これからもぜひ一日一回、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!!!
連合の芳野会長がおかしい。
今回、私の方から青山学院大学の白井邦彦経済学部教授(ご専門は「社会経済学・社会経済学視点からの労働経済論」)に特別にお願いして、労働者側に立つ労働経済学者から見て、今の連合と芳野会長の言動がどうおかしいのかについて書いていただきました。
さっそくじっくりお読みください。
なお、文中のグラフ以外の画像は例によって宮武が挿入しました。
白井先生のこれまでの特別寄稿
特別寄稿!白井邦彦教授(青山学院大学経済学部)『緊急事態宣言-「国による大規模な各種補償措置の実施」と「公立公的病院・病床削減促進施策の全面白紙撤廃」と必ずセットで』
「ウクライナ戦争・即時停戦を-多数の死傷者が出続けることには耐えられない」白井邦彦青山学院大学経済学部教授の特別寄稿。
芳野友子連合会長の言動への疑問ー自公政治継続・改憲の容認でいいのか?ー
- はじめに
参議院選挙の投票が迫っています。この選挙で改憲勢力(自公維国N党)が参議院でも3分の2議席以上を占めると9条自衛隊明記・緊急事態宣言創設などの改憲への流れが完全に具体化するでしょう。
【#憲法変えるな政権代えよう】 憲法9条に自衛隊を書き込むことの危険性。真正面から合憲な存在になった自衛隊の軍拡、海外派兵、集団的自衛権の行使はもはや歯止めが利かなくなくなる。
【自民党改憲案の危険性】自民党のたたき台素案(2018)の緊急事態条項は、大日本帝国憲法の天皇大権の一つ「緊急勅令」そっくりだ。狙いは一つ、市民の基本的人権の抑圧!
さらに市民生活は現在物価高・賃金の長期的低落傾向・非正規雇用の拡大による雇用の不安定化などにより危機的状況にあります。自公政権が続く限りその状況はさらに悪化することはあってもよくなることはないでしょう。
自公政権の継続は改憲・市民生活の悪化という結果をもたらすと思われますから、自公政権の転換(ただし維新が入る政権への転換は除く)が強く求められています。そのためには選挙で自公候補(以下維新も含む)の議席をひとつでも減らすことが必要となります。
参議院の地方区は大都市圏を除きほとんどが改選議席1の小選挙区です。そこで護憲野党が議席を得るためには候補者を一本化し共産党・市民団体を含めての選挙協力が必要であることは明白です。しかし芳野友子連合会長は就任以来それに反対し続けています。ここではその問題について述べたいと思います。
- 芳野友子連合会長への連合内部でひろがる当惑と出始めた退場論
芳野友子会長は就任以来共産党を含む護憲野党の共闘に反対し、共産党とその共闘を
求めるような市民団体とは絶対相いれない、と発言し続けています(なお3、で後述するように、排除の対象はそれらに限らず、政府や企業とは独立して行動する組合も含んでいると思われます)。このように2つの反共主義(反共・反共闘)を露骨に示す一方、反対に自民党に対しては接近し続けています。
【民主党政権時代も含めて史上初】連合の新年会に岸田首相と松野官房長官がそろって出席。権力におもねり、反共攻撃に終始して野党を分断する連合に労働組合のナショナルセンターを名乗る資格はない。
連合の芳野会長が「自民党との連携は全くない」と否定した夜に、小渕自民党組織運動本部長と極秘会談。労働者の権利よりも反共を優先して「資本」にすり寄る裏切り体質の連合は解体すべきだ。
そうした言動に対しては実は現在連合内部でも当惑が広がり、退場論が広がっています。そうした点を詳細に紹介しているのが下記の要・早川両氏の論考です。
要宏輝「連合に鳴り響くのは弔鐘か、女性会長が突進する『ガラスの岸壁』」(『現代の理論』29号、22年2月)
http://gendainoriron.jp/vol.29/rostrum/kaname.php
早川行雄「芳野友子新体制で危機にたつ連合-会長の器ではない、速やかな交代を」(『現代の理論』30号、22年5月)
http://gendainoriron.jp/vol.30/feature/hayakawa.php
要氏は元連合大阪副会長、そして早川氏は芳野氏の出身産別であるJAMの元副書記長です。そうした方々からも芳野氏の就任以来の言動に対してこのようにだれにでも閲覧できる記事で批判、さらに退場論がでています。それが何を意味するか、芳野連合会長への疑問や批判がいかに強いか、を端的に示している、と思います。
