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10年以上前の東日本大震災に対する復興予算も、当時、復興名目であれば何でも予算が通ったので、各省庁がなんでもかんでも復興に結び付けて無駄使いしまくって大きな批判を受けました。
2011年・12年の復興予算の総額はなんと19兆円あまり!
そのかなりの部分が
「沖縄、北海道など全国の道路改修・新設」
「南極でのシーシェパード対策費」
「クールジャパンの推進」
「検察運営費」
「荒川税務署の改修」
「東京スカイツリー開業プレイベント」
「航空機購入費」
「米国での戦闘機訓練費」
「ODA」
「小型衛星局」
などおよそ東日本の震災復興と関係ないものにこれでもかと血税が使われたのです。
このうち、予算はまだ国会で審議して使い道を決めるものですが、予備費は政府が自由裁量で使途を決め支出でき、国会は後追いで事後審査するだけです。
戦前の日本が議会のチェックなしに戦争に過大な国家予算を費やし経済も破綻して国民が苦しんだ反省から、憲法は国家財政も国民代表である国会が統制するとする財政民主主義を憲法83条で明記しています。
ですから、予備費もまた憲法上の制度ではありますが、それは
「予見しがたい予算の不足に充てるため」(87条)
のあくまで例外的な措置であり、国会審議を経る予算こそが国の支出の基本でなければいけません。
ところが、安倍政権は2020年初頭から始まったコロナ対策に、予備費を10兆円も充てました。
なんと、もうコロナ禍が始まってから組んだ2020年度予算は100兆円を超える史上最大の規模だったのに、そこにはコロナ対策を全く組み込まず、第2次補正予算で、国会で審議を経ないで済む予備費を10兆円ですべて対応するとして、なんと10兆円も予備費にあててしまったのです。
それまでは年5000億円程度の予備費を準備し、災害など不測の事態に備えていたのですが、このコロナ対策で創設した予備費の規模は、東日本大震災の時をもはるかに超えるものでした。
当ブログはコロナ対策は当然として、それでなくても信用ならない安倍政権がコロナ対策を国会審議さえしない予備費で処理しようとすることには、2020年6月に猛然と反対しました。
誰が安倍政権と維新を延命させてきたのか。立憲民主党が10兆円の予備費について5兆円の中身を決めてくれたら賛成と妥協。大阪府の自民党府議団が大阪「都」構想に一転して賛成。これじゃほとんど公明党。
安倍内閣の第二次補正予算案が成立。しかしコロナの影響で経営悪化が続く医療機関に対する対策は1割未満。病院全体の診療報酬増額にはゼロ回答。これでは第2波が来る前に医療崩壊が起きてしまう!
それ以来、安倍政権も菅政権も通常予算でも補正予算でも、この政府にとって便利な予備費を多用し続けました。
安倍政権の2020年度補正予算で9.65兆円という異例の規模の予備費をコロナ向けと銘打って創設し、菅政権の2021年度と岸田政権の2022年度の当初予算と合わせ、予備費は3年で総額20兆円弱に達しました。
そのうち、事後的に政府が国会に使い道を報告した12兆円余りを分析すると、最終的な用途を正確に特定できたのは6.5%の8千億円強にとどまり、11兆円以上が使途不明!であることを、日本経済新聞が4月22日にスクープしました。
まさに、安倍・菅両政権が国民・国会の監視の目が行き届かないブラックボックスである予備費を悪用したことが明らかなのですが、今国会で衆院を通過した岸田政権の補正予算。
通常の予算でもまた5・5兆円の予備費を計上しており、これが成立してしまったのですが、同じ国会に提出した補正予算の総額が2・7兆円なのに、そのうち半分以上の1・5兆円を、物価高対策で使った予備費の埋め戻しにあてるというのです。
つまり政府が自由に使える予備費が減ったから積み増しすることを目的にした補正予算なんですよ!
