
(2012年3月12日つけ朝日新聞 「原発再開「反対」が57% 朝日新聞世論調査」より。女性に比べて男がアホなことも一目瞭然)
枝野経産相は原発輸出では財界に媚びを売って賛成に回っています。また、東電への資本投入については、金融界への債権放棄、株主責任を言い出せず破綻処理はしようとしていません。
というわけで、枝野経産相を手放しで誉めることは出来ないのですが、野田内閣で一番世論の動向に敏感な人なので、原発再稼働には待ったをかけました。ほめるべきときはほめるのが政治家の上手い使い方だと思います。
枝野氏は2012年4月2日の参院予算委で、政府が準備を進めている関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関して
「保安院、安全委の専門家の分析、評価に得心がいっていない」
「現時点では私もいま再稼働に反対だ」
と言い切りました。これに対して、再稼働をやる気満々だった野田首相も
「あくまで安全性のチェックが最優先だ」
と枝野氏に同調せざるを得なくなりました。
(朝日新聞2012年4月3日付け 「大飯原発の再稼働、判断先送り 近隣府県の反発に配慮」より)
野田首相らはこれまで、上の図のように、枝野氏に藤村修官房長官、細野豪志原発事故担当相を交えた今日4月3日に関係閣僚会議で大飯原発の安全性を宣言し、地元同意を得た上で再び閣僚会議を開いて再稼働を政治決断する段取りを考えていたようです。
ですが、枝野氏は「さらに専門家に意見を聞くことを含め、プロセスを精査している」
と答弁し、ただちに地元への説明に入るわけではないと強調しました。さらに同氏は、大飯原発から30キロ圏内に一部 が入る京都府や滋賀県の知事が再稼働反対の意向であることを踏まえ、
「滋賀県と京都府知事の理解を得られなければ、地元の一定の理解を得たことにはならない」
「日本全国に福島(第一原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では『日本全国』が地元だ」
とも述べました。
あわてた藤村官房長官は
「原子力安全・保安院、原子力安全委員会などの科学技術的な報告を受ける。今日は入り口になる」
「この時点で(再稼働の是非を)頭から決めて会合を開くわけではない」
と述べ、同日は結論に至らないとの見通しを示しました。
枝野経産相が、原発再稼働にストップをかけたと言っていいでしょう。
もともと、内閣府原子力安全委員会は同原発の安全評価(ストレステスト)の妥当性を確認したが、ストレステストはコンピューターによるシミレーションにすぎません。
また、政府は東京電力福島第1原発事故を受けて、「原子力規制庁」の設置を決めていたのに、設置法案の国会審議が遅れたため、4月1日の発足を断念し、現行体制での原子力規制が当面続く見通しです。
今更、国民の誰が原子力「安全」・保安院や原子力「安全」委員会の「安全」審査を信用できるでしょうか。
毎日新聞が3月31日、4月1日に実施した全国世論調査で、上の表のように、大飯原発の再稼働に「賛成」と答えた人は33%にとどま り、「反対」の62%を大きく下回りました。
政府の安全審査を「十分だ」 と思う人は10%にとどまり、「十分でない」との回答が84%に達しています。
さたに、大飯原発の再稼働に賛成と答えた人でも、政府の安全審査を「十分でない」と回答した人が67%に上り、原発行政への不信感は頂点に達しているといえるでしょう。
5月の原発ゼロに焦って再稼働に固執する野田首相が言えば言うほど、がれき処理に安心して協力できない件
(東京新聞 「再稼働 尚早ムード 経産相「現時点で反対」より
しかし、野田首相らが原発再稼働に前のめりなのは明らかです。肝心の細野原発担当大臣でさえ、会見で「予断を持って会議に臨むという立場は取っていない」と話しており、全く頼りになりません。
上の表のように、野党自民党も相変わらず、原発推進姿勢が変わりません。
けれども、それでなくても消費税増税を第1の政策として強引に進めようとしている野田内閣ですから、消費税増税以外のことで世論の支持を失うわけにはいかないと考えているようです。
枝野さんがこのまま突っ張って原発再稼働を許さず、5月5日の北電泊原発停止によって、原発ゼロが実現するか否かは、ひとえに我々の民意、世論にかかっています。
電力不足キャンペーンなどに騙されず、世論を盛り上げ、原発再稼働を阻止しましょう。
原発ゼロでもやっていけるという状況を実現して、国民全体で原発ゼロ社会が可能であるという実感、手応えをつかみ取ろうではありませんか。
原子力発電依存度No.1の関西電力原発11基全停止 原発ゼロ社会は「やればできる!必ずできる!」
原発再稼働にストップをかけたことの一点では枝野さん支持!
