東京都庁=2020年4月17日、東京都新宿区、藤原伸雄撮影© 朝日新聞社 東京都庁=2020年4月17日、東京都新宿区、藤原伸雄撮影

 新型コロナウイルスの重症化を防ぐと期待される抗体カクテルを投与した感染者のうち、8割の症状が快方に向かった――。東京都が2日に開いたモニタリング会議で、そんなデータを公表した。都は基礎疾患がある人などを中心に、発症から早い時期に投与できる態勢作りを急いでいる

 都によると、都立・公社病院でコロナ患者102人に抗体カクテル療法を実施したところ、82人が退院、もしくは熱が下がるなどして症状が回復した。投与された患者は重症化リスクの高い糖尿病などの基礎疾患がある人がほとんどだったが、重症化や死亡したケースはなかったという。

 都は、かかりつけ医や都の発熱相談センターに相談があった際、抗体カクテル療法の投与が可能な医療機関を紹介する態勢を整備。基礎疾患があるコロナ患者には、同療法を受けられるように調整するという。

 東京感染症対策センター(東京iCDC)専門家ボードの賀来満夫座長は、会議後の会見で、抗体カクテル療法について「比較的いい結果がでているが、まだ症例が少ない。抗体カクテル療法の効果の解析を進めていきたい」と述べた。

 都はまた、渋谷区に設けている若年層向けのワクチン接種会場について、現地での抽選券の配布をやめ、オンライン抽選に切り替えると発表した。希望日前日の午前7時~午後5時、東京都の公式LINEアカウントから申し込む。午後7時に結果が届き、必要な情報を登録するという。4日の接種分から始める。

 会場は予約なしで接種ができることをアピールしていたが、会場ができた初日から接種を希望する若年層で混乱。2日目以降は抽選券を配る方式に変更したが、緊急事態宣言中に抽選券を取りに行かせることへの批判が高まっていた。(軽部理人)