斎藤元彦兵庫県知事と代理人の奥見司弁護士の説明が破綻。斎藤知事への請求書にSNSについての記載がないことでは、折田楓社長が斎藤氏のSNS戦略を「主体的・裁量的に企画作成」していなかったことにはできない
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本日2024年11月27日に斎藤元彦兵庫県知事の定例記者会見が行われ、その直後に、斎藤知事の代理人弁護士である奥見司弁護士が記者会見を行い、それぞれ公職選挙法違反の疑惑について説明を行ないました。
知らんわ~、奥見先生。
この顔で私より年下というのにはショックを受けましたが(笑)、企業法務系なので私とは縁が薄かった神戸きらめき法律事務所についてはちょっち恥ずかし事務所名やなあと思った印象はありますが、20年間も兵庫県弁護士会にいて奥見司先生と会ったこともうわさを聞いたこともありません。
事務所の弁護士紹介を拝見すると、1968年生まれで1991年に早稲田大学を23歳でご卒業後、15年後の2006年に当時私が教えていた関学ロースクールのライバル校である関大ロースクールを38歳でご卒業され、39歳だった2007年にまずお父様の奥見法律事務所に入所して、その11年後の2018年に神戸きらめき法律事務所に50歳で入所ということなので、司法試験や弁護士業についてはかなりの苦労人と思われます。
それにしても、なんで神戸きらめき法律事務所のボスじゃなくて、事務所に途中参加の奥見さんが仮にも県知事である斎藤氏の代理人弁護士になったんでしょうね。
(あの悪名高いアディーレ法律事務所に在籍していた経歴があるといううわさもあるのですが、弁護士紹介には記載されていませんでした)
【#斎藤元彦公選法違反】斎藤元彦兵庫県知事に公職選挙法違反(買収等)の疑惑が浮上。有罪となれば公民権停止。この疑惑は地元コンサル会社社長折田楓氏の承認欲求以上に斎藤知事の遵法精神の欠如を証明している。
さて、本件では折田楓氏の会社と斎藤知事との間の契約書はないそうで、奥見弁護士は記者会見でPR会社から斎藤知事の後援会に届いた請求書や、後援会が振り込んだ明細書のコピーを報道陣に公開し、法律で認められているポスター制作などの費用としての支払いだったと説明しました。
この請求書には
▽公約のスライド制作が30万円
▽チラシのデザイン制作が15万円
▽メインビジュアルの企画・制作が10万円
▽ポスターデザイン制作が5万円
▽選挙公報デザイン制作が5万円
と内訳が記載されていて、確かにSNSのことは書いていません。
しかし、契約書は出せず、この請求書や明細書を出したことがこれから見るように実は裏目に出ているのです。
日本政界の仇花、NHK党の立花孝志党首が本格的に開花宣言しないうちにどう逮捕するか。兵庫県知事に返り咲いた斎藤元彦氏をどう追い詰めて職員2人の自死の責任を取らせるか。
なぜなら、実際には客観的証拠があり、折田氏が斎藤知事の写真や動画を撮りまくっていたことは確認されています。
それは選挙の最終日まで続いていて、これが斎藤知事当選のための選挙運動のSNS素材を作っていたことは明らかです。
ですから、折田氏が斎藤知事の選挙運動のSNS部分に参画していないと強弁するのは最初から無理なのであって、これは斎藤・奥見両氏の弁護方針は根本的に誤っていると言わざるを得ないのです。
だから、請求書や明細書が後付けで作られたのではないかという疑惑さえ生じます。
そうしたらまた証拠隠滅罪や偽造の罪の疑惑まで生じかねません。
さらに、折田社長のnoteには
「とある日、株式会社merchuのオフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした」
という書き出しで
「政党や支持母体などの支援ゼロで本当にお一人から始められた今回の知事選では、新たな広報戦略の策定、中でも、SNSなどのデジタルツールの戦略的な活用が必須でした。
兵庫県庁での複数の会議に広報PRの有識者として出席しているため、元々斎藤さんとは面識がありましたが、まさか本当に弊社オフィスにお越しくださるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。」
「ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました。」
と折田氏は書いてしまっており、しかもこのnote記事では
『merchuオフィスで「#さいとう元知事がんばれ」大作戦を提案中』
というキャプションとともに、斎藤氏が折田氏のオフィスで会議をおこなっている写真も掲載しています。
また、このとき斎藤知事に提案したという「兵庫県知事選挙に向けた広報戦略のご提案 #さいとう元知事がんばれ」という資料の一部も公開しています。
これでは折田氏の説明がいくら「承認欲求」のたまものだと言い逃れしようとしても、折田氏のオフィスで斎藤知事が折田氏らからSNS戦略のプレゼンを受けて選挙戦略を説明をされていた事実は、これまた客観的証拠で裏付けられているのです。
そもそも、総務省が公開している、ネット選挙運動の解禁に際して「インターネット選挙運動等に関する各党協議会」が改正法の解釈や適用関係などを整理したガイドラインでは、
「業者(業者の社員)に、選挙運動用ウェブサイトや選挙運動用電子メールに掲載する文案を主体的に企画作成させる場合、報酬を支払うことは買収となるか」
という問いに対し、以下のような回答がなされています。
答え:
1 一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行っており、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払は買収となるおそれが高いものと考えられる。
2 なお、選挙運動に関していわゆるコンサルタント業者から助言を受ける場合も、一般論としては、当該業者が選挙運動に関する助言の内容を主体的・裁量的に企画作成している場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払は買収となるおそれが高いものと考えられる。
つまり、業者が主体的・裁量的に選挙運動にかんする企画の立案・作成をした場合、業者は選挙運動員とみなされ、報酬を支払うと買収になるおそれがある、というわけです。
そして、この主体的・裁量的という言葉を斎藤キッズが誤解して解釈しているのですが、主体的というのは「主役」という意味ではないですからね。
斎藤陣営から指示されたことを折田氏とそのスタッフが機械的にやっているだけだと主体性はありませんし、裁量権もありません。
しかし、斎藤知事らから指示されたことをそのままやるだけではなく、折田社長とスタッフ側に裁量の余地があり、自分たちの考えで動ける部分があればそれはもう主体的・裁量的と言えるのです。
つまり逆に言うと、斎藤陣営も折田氏の会社もどちらも主体的であり裁量権があるという場合はありうるのであって、主従の関係はあってもむしろそれが普通で、どちらが主体かという二者択一ではないのです。
こんなのが全部折田社長のnoteに載っている。
なお、アホのひろゆきが自分のYouTubeの動画で
「僕の予想だと斎藤さんは、公職選挙法違反として、当選が総務省によって否定されることはありません」
「総務省の職員が“知事じゃなくする”という判断をする方がヤバいんですよね。社会が混乱したときに“そこまで総務省は権限があるのか?”って話になっちゃうんですよ」
「裁判所の判断だったら従いましょうってなるんですけど。今から裁判をやって、最高裁までやったら3年ぐらいかかると思うんですよ。それでもし当選取り消しにしたとすると、知事じゃない人が判断していたことって、どう扱えばいいのかややこしいんですよね。裁判官ですら難しいものを、総務省の職員が責任を取れないと思うんですよ」
と話したそうなんですが、裁判に関するど素人もいいところの弁護で、これほど的外れだと間違っているのではなくわざとではないかと思います。
広告代理店の代表の女性が喜び勇んで斎藤知事の選挙戦略の話をネットにあげた結果、公職選挙法違反の恐れが出てきた。
