801的暴走妄想日記

やおい=ボーイズラブにどっぷり浸かった貴腐人・小泉タマラの妄想記録(笑)腐女子脳内にて発酵された事柄です。ご了解下さい。

今日は五月晴れ

2006年05月21日 | ボーイズラブ話
今日は朝から快晴でした。
ウン、これでこそ五月だよ~と思うほどの五月晴れ。
しかし、午後5時頃から俄にかき曇り風をともなう激しい夕立となりました。
遠雷は聞こえるは、風はビュウビュウ吹いてくるわで、ドラマチックなくらいの天気の変化でございました。

ナズナ君の続きです。
未だモヤッともしてません。

 日が傾き街灯が点される頃になってからが 花街の賑わう時刻です。
ナズナはこの時刻になると台所で取り分けた水糊を娼妓達の部屋に届けます。見習いの最初の仕事でした。
最初は糊を何に使うのか分からなかったナズナですが、郭で半月も過ごすうちに『娼妓』は何をするのが仕事なのか垣間見て知るようになりました。
 娼妓達のもとにはナズナより少し年上の少年が禿(かむろ)として付き、娼妓達の世話をしながら芸事も習っていました。一年から三年後には娼妓として独り立ちすることになる少年たちです。自分が娼妓としてやっていけるのか、いい客がついてくれるのかと禿の少年たちの中には不安を覚えるものも多いのです。不安定な自分の感情を誤魔化すために他人を攻撃するものも少なくありません。新入りのナズナはそんな禿達の格好の虐め相手でした。
「ナズナなんて貧乏たらしい名前」
「だいいち、花とは呼べないじゃない」
アオイやスミレといった華麗な名を与えられた禿はそう言ってナズナを悲しい気分にさせるのでした。
ヤマネはナズナがよい名だと言ってくれましたが、ナズナはそんな言葉だけでは慰められなかったのです。
「旦那様はなんでナズナなんて郭らしくない名前を付けたんだろう・・・」
心の奥でそう思っても新入りのナズナには旦那様と話をする時間などありません。ときどきアトリが台所の仕事を見にきますが、相談できるような雰囲気でもありません。ナズナはなるべく禿達を避けて仕事をするようになりました。
 見習いは悪いことばかりではありません。仕事をしながらヤマネはナズナに簡単な読み書きを教えてくれました。竃の灰を使って火箸で字を練習するのです。食卓に出す芋や大根、トウフなどを切り分けながら数も教わりました。飲み込みの速いナズナは少しするとヤマネからそろばんを貰いました。仕入れた食材の勘定書きの検算をさせたりとヤマネは少しづつナズナの才を伸ばすことにしたのでした。

一年が過ぎ、新しい少年が三人萬華楼に入ってきました。
そのうちの一人は驚くほどの美形で『白蘭』と名付けられました。
「白蘭、お前は見習いを通り越して禿だよ」
アトリの言葉にナズナは複雑な気持ちになりました。けれどもアトリの言葉は松風の意思を受けたものであると分かっていました。アトリが自分の意思でものを言うときは相手の目を見るのです。そうでないときはそっぽを向いてしまう癖があることをナズナは一年のうちに気がつきました。
「ナズナ、お前も今日から雑用は新入りにまかせ、禿になってお華さんに付くんだよ」
アトリはナズナと白蘭に付いてくるように言いました。
 萬華楼では娼妓は三種類に分けられておりました。『呼びだし』と呼ばれる娼妓は一晩に幾つもの座敷を掛け持ちする売れっ子でした。自分の居室である座敷のほかにもいくつも座敷をもっておりましたのでこう呼ばれております。『座敷持ち』と呼ばれる娼妓は自分の座敷だけで商売をしておりました。『部屋持ち』は座敷ではなく部屋というところで格が一つ下がる存在でございました。
 萬華楼は全ての娼妓に部屋を持たせている高級遊廓でした。
 萬華楼の娼妓にはいずれも禿がつきましたが、『部屋持ち』は一人、『座敷持ち』は三人、『呼び出し』は使用する座敷の倍の数の禿がつくと決められておりました。
 アトリが二人を連れてきたのは、萬華楼の裏口に近い松風の居室でした。二人は松風の前に座らされました。松風は煙草を飲みながら二人の顔を眺めました。そして、ゆっくり口を開きました。
「ナズナは紅牡丹、白蘭はアヤメの禿になるように」
紅牡丹という娼妓は『呼びだし』の中でも一二を争う売れっ子で、毎日四つから五つの座敷を渡っておりました。名前の通りの上品な美貌と教養の持ち主でした。
アヤメはかつては『呼びだし』でしたが今は『座敷持ち』になっておりました。もうそろそろ年季明けといった年頃のアヤメには馴染客も多く そのうちの誰がアヤメを身請けするのかと囁かれておりました。

