「始発電車を待ちながら」@東京ステーションギャラリー
東京駅復元工事に伴い休館していたギャラリーで、9人の作家による東京駅と鉄道をめぐる現代アートの展覧会をやっている。どんなふうにリニューアルされたのか気になったし、入館料はオープン記念で500円なので、スベってもいいからという気分で入ってみた。結果、スベリ損ねたわけだが。
パラモデルは青いプラレールを部屋の床、壁、天井いっぱいにつなぎ合わせる単純に分かりやすい作品。国立国際美術館で見た時はレールだけ壁を這っている状態だったが、今回は発泡スチロールで造られた白い山が現れて、黄色い重機やらダンプやらもたくさん登場して、ジオラマ部屋みたいになっている。どこまで増殖するのやら。
クワクボリョウタの鉄道模型は相変わらず夜の日用品街を走り続けているが、今回はやたらコンパクト版。真っ暗な部屋の中をライトを点けた小さな列車が走ると、壁には日用品の影が大きく映り込み後ろへ後ろへと流れて行く。ザルをくぐりぬける時は部屋中がザルの中のようになる。つかの間の不思議な深夜列車旅行。
柴川敏之のなんでもかんでも錆びだらけの化石にしてしまう作品。招き猫、携帯電話、トロフィー、蚊取り線香その他もろもろがごわごわの茶色い錆びと緑色の緑青にまみれている。レンガの隙間にシラっと置かれていると色合いが融和して見落としそうな非存在感。駅舎のレンガの所々黒くへこんでいる箇所は「木レンガ」という木製のレンガが空襲で焼けて炭化したものだそうだ。その黒い隙間にさりげなく錆びたアイテムを置いてある。「発掘されたチョメチョメ」という物悲しさと、しょーもない物を錆び色塗装した滑稽さがツボにハマる。
ヤマガミユキヒロは鉛筆画を展示している。線路のスケッチ、その精密さに感心して眺めていると視界の隅に何やら明かりが瞬くのに気づいた。あっ、背面からライトを当てているのか、と納得し始めた頃、鉛筆画の中を電車が走り抜けた。電車は半透明なので鉛筆画の背景も見えている。まるで幽霊電車のようだ。なんだろうこの違和感から生じる感動は。いつまでも見ていたい後ろ髪引かれる作品である。
東京駅復元工事に伴い休館していたギャラリーで、9人の作家による東京駅と鉄道をめぐる現代アートの展覧会をやっている。どんなふうにリニューアルされたのか気になったし、入館料はオープン記念で500円なので、スベってもいいからという気分で入ってみた。結果、スベリ損ねたわけだが。
パラモデルは青いプラレールを部屋の床、壁、天井いっぱいにつなぎ合わせる単純に分かりやすい作品。国立国際美術館で見た時はレールだけ壁を這っている状態だったが、今回は発泡スチロールで造られた白い山が現れて、黄色い重機やらダンプやらもたくさん登場して、ジオラマ部屋みたいになっている。どこまで増殖するのやら。
クワクボリョウタの鉄道模型は相変わらず夜の日用品街を走り続けているが、今回はやたらコンパクト版。真っ暗な部屋の中をライトを点けた小さな列車が走ると、壁には日用品の影が大きく映り込み後ろへ後ろへと流れて行く。ザルをくぐりぬける時は部屋中がザルの中のようになる。つかの間の不思議な深夜列車旅行。
柴川敏之のなんでもかんでも錆びだらけの化石にしてしまう作品。招き猫、携帯電話、トロフィー、蚊取り線香その他もろもろがごわごわの茶色い錆びと緑色の緑青にまみれている。レンガの隙間にシラっと置かれていると色合いが融和して見落としそうな非存在感。駅舎のレンガの所々黒くへこんでいる箇所は「木レンガ」という木製のレンガが空襲で焼けて炭化したものだそうだ。その黒い隙間にさりげなく錆びたアイテムを置いてある。「発掘されたチョメチョメ」という物悲しさと、しょーもない物を錆び色塗装した滑稽さがツボにハマる。
ヤマガミユキヒロは鉛筆画を展示している。線路のスケッチ、その精密さに感心して眺めていると視界の隅に何やら明かりが瞬くのに気づいた。あっ、背面からライトを当てているのか、と納得し始めた頃、鉛筆画の中を電車が走り抜けた。電車は半透明なので鉛筆画の背景も見えている。まるで幽霊電車のようだ。なんだろうこの違和感から生じる感動は。いつまでも見ていたい後ろ髪引かれる作品である。
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