「(賜杯授与の自粛は)おかしいと思っている。やめるべきではなかった。野球賭博をした人数は少なくないが、大多数の関取は真剣に相撲をやっている。全部になすりつけるのはおかしい」
一連の賭博問題で揺れ続けた名古屋場所だが、協会から特別調査委員会や独立委員会の設置について直接の説明は一切なし。“老舗”の諮問機関のトップとして、鶴田委員長の怒りが爆発した。
会合中には村山弘義理事長代行に詰め寄り、賜杯授与辞退の背景について「文科省がこの事態に『内閣総理大臣杯を出すのはおかしい』といってきた。それなら、賜杯はもっとおかしいということになった」と、お上から間接的な“圧力”があったことを暴露させてしまう一幕も。
元東京高検検事長の理事長代行について「協会(内部)の人がやるべきだった。相撲をあまり見たこともないような人に、あまり口を出してほしくない」とまで言ってのけた。
テレビ、ラジオでの生中継を中止したNHKの措置に対しても「放送をやめたのは、いかんじゃないか」と一撃。さらに「会場まで行けなくて、テレビの臨場感を楽しんでいるファンもいる。わたしもそう。それを無視するのはよろしくない」と市井のファンの気持ちを代弁するとともに、公共放送の存在意義にも疑問を呈した。
その目は早くも秋場所に向いた。「(NHKは)9月は当然(中継を)やるんじゃないの。(賜杯の授与も)元に戻すだろう。何場所も続けて(自粛を)やる必要はない。もしやめたら(協会に)文句をいう」。
外部からの“背広組”が主導権を握る協会は、今後の対応次第では、横審からもそっぽを向かれるのが必至の情勢だ。
さて、どうなることやら