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(読売新聞 「プーチンなきロシアを」より)
原油価格高騰に伴う経済成長を背景に絶大な人気を得たプーチン体制。
2期8年で大統領が交替しなければならない憲法の権力抑制規定を潜脱し、メトベ-ジェフ氏が1期だけ大統領に就任してその間プーチン氏が首相にまわり、次回はまたプーチン大統領が誕生するというあざとい計画を立てています。
しかし、12月4日に行われたロシアの下院選挙は、ウラジミール・プーチン首相率いる与党「統一ロシア」が全土で49・5%の票を得たということになっています。しかし、前回2007年の下院選で獲得した315から70以上も議席を減らすことになりました。
ロシアの有力野党は共産党やジリノフスキー氏率いる極右政党などで、その政党自体が支持されたというよりも、統一ロシアへの不満の受け皿となったと言うことのようですが、それでも各野党は選挙のテレビ広告で、年金が少なく薬も買えない老夫婦や失業者の不満の声を伝え、与党を「官僚と金持ちの党」と批判して一定の支持を得ました。
(産経新聞 プーチン体制に倦怠感 事実上の惨敗より)
絶大と言われたプーチン人気凋落の兆しははっきりとあり、プーチン首相が11月20日、格闘技観戦後にリングに上がった際、激しいブーイングを浴びせられた映像は翌21日夜までに68万回再生されました。
ロシアのインターネット人口はまだ推計5100万人ですが、アラブの春でも威力を発揮したツイッター・SNSなどが今度の選挙でも相当な影響力を持ったようです。
このように統一ロシアは敗北したわけですが、これでも不正選挙のせいで辛うじて得られた議席のようです。「ソ連崩壊後で最も汚い選挙だ」と改革派のルイシコフ氏は批判しています。
「ユーチューブ」では、投票所の責任者が投票用紙を偽造したり、同じ有権者が複数の投票所で投票したり、投票前に選挙箱にあらかじめ統一ロシアと記された投票用紙を投票箱に詰める映像(汗)など、統一ロシアの選挙違反を証拠づける動画がアップされては削除されています。
朝日新聞 「ロシア不正選挙で調査要求」より
行政組織を通じた露骨な締め付けなど与党のなりふり構わぬ集票活動は従来 にも増して目に余る状況で、選挙不正を追及する非政府組織(NGO)が活動を妨害され独立系メディアのサイトがサイバー攻撃を受けたということです。
海外の資金で運営される非営利組織「ゴロス」は選挙前、一般市民らから寄せられた選挙違反の実例5500件以上を地図上で示していましたが、12月2日には政府系テレビ局が同組織を批判する番組を放映し、12月3日にはサイトを主宰する女性が入国時の空港で一時拘束され、米政府が批判する声明を出しました。
ロイター通信などによると、投票日の12月4日朝、ゴロスやモスクワのラジオ局「エホ・モスクブイ」など、政権に批判的なメディアのサイトが相次ぎ接続不能に陥りました。
下院選に派遣された欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は12月5日、選挙への政党登録の妨害、行政機関への統一ロシアへの集票強制、開票過程で票の水増しなどの不正操作多数の不正があったと発表しました。
これを受け、米国のクリントン国務長官は12月6日、「選挙の正当性に大いなる疑問がある」「ロシア国民は自分たちの声を(国に)届かせ、国民の前で弁解している権力者たちに国をしっかり統治させる権利がある」 と批判し、ロシア側に不正の調査を求めました。
(12月5日、モスクワで開かれた野党勢力の抗議集会に参加した人々(ロイター)より)
野党側が首都モスクワで、不正が行われたと抗議する集会を開こうとして警官隊ともみ合いとなり、野党支持者が拘束される騒ぎが3日連続で続いていますが、野党側の批判は収まる気配をみせていません。
モスクワ中心部の広場では、12月6日、プーチン首相を支持する与党の若者グループがプーチン氏を称える集会を開いたのに対して、プーチン氏を批判する野党側が、選挙で不正が行われたと抗議するため、同 じ広場で集会を開こうとしましたが、警察当局は許可がないとして、これを阻止してもみ合いとなりました。これ自体が権力の不公平を表しています。
この騒ぎで、警察当局はリベラル派野党「ヤブロコ」のミトロヒン代表や、別の野党幹部でエリツィン政権の第一副首相だったネムツォフ氏、それに支持者合わせて300人余りを拘束しました。
産経新聞 野党支持者200人超拘束より
ロシア経済は2008年の金融危機から回復が新興工業国中、最も遅れており、原油価格は高値で安定しましたが、物価は高騰し、貧富の差は拡大しました。
プーチン体制を批判するメディアは前述のように次々と弾圧を受け、マフィアに暗殺されるジャーナリストも続出しています。せっかく旧ソ連が崩壊したのに世界最大の独裁国家の一つになっています。
国際組織が最近公表した腐敗指数でロシアは百四十三位と世界で最低水準です。しかし、これまで反プーチンの運動は押さえつけられ続けてきました。
それが、今回の下院選挙の不正をきっかけにいよいよ公然と反プーチンの運動が起こったのです。
国家全体がロシアン・マフィアとも言えるロシアの根深い病巣である汚職を放置したままでは、資源依存型経済から脱却し、競争力のある産業を育成する経済近代化は不可能です。汚職撲滅を唱えるプーチン時代、治安関係者を中心に官僚制は肥大化し、腐敗悪化に拍車がかかっているのです。
(12月6日夜、モスクワ中心部の広場で警察に拘束される男性(AP)より)
2002年10月に発生したモスクワ劇場占拠事件では、特殊部隊突入の前に使用された有毒ガスのせいで、一般市民の人質700人余りのうち100人以上が死亡した!とされています。
チェチェンへの介入の仕方などを見ても分かるように、ロシアほど人命軽視の国はありません。
新しい『ツァー』(皇帝)とまで呼ばれたプーチン体制に反旗を翻す運動が公然と行われ始めたことは素晴らしいことですが、 今回の反プーチンはまさに命がけの運動です。
シリアのような市民が虐殺される血みどろの闘いにならないように、日本も欧米各国と積極的に働きかけていくべきです。
(オレは元KGBだ!)
(ひよこ危うし!)
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んーと、プーチンについて、金融家について調べてみては?
だいたい、独裁制は悪くないでしょう。リビアのカダフィは、豊潤な石油の存在があったからとはいえ、良い国家の成立を成功させました。
金融家(あなたの借りたお金は、結局はなんの担保もありません。銀行は、ない金を貸しています)の征服を邪魔するものは、必ず悪く言われます。もっと大きな観点で世界を見てみては?
あと、ご存知なければ、言う意味があるのですが、去年12月16日の衆議院選挙は不正選挙でした。通常それは行われていたようですが、今回はかなり大規模であったため、騒ぎになっています。
この記事ですが、プーチンはむしろ、投票所に監視カメラをつけて公正な選挙をしているのですが。アメリカ流の工作のやり方をご存知ないのか・・・?