「今日より紅牡丹さんの末席の禿となりましたナズナです。よろしくお願いいたします」
先輩の禿に囲まれた紅牡丹にナズナは深々と頭を下げました。
「こちらこそ、よろしくね。ナズナ」
明るく高い声で紅牡丹が言葉を返しました。声までもが綺麗な人なのだなとナズナは感心してしまいました。
先輩禿は十人、そのうちの一人はあと一月で娼妓として部屋持ちとなることが決まっておりました。
 その日から、ナズナは先輩禿から細々とした用事を言い付かり休む間もありませんでした。
部屋の掃除はもちろん、客の膳の上げ下ろし、紅牡丹の着物の半襟替えなどの針仕事まで目立たない細かい仕事ばかりを押し付けられました。
 二、三ヶ月経って馴れてくるとナズナは紅牡丹に与えられている部屋を冷静な目で見ることが出来るようになりました。客層に合わせた上品な調度をそろえた座敷が二つ、しかしあとの三つの座敷はけばけばしく豪奢に飾られたものでした。
「紅牡丹さんの御客で御馴染になるのはごく一部だからね」
客筋を知っている先輩禿のコデマリが教えてくれました。
「評判の紅牡丹さんがどれだけ綺麗なのか見に来ただけの客も多いんだよ」
確かにあれだけの美貌なら顔を見るためだけに大枚を払うお客もいるだろうなとナズナには思われます。
「ただ、そういう人は二度は来ないんだよ。田舎の小金持ちが都に出てきて話の種にと金を払って紅牡丹さんを見て帰るのさ。田舎の人間から見ると派手な座敷の方が有難い気がするだろう?」
なるほどなとナズナは思いました。
そういうお客がいるからこそ一晩に何部屋も渡り歩くことが出来るのです。
売れっ子である紅牡丹が毎日全ての部屋の客と床をともにしていたら身体が持たないでしょう。

薔薇が花盛りです

2006年05月08日 | ボーイズラブ話
大家さんちのハイブリッドローズが咲き誇ってます。
2階まで達している薔薇です。
見上げると美しいのですが、一階の我が家の軒先には様々な害虫が降ってきます。
カイガラムシやアブラムシくんです。
うどん粉病や黒星病なども回ってくることがあります。
結果・我が家の軒先で薔薇を育てるのは諦めました。
専ら病害虫が重ならないハーブ類や日本原種の百合だのセキチクだのを育ててます。

お花は好きなんですけどね~
ということで、続き物の妄想話を書いてみようかと思います。


都で萬華楼といえば、遊び人には知られた少年ばかりを集めた郭でした。
楼の名に因んで少年達は花の名前を付けられました。
萬華楼の主・松風というのはは不思議な男で、少年の面相を見てぴたりと合う名を付けることができたのでした。