— ひろゆき (@hirox246) November 22, 2024
『やる気のある無能な味方は今すぐ殺せ』という格言の出番の多い選挙ですなぁ。
>斎藤知事のSNS選挙「広告会社に金銭支払い」https://t.co/2X3DufafZz
ここまでは合ってたのに。
つまり、総務省の前記ホームページは選挙に関する管轄官庁として、公職選挙法のネット広告規制について立法者の意思・解釈を示しているだけで、それ以上のものではありません。
もちろん裁判所の判断は総務省の説明とは独立して行なわれるのは当然で、総務省の職員が責任を取るわけもありませんが、裁判所の判断の大きな根拠となるのが立法趣旨、つまり法案を提出した総務省の解釈であることもまた当然です。
現に柿沢未途元衆院議員と木村弥生前江東区長が有罪になった公職選挙法違反事件も以上の解釈で判決が出されているのですから、既に判例の基準は確立しています。
そして、柿沢・木村両被告人への判決は選挙から1年半で確定しています。
東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件。自民党の柿沢未途・前法務副大臣が「区長選では木村さんをよろしく」と江東区議選候補者に現金配布。東京地検特捜部が一斉事情聴取に着手。河井夫妻買収事件ふたたび。
さて、折田社長は斎藤知事からの依頼を受けた経緯についてnoteに
「当時、世の中は100%の反斎藤ムード。
一方、少数ではあるものの、Xなどで斎藤さんを応援する声がチラホラ出初めておりました。
プロフィール撮影やコピー・メインビジュアルの作成が完了したタイミングで、【公式】さいとう元彦応援アカウントを立ち上げ、ご本人のSNSアカウントとは別に、応援したい人が集えるハブとして運用を開始しました。」
「斎藤陣営が公式として運用していたのは、以下のX本人アカウント、X公式応援アカウント、Instagram本人アカウント、YouTubeです。
(中略)私のキャパシティとしても期間中全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修できるアカウント数はこの4つが限界でした。」
という4つのSNSの管理・監修を折田氏とそのスタッフがしていたと明記しています。
これを斎藤知事と奥見弁護士が彼らはボランティアだったのだと説明したのも悪手で、そしたらこんどはこれも公職選挙法違反である折田氏らから斎藤陣営への「寄附」になってしまいます。
このように、奥見司弁護士が本日の記者会見で提示した請求書や明細書の記載に関わらず、これだけの客観的証拠があると、斎藤知事と奥見弁護士が折田氏らがこのような「主体的・裁量的」な選挙運動の企画立案をしていたことを否定するのは非常に困難です。
斎藤知事側がこんな反論しかできないのであれば、兵庫県議会は粛々と新たな百条委員会を設けて、斎藤知事の公職選挙法違反事件についても調査を開始すべきです。
まあ、その前にすでに設置されている百条委員会で、公益通報者保護法違反と阪神・オリックス優勝パレード背任疑惑についてついに扱われると、それだけで斎藤氏が木っ端みじんになる可能性も十分ですが。
斎藤元彦氏の兵庫県知事再選を受けて、吉村洋文大阪府知事が百条委員会について「兵庫県議会がどうするのかが問題になる。継続する正当性はあるのか。」と恫喝!むしろ今こそ斎藤氏の疑惑全ての真相究明が必要だ。
参考記事
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
兵庫県警が兵庫県知事選挙の選挙違反の情報収集のために兵庫県警選挙違反通報窓口を設けた。
kojitakenの日記さんより
斎藤元彦と折田楓、玉木雄一郎と小泉みゆき、柿沢未途と木村弥生。東西でお騒がせの3組の男女
リテラ
公選法違反疑惑浮上の斎藤知事「SNS戦略の企画立案は依頼していない」の言い訳は通用するか? 削除されたPR会社社長の投稿を検証
郷原信郎弁護士
斉藤知事「SNS運用はボランティア」説明の破綻、結末は猪瀬東京都知事5000万円問題と同様か
編集後記
兵庫県知事選挙における戦略的広報:
