、自宅まで歩きながら話すという取材手法だった。
前述の通り、記者の取材相手は「公務員」が多く、守秘義務がある。そこを突破するために、こんなばかばかしいことをするのだ。
必然的に早起き、夜更かしになるのは仕方ない。もちろん、日中は取材し、原稿を書いているわけだから、残業時間がエライことになるのは想像できると思う。
「何もないよ」で撃沈
思い返すもばかばかしい昭和の筆者の社会部記者の1日を紹介したい。
朝5時、自宅前にハイヤー到着。近所のおばちゃんたちに「何様」と白い目で見られる。
6時半、取材先の自宅近くに到着。「不審者」と通報される。以後、寒い時期でも半袖、半ズボンのジョガーを装う。
取材先が自宅から出てきてようやく仕事が開始。駅までの15分、雑談の末に「何もないよ」で撃沈。
夕刊時間帯は「落とさない」(※他社にすべて載っている記事が自社には出てないことを避ける)ために、記者クラブでゴロゴロ。報道文があればまんま処理してまたゴロゴロ。
夕刊締め切り後、自由な取材時間。気になっていた事件を追い、特ダネを目指す。しかし、夕方4時ごろには広報があるので、そこで終了。
デスクからの煩わしい問い合わせが終わり、付き合ってくれる取材先と晩飯。そして、本チャンの夜回りになる。夜回りは単純に、朝回りの逆だ。
そう、インターネットで情報収集する読者の方々から見れば、オールドメディアのやっていることは、誠にばかばかしい、くだらない作業でしかない。
麻雀だが、筆者は国会議員、地方議員、官僚、弁護士、警察官、そして検察官とも打ったことがある。
官僚が麻雀をするのは決まって新橋
場所は、地方議員を除けば、ほとんど新橋だ。
文春が書いている通り、検察官に限らず、霞が関の官僚が麻雀をするのは決まって新橋なのだ。
筆者も前述の通り、一緒に打った。ただ、文春の記事に「少し盛っているかな」というのはあった。
というのは、霞が関には「テンピン」(1000点100円)以上では打たないという暗黙のルールがある。文春の記事には「10万円負けた」とあったが、テンピンで10万円というのはありえないからだ。
筆者が取材先と麻雀を打つことはあった。まだ携帯電話もない地方支局時代、賭博を取り締まる県警生活安全課の課長から支局に「7人で(2卓に)1人足りない。来いよ」なんて電話があるのは当たり前だった。
驚くかもしれないが、筆者の担当していた部署では麻雀の後、ハイヤーで送った社が翌日朝刊に特ダネを書くのが常識だった。
そして、振り返ると、当局の取材先を麻雀で接待し、ハイヤーで送迎するのは当たり前だった。それが特ダネを書く手法だったのだ。
地方時代、夜回りで知事公舎の自宅前を張っていた。それほど遠くない公務員官舎に他社の女性新人記者が入っていくのが見えた。
「県版記事もちゃんと書けない」と蔑(さげす)まれていた女性記者が、ここ最近、特ダネを連発していた。3時間後に出てきた。
「おい」。声を掛けたら、ビクっとして「はい。私はちゃんとやってますよ。師匠」。
他社ではあったが、某警察記者クラブで隣だったので記事の書き方などイロハを教えていた。
「そういうことか?」、彼女は「ええ。結果が全てですよね」。
東京高検、朝日、産経の回答について…
文春によると、産経新聞広報部は「取材に関することにはお答えしません」
朝日新聞広報部は「社員の業務時間外の個人的行動について詳細はお答えいたしかねますが、お尋ねのような行為があったとすれば、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、不適切だったと考えます。弊社として適切に対応いたします」
とそれぞれ回答。
黒川氏は何を聞いても口を開かず、東京高検は質問状すら受理しなかったという。
そりゃ、そうでしょうね…。
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