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
藤村修官房長官は3日午前の記者会見で、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の是非を巡り野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相、 細野豪志原発事故担当相、藤村長官の関係3閣僚による初協議を同日夜に開くと発表した。藤村長官は「原子力安全・保安院、原子力安全委員会などの科学技術 的な報告を受ける。今日は入り口になる」と述べ、同日は結論に至らないとの見通しを示した。
藤村長官は「この時点で(再稼働の是非を)頭から決めて会合を開くわけではない」と強調。再稼働について理解を求める「地元」の範囲や今後の日程なども協議する意向を示した。【小山由宇】
毎日新聞 2012年4月3日 11時29分(最終更新 4月3日 11時47分)
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枝野幸男経済産業相は二日の参院予算委員会で、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働について「現時点では私も再稼働に反対だ」と表明し た。野田佳彦首相と関係閣僚は三日に再稼働の是非を協議する。再稼働へ首相が前のめりの姿勢を示す中、枝野氏としては、世論や民主党内の反対論を背景に慎 重な対処を求める考えだ。 (関口克己)
枝野氏は参院予算委で、原子力安全委員会などが行った安全評価(ストレステスト)の一次評価の審査結果について「今の段階で、私が内容に納得しているわけでもなく、国民に納得いただけると得心したわけではない」と述べ、内容を精査する必要があるとの考えを示した。
「国民の納得」という言葉を使った背景には、各種世論調査で示される再稼働への厳しい視線がある。もともと、原発の専門家ではない首相らの再稼働判断をめぐっては「原子力ムラの判断を丸のみしかねない」と疑問視する声が強い。
また再稼働に向けて、首相は「私も先頭に立たなければならない」と述べ、自ら地元の説得に乗り出す意向を表明している。ここで判断を急げば、世論の反発をさらに強め、政権運営が険しくなりかねないとの判断に傾きつつあるようだ。
足元の民主党内の動向も影響している。政策調査会内の組織である原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)は再稼働判断を「時期尚早」とする提言をまとめた。菅直人前首相ら有志議員は「脱原発・ロードマップを考える会」を近く発足させる。
消費税増税法案の国会提出に続き、再稼働の是非で再び党内が混乱する事態を招くのは避けたい思いも見え隠れする。
民主党に加え、自民、公明、みんな、社民の各党議員が発起人を務める「原発ゼロの会」が先月末に発足するなど、こうした動きが他党にも広がっていることも考慮した。
さらに神経をとがらせているのは、次期衆院選で「台風の目」となりそうな橋下徹大阪市長の動向だ。橋下氏は大飯原発の再稼働に反対を表明しており、藤村修官房長官は二日の記者会見で「大阪市は関電の大株主。意見を聞く必要はある」と述べ、配慮する意向を示した。
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毎日新聞が実施した全国世論調査で、政府が準備を進めている関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に「賛成」と答えた人は33% にとどまり、「反対」の62%を大きく下回った。内閣府原子力安全委員会は同原発の安全評価(ストレステスト)の妥当性を確認したが、政府の安全審査を 「十分だ」と思う人は10%にとどまり、「十分でない」との回答が84%に達した。【高塚保】
政府は東京電力福島第1原発事故を受けて、「原子力規制庁」の設置を決めた。しかし、設置法案の国会審議が遅れたため、今月1日の発足を断念し、 現行体制での原子力規制が当面続く見通し。大飯原発の再稼働に賛成と答えた人でも、政府の安全審査を「十分でない」と回答した人が67%に上り、原発行政 への不信感がうかがえる結果となった。
大飯原発再稼働への賛否を地域別にみると、反対は北海道で75%。大飯原発に近い地域で反対と答えた人は近畿63%、甲信越・北陸54%だった。 支持政党別では、民主支持層の賛成は31%にとどまり、反対は61%。自民支持層では賛成47%、反対48%で拮抗(きっこう)した。
原子力安全委員会は3月23日、定期検査で停止している同原発3、4号機の再稼働の前提となるストレステストの1次評価について、問題ないとの確 認結果を決定した。野田佳彦首相と関係3閣僚が近く協議し、安全を確認したうえで、地元の説明に入る予定。地元の理解が得られれば、再稼働を政治判断す る。しかし、福井県などは再稼働に慎重な姿勢を示しており、首相は慎重な判断を求められることになりそうだ。