「顔立ちは、悪くはないだろう。今回の旅では一番の上玉だ」
女衒の貞二郎は田舎から連れて来られたばかりの少年の顎を上げさせました。
萬華楼の裏口、松風は縁側に座り煙草を嗜みながら貞二郎が連れてきた少年をながめました。
秋から冬にかけて、収穫が終わり税を納める頃に女衒は子供を買いに山村を歩くのです。
不作の年ほど大勢の子供や娘が安く売られてきます。
「これで一番の上玉かい?今回は不作だな」
松風の言葉に少年は憤りを込めた目で松風を睨みました。貞二郎はそんな少年の様子を咎めるわけでもなく松風に頷きます。
「ああ、今年は稲が豊作だったからな」
今年は実りが良かったために子供を手放す家には相応の事情がありました。父親が亡くなったり、家族の誰かが病気になって薬代が必要になったり。少年は好きで売られてきたわけではないと頬を膨らませています。そんな態度を示す子供も少なくないのか松風は呟くように言いました。
「まあ、新顔がいないと客も退屈するからな」
「そう言うと思っていたよ」
貞二郎は松風だけに分かるホッとした顔をのぞかせました。女衒といっても貞二郎は買ってきた子供を余り酷い店には売りたくはないと思っておりました。萬華楼は面倒見のよい郭で、少年たちが大人になってしまった時には身の振り方まで考えてくれる場所でした。
「歳はいくつだ」
松風に訊ねられても少年は憤りの表情のまま、口を開こうとはしませんでした。
「お前、旦那様に挨拶も出来ないような親に育てられたのかい?」
貞二郎が少年に注意しました。長く少年、少女を扱ってきた貞二郎は子供の心の内を良く心得ています。自分を売った親でも、子供は親を庇うものです。
「・・・七歳」
「何でも教えるには丁度良いころだ。学校か寺子屋には行っていたのかい?」
少年は首を振りました。
「ここで読み書きを覚えるがいいよ」
松風の言葉に少年は少し表情を緩めました。
「お前の名は・・・そうだねえ・・」
松風は煙草に火をつけてぷかりとふかしてから言いました。
「そうだ、お前はナズナがいい」
「ナズナか、いい名だね。お前は今日からこの郭で働くんだよ」
貞二郎はナズナの肩を叩きました。
「おい、アトリ」
松風が奥に向かって呼ぶと、地味な紬の着物を身に着けたほっそりとした美人が姿を現しました。
ナズナは数秒その美人に見ほれ、それから先ほどの松風の言葉を理解しました。田舎では綺麗な顔立ちの子供と言われていたナズナですが、都にはこれだけの美貌の者が大勢いるのでしょう。途端に『不作』といわれて不貞腐れていた自分が恥ずかしくなりました。
「アトリ、新入りだ。名はナズナ。細かいことは教えてやってくれ」
「はいよ」
そう言いながら、アトリは自分のあとに付いてくるように促しました。
「さて、旦那達は久しぶりにこれから一緒に酒でも飲みに行くだろうサ。あんたは今日からここで働く。一番下っ端だからたくさん用事を言い付かるだろうが、みんな一番下からはじめたんだから」
長い廊下を歩きながらアトリはナズナに説明します。美人だが、言葉はそれ程良くないなとナズナはアトリを見上げて思いました。
「ここが台所、店でたくさん使うからいつも湯は沸かしてる。最初の仕事は糊焚きの手伝いさ」
そう言ってアトリは竃の前に立っている男を呼びました。
「ナズナだ。見習いだからいろいろ教えてやっとくれ」
「分かった、新入りだな。元気が良さそうだね。オレはヤマネ。年期が明けてからも萬華楼(ここ)においてもらっている」
男は身体は大きいが愛嬌のある顔をしていました。
「言っとくけど、ヤマネ。教えるのは雑用仕事だけだからな。若くて可愛いからって商品に手を出すんじゃないぞ」
アトリの言葉にヤマネは笑って言い返しました。
「なんだ、アトリ。旦那様だってお前に手を出したじゃないか」
「旦那様とオレとは相思相愛だ」
ヤマネを睨みつけるアトリを見て、ナズナはこの綺麗な人が男だということに初めて気がついたのでした。
「言っておくがな、ナズナ。旦那様はオレのものだからな」
「相思相愛といいながらナズナを脅すのか?」
「何も知らない新入りに、『旦那様を籠絡すれば故郷に帰れる』と誰かが嘘を教えて大騒ぎになったのはいつだっけ?先に教えておいたほうが良いだろう」
アトリはそう言うとナズナをヤマネに預け、もときた廊下をすたすたと帰ってゆきました。
「アイツももう少し色っぽくしときゃあ旦那様も目移りしないのにな」
独り言のように呟くヤマネにナズナは疑問を投げ掛けました。
「旦那様って、あの綺麗なアトリさん以外に目移りするの?」
「まあ、アトリがあの通り跳ねっ返りだからな。旦那様は男っぷりも良いし優しいしで、郭の妓たちも口説かれれば靡くだろう。ま、旦那が浮気するのはアトリが強情張ってごねたときだな」
「ふうん」
「お前には未だ分からないかもしれないが、誰かに優しく慰めて貰いたいときが男にはあるのさ」
そう言ってから、ヤマネはナズナに最初の仕事・火の番をすることを教えました。



続く~です。
こんな妄想書いてないで、同人誌書けと言われそうです。
私もそう思います・・・。

SCCお疲れさまでした

2006年05月06日 | ボーイズラブ話
まったりとしたSCCでした。
御訪ねくださったお客様ありがとうございます。
新刊がなかなか出なくてすみません。

季節がいいのでのんびりとした雰囲気で楽しく過ごしてしまいました。
コミケは夏・冬ともに環境が過酷ですものね。
外は夏日だったけど、爽やかな風で丁度よく過ごせました。
遅刻せずに夏着物で行けましたし、、、。
のんびりした雰囲気だったので久しぶりに他のサークルさんを回ってゆっくりとお友達ともお話できました。
童話集の勧誘も、、、。

夏コミまでには何とか新刊を出したいと思います。
出来れば2冊。
できるかな~。
がんばってみます。