心理士の子ども発達支援

発達や療育、教材の紹介

「見ているだけでいいよ!」の効果

2017-03-01 13:05:51 | 子どもの心理

新しい課題や苦手な課題を見た瞬間、「難しそう」、「出来ない」と察するのが上手なお子さんたち。

素早く離席、耳をふさいでしな~いと叫ぶ、机の上の教材を払い落す、

プリントだとくしゃくしゃに丸めたり、鉛筆でぐちゃぐちゃと殴り書き、

不機嫌に行動するお子さんもいれば、同じ行動でもニコニコとするお子さんもいます。

多弁になり止まらない、寝っころがってゴロゴロしたり、眠たいと言ったり、

不安反応は様々ですが、ほぼ、どのお子さんにも有効な言葉があります。

「見ているだけでいいよ!」です。

不安反応が出たら「見ているだけでいいよ!先生がするからね!」と言うと、

離席していた子も戻って来ます。叫んでいた子も荒れていた子も落ち着きます。

支援者が課題をしている姿を見て、自分にも出来そう、何だそういうことか…と安心すると、

支援者から課題を取り上げて自らやり始めます。


不思議です。

なぜ離席していても戻って来るのか!?(着席を要求していないのに)

なぜ見るのか!?

「見ているだけでいい」がどういうことかが、どの子にも理解出来ることも不思議です。

「見ているだけ」という表現がポイントのように思います。

「見て!」や「見てて!」では効果がないようです。


「見ているだけでいいよ!」でその都度、不安を解消していると、

やがて離席せず、叫ばず、乱暴なこともせず、

新しい課題や難しそうに見える課題にも向き合い、支援者の話を取りあえずは聞こうとする姿に変わります。

こんな時は、「あ~成長したなぁ。すごいなぁ」と感動し沢山ほめます。


そんなに不安がらなくてもほとんどのことは大丈夫なんだとお子さんが気付けたときに

チャレンジしてみようという強さとやる気と自信が芽生えます。根気強さも芽生えます。

こうして、心が育つことが子どもたちに大切であり、これからの強みとなると思います。




↓もうすぐ「ひなまつり」毎年、教室に出している陶びなです!






山口県在住の上田達生さんの作品です。

陶びなの下のお皿は、石川県の九谷焼です。