— 折田 楓 (@kaede_merchu) November 20, 2024
「#さいとう元知事がんばれ」を
「#さいとう元彦知事がんばれ」にhttps://t.co/TbDndmMSt6
ここ1ヶ月半すごい経験をさせていただいたので
noteの記事にまとめて残すことにしました。
奥見弁護士と同じ同業者として非常にまずいと思うのは、折田社長が自分のnoteの一部を削除して大半を残すという対処をしたことです。
普通はこんなヤバいnoteは全部公開を停止にしたらよかったんですよ。
それを折田社長が一部だけ削除したり訂正したりしたので、斎藤側がどこが法律的にヤバいと考えているか丸わかりになってしまいました。
そして削除や訂正の指示は法律的な判断ですから、斎藤知事の代理人弁護士が指示を出したと考えるのが普通です。
そうなると斎藤知事側の弁護方針は経験の乏しい弁護士がしくじった感がありありとあり、で、まさにダウンタウン松本の訴え取り下げそっくりの惨状になっていると言えるでしょう。
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兵庫県の斎藤知事は、知事選挙での陣営のSNS運用に関して、PR会社の代表がウェブサイトに投稿した内容をめぐり、公職選挙法などに違反しているのではないかという指摘が出ていることについて、27日の記者会見で、法律に違反する行為はないという認識を重ねて示しました。
記事後半では斎藤知事と、代理人弁護士の記者会見での主な発言を動画でも、お伝えしています。
斎藤知事 再選後 初の会見で違法性を重ねて否定
兵庫県知事選挙で再選した斎藤知事の陣営のSNS運用について、兵庫県西宮市のPR会社の代表が、戦略の立案を行ったなどとウェブサイトに投稿した記事の内容をめぐり、公職選挙法などに違反しているのではないかとの指摘が出ています。
これについて、斎藤知事は再選後に初めて行った27日の定例会見で「県民に心配をかけ、お騒がせしていることは大変申し訳ない。今回の選挙戦については法律に違反するようなことはないと認識している」と述べ、違法性を否定する認識を重ねて示しました。
また、PR会社の代表が投稿した内容について「事前に私は一切見ていないし、そういった発信をするということも聞いていない。内容自体も一切確認しておらず、発信されたあとに知った」と述べました。そして「われわれとしては選挙戦は適法にやってきたという認識で、ああいった文章がつくられたことは、事前に聞いていなかったので、そこに対する若干の戸惑いはある」と述べました。
さらに「PR会社にお願いしたのはポスター制作を含めた70万円の対価の支払いに伴う業務だけだ。それ以外は会社代表などが個人でボランティアとして対応してもらったと認識している。70万円の支払いは正当で適法だと認識している」と述べました。
そのうえで、詳しい経緯や適法とする理由などの説明については「代理人の弁護士に対応を一任しているので、その会見で確認してほしい」と述べました。
代理人弁護士も会見 “PR会社の投稿は事実と違う”
斎藤知事の代理人を務める奥見司弁護士が27日午後4時半から神戸市で記者会見を開きました。この中で、弁護士は「PR会社にSNS戦略を依頼したことや広報全般を任せたということはなく、事実ではない部分が記載されている。特に『広報全般を任せてもらった』という部分は全く事実ではないと考えている。『盛っている』というように認識している」と述べました。
その上で「PR会社の代表らは斎藤氏の考えに賛同し、公式応援アカウントの取得や記載事項のチェック、街頭演説会場などにおける動画の撮影、アップロードなど、応援活動をしていた。PR会社としての活動ではなくボランティアの一員としてなされたもので、報酬の支払いの事実も約束もない」と述べ、公職選挙法などには違反していないという認識を示しました。
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専門家 “代理人弁護士 きちんと説明する必要がある”
