日日是好日

「アナザー・カントリー」について、実に主観的に書き散らしてます。
たまに身辺の雑記も。

オジン源氏

2013-09-27 22:54:42 | 源氏物語
こういう人は多いでしょうが、
私も大和和紀の「あさきゆめみし」を読んでから、
原作の「源氏」を手に取りました。

だから、「あさき」との相違点ばかりが目につくのですよ。

一番驚くのは、
源氏の君が意外ともててないこと。

秋好む中宮からは、「源氏の君の残り香がキモイ」と、
着物の袖であおられている。

明石の君は一度たりとも、
源氏の君を慕う言葉を口にしたことがない。
(ついでに言うと初夜は完全なレイプ)

玉葛の君の時は、
半裸の状態で彼女の傍に横たわって、
うんざりさせている。
こうなると完璧に、セクハラオジンです。

そう。「あさき」と一番違うのが、この玉葛の君です。
原作では、黒ひげの大将との初夜が書かれていない。
いちおう女房が手引きして、その女房が処罰されてもいますから、
「あさき」と似たシチュエーションだったとも思える。

でも、果たして本当にそうか?

原作では、玉葛の君は、たいそう計算高い女と描写されています。
「あさき」では実父の大臣が「大将と結婚するのが一番いい縁だ」と言っていますが、
これは本当は、玉葛の出した結論だったのではないか。
つまり玉葛も黒ひげの大将と結婚したかった。
でも源氏の君や紫の上の手前、自分からは言いにくい。
だから「強引に迫られて仕方なく」という形にしたのではないでしょうか。
女房の一人を、スケープゴートにして。


玉葛の結婚のすぐあとに、源氏の君は女三の宮を娶る。
源氏の君の転落の始まりです。

「子供だから…?」

2013-09-25 10:31:35 | ぼくの地球を守って
シオンの一番古い記憶。
飢えに耐えかねて小屋に忍び込んだ時、
銃で撃たれた、

と、あります。

このシーンを読者はどう捉えるべきなのか。

シオンは、銃口と、闇と、銃声とおぼしき擬音と、
「待て、子供だ」の叫びしか見せてくれません。

彼の行為はいったい、
正当防衛だったのか、過剰防衛だったのか、緊急避難だったのか、はたまた殺人なのか。
法廷だったら喧々囂々と議論されるところでしょう。

検察:「待て、子供だ」の声は被告もはっきりと聞いています。
被告は、自分への攻撃が仲間内で躊躇されていると判断できたはずです。

弁護士:被害者のうち一人は実際に被告に発砲しています。
「待て、子供だ」という叫びが、銃を構えた仲間の行動を止めるにいたらなかったと被告が考えたのも無理からぬことです。

なんて。
(往年のNHKドラマ「事件」の影響で、色々妄想しちゃう)


いや、問題は量刑じゃない。
「待て、子供だ」の声を聞いたにも関わらず、
シオンが「子供だからって手加減してくれない」と思った、
その捻れです。
その場に何人の人間がいたのかわかりませんが、
少なくとも一人は「子供だから手加減しろ」と咄嗟に口にした。

シオンはなぜ「そっち」を自分の意見に採用しなかったのか。
なぜ他人の中に、暖かさではなく冷酷を見出だすことを選んだのか。

「ぼくの地球を守って」の全てがそうであるように、
答えは無数に出てきます。
というより幼いシオンが読者に見せてくれた「無数」が、
ページを巻き戻して「ぼくたま」の視点の多様性につながるのかもしれません。

彼岸に咲くから彼岸花

2013-09-24 22:46:51 | 日日雑記
でも「8月の終わり」のイメージがある。
あの爛れ方はまさしく晩夏。
おまけに私は「暑さ寒さもお盆まで」だと思っていたし。
(関係ない?)

葉っぱなしで、でかい花だけ上につけて、地面からぐいと茎を伸ばしているのが、
何か「ふつうではない花」の感じがします。

好きな花のひとつですが、
なぜか最近めっきり数が減った。

1/4スペース

2013-09-22 11:20:07 | ぼくの地球を守って
飛ばしていたので、今回じっくり(でもないけど)目を通しました。

やはり作者も「解説しすぎない」を心がけていたようですね。
中学生くらいの読者から、
「ここのところのキャラの心境がわからない」
なんて手紙も来たそうです。

それと……
8巻9巻のあたりは、重かった。

私も、ネットの端っこでとはいえ、モノづくりの一人ですから、
クリエイター自らああいうことを言わなくてはならないというのは、
居たたまれなさが行間から伝わってきて、
なんともつらかったです。

よく「社会現象にまでなった」と言われます。
マンガやアニメの最上の褒め言葉らしい。

でも多くの目に触れるのが、本当に良いことなのか。
あの1/4を読むと、悩んでしまう。

「社会現象」が褒め言葉というのも、
社会の傲慢のような気がする。
なーんか「名誉白人」なんて言葉を思い出したりして。


私自身は、わりと輪廻転生を信じています。
しかし、前世の仲間を探そう……という気にはなれません。
人間とは限らない。死んですぐ生まれ変わるという保証もない。
ミミズだってオケラだってアメンボだって可能性がある。
ついさっき食べた生揚げのもととなった大豆の一粒が、
昔の仲間の生まれ変わりかもしれない。

学校を卒業したとか、家を引っ越したとかで、
分かれてしまう友人もいる。
ましてや、死んで別れたんです。
今更よりを戻そうったって、そうはいかん。

訃報

2013-09-22 06:57:52 | おしん
石田太郎氏、死去。

加賀屋の主人役でした。
アニメファンには「ルパン三世 カリオストロの城」の、
カリオストロ伯爵といった方が通りがいいかも。

「おしん」は、「女のドラマ」なので、
正直、影が薄かった。
おしんを加賀屋に置いておくか追い出すかで、揉めたことがあります。
彼は最初追いだし派で、でもいつの間にか受け入れ派に転向していた。
同じく追いだし派のみの(加賀屋の奥様……ほーら、石田太郎の方は役名も覚えていない)が、
急におしんを可愛がり始めた方は、ちゃんと描写があるのに。
みのは夫が必要で、
加代には父親が必要だから、
そこにいたキャラ、みたいな扱いでしたね。


ともあれ、69歳は早すぎる。