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◇全国世論調査の質問と回答◇
◆野田内閣を支持しますか。
全体 前回 男性 女性
支持する 28(28)29 27
支持しない 48(45)53 44
関心がない 23(26)17 28
◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
民主党の首相だから 13(17)11 16
指導力に期待できる 18(15)15 21
政策に期待できる 23(20)28 18
政治のあり方が変わりそうだから 42(46)43 40
◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
民主党の首相だから 5 (8) 6 3
指導力に期待できない 18(15)16 19
政策に期待できない 37(38)40 34
政治のあり方が変わりそうにない 39(38)35 43
◆どの政党を支持しますか。
民主党 15(14)16 15
自民党 17(13)19 16
公明党 5 (5) 2 7
共産党 2 (2) 2 2
新党きづな 0 (0) 0 -
みんなの党 6 (6) 6 5
社民党 1 (0) 1 0
国民新党 0 (0) - 1
新党大地・真民主 0 (0) 0 0
たちあがれ日本 1 (1) 1 0
新党日本 0 (-) 0 -
新党改革 - (-) - -
その他の政党 3 (3) 3 2
支持政党はない 50(54)48 51
◆政府は、消費税の税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる法案を閣議決定しました。法案に賛成ですか、反対ですか。
賛成 37 42 33
反対 60 56 63
◆消費税を引き上げる際に、生活必需品などの税率を低く抑える軽減税率を導入すべきだと思いますか。
導入すべきだ 79 77 82
導入すべきでない 17 21 13
◆民主党の小沢一郎元代表らのグループは、消費増税法案の採決で反対する構えです。元代表らの姿勢を支持しますか、しませんか。
支持する 30 36 25
支持しない 65 62 68
◆野田首相が自民党の谷垣禎一総裁と話し合い、消費増税への協力と引き換えに衆院解散を確約する「話し合い解散」について賛成ですか、反対ですか。
賛成 36 38 35
反対 53 59 49
◆政府は、福井県の関西電力大飯原発を再稼働させる準備を進めています。再稼働に賛成ですか、反対ですか。
賛成 33 43 24
反対 62 55 69
◆政府の原子力安全委員会は、大飯原発の安全評価結果を「妥当」と了承しました。政府の安全審査を十分だと思いますか。
十分だ 10 15 6
十分でない 84 81 87
◆与野党協議の結果、子ども手当は「児童手当」に名前が変わり、世帯の所得にかかわらず一律支給されていた手当に、10月支給分から、所得制限がつくようになります。この制度の変更を評価しますか、しませんか。
評価する 62 61 62
評価しない 33 35 32
◆今後、どのような政権の枠組みが望ましいと思いますか。
民主党中心の政権 8 8 8
自民党中心の政権 10 10 11
民主、自民の大連立 21 15 26
政界再編による新たな政権 54 63 47
◆大阪市の橋下徹市長が率いる「大阪維新の会」が国政に進出することに期待しますか、しませんか。
期待する 62(61)63 61
期待しない 33(34)35 32
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回3月3、4日の調査結果。
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◇調査の方法
3月31日、4月1日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号を使うRDS法で調査した。この際、福島第1原発事故 で警戒区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。有権者のいる1499世帯から、905人の回答を得た。回答率は60%。
毎日新聞 2012年4月2日 東京朝刊
「やればできる。必ずできる」
先生、このフレーズ某伊藤塾の「フレーズ」じゃないですかぁーっ(爆)
I先生の巧みな魔法トークを講演で聞いて、会社辞めちゃいましたよ、僕(遠い目)
最近、さすがに浮足立ってきました。が、LECでの先生のレジュメ(特に行政法と民訴)は最後まで見直すつもりです!!!!