斎藤知事の代理人弁護士の記者会見について、公職選挙法に詳しい一橋大学大学院法学研究科の只野雅人教授は「説明が事実であれば公職選挙法に触れる可能性は低いが、PR会社の代表の記事のどの点が事実と違うのか、きちんと説明する必要がある」と指摘しています。
まず、PR会社の代表がウェブサイトに投稿した記事について、只野教授は「大変驚いた。仮に、知事側から指示を受けるのではなく、PR会社が主体的に選挙運動に関わっていて、かつ、報酬が支払われていた場合なら、公職選挙法の買収に触れる可能性がある。また、社員に給料を支払う形で勤務時間に選挙運動が行われていれば、こちらも買収の問題が生じる可能性がある」と指摘しています。
一方、斎藤知事の代理人弁護士が「社長はボランティアとして選挙を手伝っており、報酬は受け取っていない」とか「記事には事実でない部分が記載されている」などとして違法性を否定したことについて、只野教授は「弁護士の説明が事実であれば、公職選挙法に触れる可能性は低いと言える。しかし、記事を読むと社長が選挙運動にかなり深く関わっているように見えるので、事実と違うというのであれば、どの点が違うのかをきちんと説明する必要がある」と指摘しています。
また、政治家の選挙活動を支援する「選挙コンサル」と呼ばれる業者の存在について「具体的に何をしているのか、今回の記事で初めて知った。現代では通常の政治活動の段階からSNSを使ったPRは非常に重要だが、こうした業者の位置づけを正面から規定した法律はないと思う」と話しています。その上で「こうした業者が選挙運動に関わると、公職選挙法の買収の規制が非常に厳しくなってくる。たとえば『選挙コンサル』のような活動を認めた上で、一定程度の支出を認めるなどの対応も考えられると思う。現行法を前提とした上で、どこで一線を引くのか、法解釈を整理する作業も必要になる」と指摘しています。
==斎藤知事【会見 主な発言を動画で】==
【動画】「公職選挙法に違反するようなことはないと認識」
兵庫県知事選挙で再選した斎藤知事の陣営のSNS運用に関して、PR会社の代表がウェブサイトに投稿した内容をめぐって、公職選挙法に違反しているのではないかとの指摘が出ていることについて、斎藤知事は27日の記者会見で「選挙戦については公職選挙法に違反するようなことはないと認識している」と述べ、違法性を否定する認識を重ねて示しました。
また、詳細については「代理人弁護士が一元的に整理して対応することが大事だと思う。代理人に対応をお願いしているので、そこで事実関係、法令の対応も含めて説明したい」と述べました。斎藤知事の代理人弁護士はこのあと、午後4時半から会見を開くことになっています。
【動画】PR会社代表の投稿「事前に一切見ていない」
【動画】「適法な支払いだった」
これについて斎藤知事は「公職選挙法に抵触することはしていない。PR会社に対してはポスター制作費などとして70万円余りを支払っただけで、適法な支払いだった」と述べ、PR会社への報酬は買収にあたらず公職選挙法に違反していないという認識を示しました。
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《解説》斎藤知事の発言 ポイントは
Q.改めて陣営のSNSの運用をめぐり何が問題になっているのか?
三石泰行デスク
「齋藤知事の選挙戦で大きな役割を果たしたとされる陣営のSNS運用が、公職選挙法違反にあたるのではないかと指摘を受けています。発端になったのが、兵庫県内のPR会社の代表がWEBに投稿した記事です。『広報全般をまかされ』『SNSの戦略立案や運用を担った』という内容を、資料をつけて詳細につづっていました。記事が事実かどうかはわかりませんが、こういった選挙の内幕を当事者が明らかにするのは珍しく、ネット上などでも反響が広がったんです。公職選挙法は、ネットの選挙運動の対価に報酬を支払うことが『買収』にあたるとして、禁じています。PR会社代表の記事を読んだ人が、報酬をもらって選挙運動をしていたのではないかと指摘し、県の選挙管理委員会にも同様の指摘が相次ぐなどしました」
Q.知事の発言のポイント。新たに明らかにしたことは?