岸田政権は臨時国会をなかなか開かないとか、通常国会を延期する気がないとか、安倍・菅政権がやり出した議会制民主主義を破壊する悪弊を全部引き継いで利用しています。
そして、今度は財政民主主義を破壊する予備費の悪用も続けようとしているのです。
岸田首相は野党議員がガソリンに対する補助金以外の対策を質問しても、
「しっかり対応する」
予備費を追加する理由について
「不測の事態に対応するため」
というばかり。
バイデン米大統領に約束してしまった軍事費の増額をいくらにするのかも、全く答えません。
やっていることは安倍・菅両首相とまったく同じで、人当たりが良く見えるだけ岸田首相の方が悪質だと言えるでしょう。
本当だったらNATOに加盟していない「平和国家」としてロシアとウクライナの間に入って調停するくらいのことをしたらいいのに、国内でも国際社会でも誰も岸田首相にそんなこと期待していませんからね。
岸田首相は実は危険だ、周辺事態法と国旗国歌法の小渕首相の生まれ変わりだと当ブログでは何度も警鐘を鳴らしているんですが、高支持率をキープしたまま参院選に突入しそうです。
安倍・菅両首相があまりにも個性的で悪代官ぶりがわかりやすかったのですが(笑)、岸田首相だってこの記事で見たよう議会制民主主義破壊路線は維持したままです。
このまま岸田政権を勝ちっぱなしにさせて置いたら、本当に改憲や軍拡をニコニコしながら進められてしまいますよ。
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衆院予算委と首相 議論を阻む予備費の乱用
衆院予算委員会で今年度補正予算案が審議された。岸田文雄首相と与野党議員による久々の論戦の場である。だが、目に付いたのは首相のあいまいな答弁だった。
そうした姿勢は、国会審議を必要としない予備費の乱用に象徴される。
補正予算案約2・7兆円のうち、使途を明示したのはガソリン高対策の約1・2兆円だけだ。政府の裁量で決められる予備費が半分以上を占めるのは異常である。
予備費は本来、災害などの緊急時に備えるものだ。新型コロナウイルス対策の名目で積み増しされ、今回は物価高対策にまで広げられた。
だが、首相は審議の中で、具体的な物価高対策を示さなかった。
立憲民主党の泉健太代表は生活必需品の値上げが続く中、年金を減額される高齢者への支援策を問いただした。首相が挙げたのは、昨年秋に決定済みの住民税非課税世帯への10万円給付などだった。
野党議員がガソリンに対する補助金以外の対策を質問しても、「しっかり対応する」などとはぐらかすばかりだった。
どのような政策にいくら予算を充てるのか、具体的に示さなければ議論が深まるはずがない。
首相は予備費を追加する理由について「不測の事態に対応するため」との説明をくり返した。だが、これでは何でも政府に白紙委任することになりかねず、税金が適切に使われているかをチェックする予算委の役割を果たせない。
予備費以外のテーマでも、首相は野党議員の質問に正面から答えなかった。
自らが掲げる「子ども政策に関する予算倍増」は達成時期を明示しなかった。
バイデン米大統領との会談で約束した防衛費の「相当な増額」についても、具体的な規模や重点分野への言及を避けた。
週刊誌が報じた細田博之衆院議長のセクハラ疑惑の質問も出たが、「議長が適切に判断されるべきことだ」と述べるにとどめた。
夏の参院選が近づいている。
政策の看板を掲げるだけで中身を語らない。税金の使い道を事前に説明しない。こうした姿勢では、国のかじ取りを任せられるのか有権者は判断できない。
政府は17日にも閣議決定する2022年度補正予算で、一般会計の歳出総額を2兆7009億円とする方針を固めた。原油高や物価上昇を受けた緊急経済対策に充てる。財源は全て国の借金となる新たな国債の発行で賄う。今国会に提出し、早期成立を目指す。
ガソリン価格の抑制に向け、石油元売り会社に6~9月分の補助金を支給するため、1兆1655億円を計上する。
また、4月下旬に先行して支出した予備費を「今後の備え」として埋め戻すため、1兆5200億円を積む。内訳は、一般予備費が4000億円、新型コロナウイルス対応の予備費を物価対策にも使えるようにした費目が1兆1200億円。