ところで、本題です。
この原発問題にしろ、消費税のドタバタにしろ、「ハシモトさん、ガンバッテ!!!!」とエールを送ってくれるかのような迷走ぶりですっ。
今週の週刊誌にも、衆議院選挙の予想で、関西圏では維新の会が圧勝するって出てますもんネ
原発再稼働ぐらいは、かしこく民意(笑)をくんでもらいたいものです。
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初めまして。
>枝野経産相が、原発再稼働にストップをかけたと言っていいでしょう。
ご紹介の記事を読むと、枝野氏を少し見直したくなりますが、こちらを読むとかなり心配です。
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枝野幸男経済産業相は3日の閣議後の記者会見で、2日の参院予算委員会で関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に「現時点では反対だ」とした自身の発言について「(2日の段階では)私自身が(国の原子力安全委員会の報告書などを)全部精査しておらず、安全だと確認していない段階だった」と説明。その上で「今日は昨日の段階とは違う」と、再稼働反対発言を事実上修正した。(後略)
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2012/04/03/20120403k0000e020194000c.html
【枝野経相:大飯再稼働反対の発言を修正(毎日新聞)】
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さらに原発推進派の読売新聞記者の書き方だとこんなことも言わせています。
>枝野氏は3日の記者会見で、再稼働に積極的反対ではないのかとの記者団の質問に「違う」と明確に否定した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120403-OYT1T00426.htm
【大飯再稼働、地元の理解と同意は別…官房長官(読売新聞)】
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枝野経産相は、原発推進派が多い経産官僚からも突き上げられているでしょう。まったく予断を許しません。
そして野田首相が、4/3の会合で
「再稼働の判断基準がわかりにくいとの指摘がある。福島第一原発事故の原因分析を踏まえ、安全の暫定的な基準を整理してほしい」と述べています。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20120403-OYT1T00869.htm
【原発再稼働に暫定基準…首相、とりまとめ指示(読売新聞)】
この首相発言によって、<当初予想されていた【4月3日】に再稼働へのゴーサインが出されることがなくなった>に過ぎず、(事故の経緯の検証もまったく不十分な状況で原因分析ができていないにもかかわらず)「原発事故の原因分析を踏まえ」た【暫定的な基準】を【保安院】が作成しさえすれば、それを4閣僚の次の会議で了承して再稼働のゴーサインを出しますよ、と野田首相は言ったのと同義だ、と私はとらえました。
到底そんな暴挙は許してはなりません。
そういう意味でも、
>枝野さんがこのまま突っ張って原発再稼働を許さず、5月5日の北電泊原発停止によって、原発ゼロが実現するか否かは、ひとえに我々の民意、世論にかかっています。
とブログ主様がおっしゃるように、民意を盛り上げていかないといけない、と感じています。
誤字・脱字のコメントを修正要請に迅速に対応して下さり、ありがとうございました。
4/4(火)深夜のNews23クロス の最後に、こんなニュースが流れました。
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福井県の大飯原発3、4号機の再稼働問題で、政府は5日にも2回目の閣僚会合を開き、再稼働させる方向で地元との調整に入る方針を固めました。
大飯原発の再稼働問題をめぐって野田総理は3日、関係閣僚らとの協議で、再稼働について判断するための暫定的な安全基準を作るよう指示しました。
基準作成がほぼまとまったため、政府は5日にも夕方、再び野田総理と関係閣僚らによる会合を開き、暫定的な安全基準について協議し、早ければ6日に方針を決定する方向です。
そのうえで地元との調整に入り、来週の早い段階で枝野経済産業大臣が福井県を訪問し、知事に要請する見通しです。(04日22:38)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4995682.html
【大飯原発再稼働へ5日にも閣僚会合】
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4閣僚の初回の会合であっさり再稼働を決めてしまったら反発を受けることを予想した野田首相は、「自らが主導して安全基準を厳しくするのだ」というアピールをしておいて、次の会合では予定通り再稼働を断行する、そういう段取りなのでしょう。
【再稼働について判断するための暫定的な安全基準】というのがたった1日でまとまるというのもひどい話です。先に紹介した読売の記事
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20120403-OYT1T00869.htm
の最後の一文「新たな基準は、一連の対策をわかりやすく整理して示すものとみられる。再稼働に向け、ハードルが高くなることにはならない見通しだ」というのは、単なる読売新聞の願望で終わると願っていましたが、本当のことになりそうで憤りを覚えます。