三石泰行デスク
「知事はこれまでも法律違反には当たらないと話していて、きょうも同様の認識を繰り返しました。また、今回の会見では記事の投稿について事前に知っていたかと問われたのに対し、齋藤知事は『一切聞いていませんでした』と答えました。27日は知事の代理人弁護士も会見を開く予定で、知事の陣営とPR会社の契約の内容など、詳細がどこまで明らかになるかが注目されます」
==知事 代理人弁護士の会見【詳しく】==
斎藤知事の代理人弁護士が午後4時半から記者会見を行っています。
後援会が振り込んだ明細書のコピー 報道陣に公開
代理人弁護士は、PR会社から斎藤知事の後援会に届いた請求書や、後援会が振り込んだ明細書のコピーを報道陣に公開し、法律で認められているポスター制作などの費用としての支払いだったことを改めて説明しました。
請求書には
▽公約のスライド制作が30万円
▽チラシのデザイン制作が15万円
▽メインビジュアルの企画・制作が10万円
▽ポスターデザイン制作が5万円
▽選挙公報デザイン制作が5万円
と内訳が記載されています。
振り込み明細書の振込依頼人は斎藤元彦後援会となっていて、消費税を含めてあわせて71万5000円を今月4日に支払ったとしています。代理人弁護士は、これらの書類を示した上で、改めて、法律で認められているポスター制作などの費用としての支払いだったと説明しました。
【動画】「対価支払うこと認められている内容 買収にあたらず」
これについて斎藤知事の代理人の弁護士は「PR会社との契約内容はチラシやポスターのデザイン制作などであり、いずれも政治活動や立候補の準備行為として対価を支払うことが認められている内容で、買収にあたらない。PR会社の代表による選挙期間中の活動すべてを確認していないが、仮に選挙運動に該当する行為があったとしても、ボランティア、選挙運動員としての行動で、報酬支払いの事実も約束もなく、公職選挙法で禁止されている買収にはあたらない」と述べました。
【動画】PR会社の投稿「『盛っている』と認識」
知事とPR会社代表が知り合い仕事依頼した経緯
知事とPR会社の代表が知り合って仕事を依頼した経緯については「支援者から会うよう勧められ、斎藤氏は9月29日にPR会社を訪れて代表夫妻に面会し、ポスターやチラシのデザインの制作などのほか、SNSの利用について説明を受けた。翌日以降、PR会社からポスターデザイン制作のほかにYouTubeの動画撮影などの項目が含まれた見積書をもらった」と説明しました。
この提案に対し斎藤氏サイドが依頼したのは請求書に記載された5項目で、公約スライドの制作、選挙に最低限必要と考えられた選挙ポスター、チラシ、選挙公報のデザインに絞って依頼したということで「当時は資金のめどがたっていない状況であったことも理由だと聞いている。ウェブサイトに投稿した記事に記載されているSNS戦略を依頼したことや広報全般を任せたということは事実ではない」と述べました。
その上で「代表夫妻は斎藤氏の考えに賛同し、公式応援アカウントの取得や記載事項のチェック、街頭演説会場などにおける動画の撮影、アップロードなど、応援活動をしていた。これらは斎藤氏の同級生やそのほかの選挙スタッフとも話し合って行われている。PR会社としての活動ではなく選挙のボランティアの一員としてなされたもので、報酬の支払いの事実も報酬支払いの約束もありません」と説明しました。
【動画】「政治資金規正法に違反せず」
【動画】PR会社“公選法の寄付にはあたらず”
無償で選挙運動に関わった場合は、その分の働きが寄付とみなされ、問題があるのではないかとの指摘については「PR会社と兵庫県の間には選挙期間中、請負契約や特別の利益を伴う契約はないと報告を受けている。代表は現在も兵庫県の委員を務めているが、委員会との関係は委任契約であり、請負契約ではない。特別の利益というのは契約そのものの規模が大きいことや利益率が高い契約をいい、代表と県との委任契約が特別な利益を伴う契約と評価することはできない。このためPR会社の代表は特別の利益を伴う契約の当事者には該当しない」と述べ、違法性はないとの認識を示しました。
知事側とPR会社代表の認識「そごはあると思う」
PR会社の代表がウェブサイトに投稿した記事について「活動内容をボランティアではなく、仕事として請け負ったように記載されているが、知事側と認識のそごがあるのか」と問われると、代理人弁護士は「そごはあると思います。斎藤知事の陣営からすると代表にはあくまで個人として動いていただいたと認識している。認識の違いの理由については、PR会社または代表に聞いていただきたい」と述べました。