政府は4月26日に国費6・2兆円の緊急経済対策を決めた。今回の補正予算案に加え、先行支出した予備費約1兆5000億円、すでに手当て済みの予算2兆円を充てる方針だ。
予備費を埋め戻すことを主な目的とする補正予算案の編成は異例だ。
コロナ予備費、使途拡大 「衣替え」、緩む財政規律―緊急経済対策
2022年04月27日07時08分 時事通信
22年度当初予算では、コロナ予備費を5兆円、自然災害など不測の事態に備えた一般予備費を5000億円それぞれ計上。今回の支出後も両予備費は当初の水準を確保する。
岸田文雄首相は26日の記者会見で、予備費の補充について「さらなる状況悪化など、いかなる事態が生じても迅速に対応できる」と強調。内閣府幹部は使途拡大に関し「コロナと物価高騰の両方の影響を受けており、機動的に対応する」と説明する。
ただ、国会審議を経ない予備費への依存には財政民主主義の観点から懸念の声が出ている。第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストは、コロナ予備費については「経験がないパンデミック(世界的大流行)への対応で正当性があった」と理解を示しつつ、「今後の予備費の運用方法ではコンセンサスが必要だ」と語る。
一橋大の佐藤主光教授(財政学)は「コロナ対策として予備費を積んだのに、感染収束が見通せない中で使途を変更していいのか」と指摘。「有効な支出だったのか事後的な検証が必要だ」と無駄遣いのチェックを求めている。
12兆円余りをおおまかに分類すると、医療・検疫体制確保向けの4兆円に次いで多いのが地方創生臨時交付金として地方に配られた3.8兆円だ。同交付金をめぐってはコロナ問題とこじつけて公用車や遊具を購入するなど、疑問視される事例もある。自治体が予備費を何に使ったかまで特定するのは難しい。
政府は4月下旬にまとめるガソリン高などの物価高対策に、2022年度予算のコロナ予備費(5兆円)の一部を充てる構えだ。仮にコロナ問題と関係の薄いテーマにコロナ予備費が使われれば、予備費の本来の趣旨に反する恐れが強い。
通常、政府は年金の支給など特定の政策を目的にした歳出を細かく積み上げて予算案をつくり、国会審議を経て出費できるようになる。その例外が予備費だ。金額だけあらかじめ計上しておき、使い道は政府の閣議だけで決められる。
政府は最近は年5000億円程度の予備費を準備し、災害など不測の事態に備えることが多い。だが、コロナが広がった20年春以降の20年度補正予算で9.65兆円という異例の規模の予備費をコロナ向けと銘打って創設。21年度と22年度の当初予算と合わせ3年で総額20兆円弱に達した。
そのうち12兆3077億円は実際に執行し、国会に使い道を報告した。日本経済新聞は国会提出資料や省庁への取材で何に使われたか詳細に解明しようと試みた。各省庁や自治体が予備費を具体的に何に使ったか、最後まで確認できるものは3つの政策項目、計8013億円だけだった。
予備費の最終的な使い道がつかみにくいのは、予備費を割り振られた省庁が当初予算や補正予算などすでにあるお金と予備費を混ぜて管理するケースが多いからだ。会計検査院でさえコロナ関連をうたう巨額の予算がどう使われたかの全体図はつかめていない。
例えば、厚生労働省がワクチン接種の体制づくりへ自治体に配る補助金だ。ほかの経費と分別管理しておらず、予備費がどの自治体に行ったかまでは分からない。ワクチン購入費のように「企業との秘密保持契約の関係で公表できない」(厚労省)項目もある。
予備費3119億円を振り向けた観光需要喚起策「Go To トラベル」は感染拡大でストップした。追加投入した予備費を上回る額が使われず、約8300億円が滞留しているとみられる。
コロナ禍のような危機に際し、柔軟で機動的に使える予備費にも意義はある。ただ、国内総生産(GDP)の数%に相当する巨大な予算を国会審議を経ずに執行できる仕組みは透明性に懸念が残る。乱暴な使い方をけん制する意味でも、外部から適切にチェックできる体制が本来必要だ。
一橋大の佐藤主光教授は「今の仕組みでは事業ごとの費用対効果だけでなく、コロナ予算の正確な規模すら検証できない」と指摘。歳出膨張への危機感が広がっても抑制する道具が欠けているとして「お金に色をつけて追跡するには、公会計のあり方自体を見直す必要がある」と話す。