記事では、選挙を終えた感想として「質・量・スピード全てが求められ、食べる暇も寝る暇もない程でした」としたうえで「そのような仕事を東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです」と記されていました。
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《解説》代理人弁護士の発言 ポイントは
三石泰行デスク
「今回の問題はPR会社の代表が『広報全般をまかされた』とか『SNSの運営を担った』といった内容の記事をWEBで公開し、報酬を受け取って選挙運動をしているなら公職選挙法違反にあたるのではないかと指摘されたのが発端でした。知事や弁護士はこれまでも法的に問題はないと説明してきましたが、今回改めて経緯も含め説明した印象です。
知事は9月の末に支援者に連れられてこのPR会社を訪れ、選挙戦への支援について話を聞いたと説明しています。その上で依頼したのは公約スライドや選挙ポスターチラシといった成果物の制作で、いずれも選挙準備といった法に触れない支出だとしました。
一方、代表は県の委員に就任していますが、これは請負契約や特別な利益を伴う契約ではなく、代表がボランティアという形で無償で労務を提供していても、違法な寄付にはならないと指摘しました。いずれにしても違法性はないということを改めて強調した会見だったと思います」
【詳しくはこちら】兵庫 斎藤知事 知事選で支援のPR会社への支払い内訳明らかに
午前中 斎藤知事 違法性否定の認識重ねて示す
兵庫県知事選挙で再選した斎藤知事の陣営のSNS運用について兵庫県西宮市のPR会社の代表が、戦略の立案を行ったなどとウェブサイトに投稿したことをめぐり、選挙運動の対価として報酬を支払うことを禁止した公職選挙法に違反しているのではないかとの指摘が出ています。
これについて斎藤知事の代理人の弁護士は、27日午後4時半から記者会見を開き、事実関係などについて説明することになりました。
斎藤知事は、27日午前、県庁で記者団に対し「今回の問題については、法令の問題とか、選挙全体の事実関係などの確認があるため、基本的に政務なので弁護士に対応をお願いするということになっている。まずは弁護士から今回の問題について説明をしてもらう」と述べました。
その上で「SNSは1つの大事な対応だったが、やはり県民1人1人の力が大事だと思っているし、選挙戦自体も私と陣営で主体的にやっていたと思っている。法的にも問題ないと認識している」と述べ、違法性を否定する認識を重ねて示しました。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
明確なデマが存在するときに、それを正せる立場にいながら、それを放置するどころか、その状況を利用する。そのような人間が権力を握っているという状態を恐ろしいと思います。
PR会社の件でいえば、弁護士に一任して自らは口をつぐんでいる点、noteの記載が嘘なのであればPR会社に対して何らかの対応をするのが自然なのに何もしていない点を疑問に思います。やはり何かしらやましいところがあるのではないかと思ってしまいます。
しかし、斎藤氏が前回の選挙で当選したのは2021年7月18日です。首長に新人が当選した場合、就任前であっても当選直後からレクチャーは始まります。その時に地方創生戦略会議についても当然説明があるわけで、そこで折田氏を新たに委員にすることにしたとも考えられます。要は、なぜ折田楓氏が委員に任命されたのかということでしょう。
新たな疑惑は否定できないのです。
まあ、後付けの理由で「〇〇さんが紹介した」などという説明、言い訳が出てきそうですが。
橋下徹氏もその一人。
スポニチsponichi annex で「お金が流れたことよりも、折田氏が兵庫県の重要会議の委員になったままで、積極的な選挙運動をやったことの方が問題」と指摘したということですが、続けて「僕は府市の特別顧問に対して、選挙運動と誤解を受けるような発信は止めるように注意したし、加えて選挙間近になると特別顧問の契約もいったん解消した。私設秘書兼特別秘書の特別秘書の職もいったん解いた」と言っています。「いったん解いた」ということは、選挙期間が過ぎればまた特別顧問に就かせていた?
特別顧問を約束して選挙運動をさせていたということなら、当然買収でもあったということです。すでに時効でしょうが。
また、自身の選挙運動に従事した人物を、公金を使って回りに侍らせていたということは、行政の私物化ですね。