労働組合は「労働者が主体となって労働条件の維持改善、その他経済的地位の向上を行うことを主たる目的」として組織された団体です。政治的見解を同じくする人たちの政治団体ではありません。主たる目的は「労働条件の維持改善、その他経済的地位の向上」です。経営者と労働者の力関係を比較すれば、1対1では労働者は全くかないません。そこで労働者はその数の力で経営者と対等な立場を確保して、労働条件などの維持改善をおこなっていく、そのための組織が労働組合です。
ただ労働条件の維持改善などは、一企業内では当然限界があります。また労働者の経済的地位の向上を図るための政策実現も必要です。そのために政治との関係を無視することができない、労働組合は政治との関係をもたざるをえなくなります。組合目的の実現のために各政党とパイプをもつことが求められます。ただそれは組合の目的から「労働条件の維持改善・労働者の経済的地位の向上」を図る手段として、です。
自公政権と接近すること、選挙で野党共闘を壊し共産党・市民団体を排除すること、が「労働条件の維持改善・労働者の経済的の向上」のために有効なことなのでしょうか?自公とのパイプを太くし、共産党、それとの共闘を求める市民団体とは一切関係をもたない、ということが組合目的にとって有効なことなのでしょうか?自公政権が続き、護憲野党が議席を減らしてしまうことが、組合の本来の目的に沿うことなのでしょうか?
要・早川両氏の前記の論考はそうした労働組合の原点を押さえつつ、生身の実態に基づき具体的に批判を展開しているものかと思います。
- 「自由にして民主的な労働組合」とは何か?
芳野会長が共産党・それとの共闘を求める市民団体とは全く相いれない、というとき持ち出す言葉として「自由にして民主的な労働組合」ということがあります。「私たちの組合は『自由にして民主的な労働組合』であり、共産党などはそれを否定しているから共闘はできない」という理屈です。
では「自由にして民主的な労働組合」とはいかなる組合なのでしょうか。その言葉からは「政府や企業とは独立して、組合内部では執行部批判も含め自由な意思表明が保障されそれに基づき運営されており、そのうえで労働者の労働条件改善を求める要求に対応して団結し行動している組合」ということと理解するのが普通でしょう。しかし連合加盟の組合、特に率直にいうとユニオンショップ協定で組合員が自動的に確保される民間大手企業の労働組合は実際どうでしょうか。その内実に関して書き始めるときりがありませんが、前記の要・早川両氏(連合内部の役員経験者でその内実を実体験している)の記述から民間大手企業の労組がそれとは程遠いところにあるのは否定できない事実と思います。
芳野氏のいう「自由にして民主的な労働組合」とはいったいどういう組合を指しているのでしょうか、そして連合加盟の組合、特に民間大手企業の労組はそれに適合しているという認識なのでしょうか?そうであれば、それらの点について具体的に説明してほしい、と思います。
芳野氏の言動からは、「自由にして民主的な労働組合」とは、政府や企業と距離を近くして、反対に政府や企業から独立し、労働条件の維持改善のために行動する組合や組織とは距離をとり絶対に共闘しない組合、のことを指しているのではないか、と考えざるをえません。
先に「排除の対象は共産党・市民団体だけでなく政府・企業とは独立して行動する組合も含むと思われる」としたのはこのためです。
もちろんどんな労働組合であっても労働組合の目的がそれによって実現されているならいいのではないか、という見方もできます。実際のところどうでしょうか。
例えば下記のグラフをみてください。
連合がOECD統計から推計作成したもので(出所は連合の『22年春季生活闘争』22年1月27日)、上の図は97年の各国の年間実質賃金の平均額を100として、その推移をみたもの、下の図は購買力平価換算での00年以来の各国の賃金額の推移をみたものです。
両図をみたらわかるように、日本は長期にわたり賃金は全く上昇していない先進国の唯一の国です。現在日本はかつて言われた「高賃金」国ではなく、先進国では最も賃金が低い国となってしまいました。なぜでしょうか。
グローバリゼーションの進展や新自由主義的構造改革のため、ではではなぜその他の主要先進国の賃金は上昇傾向にあるのか、が説明できません。この間グローバリゼーションや新自由主義的改革は各国で進んだからです。
その仮説的解答を示しているのが、山家元神戸大学教授の『日本経済30年史』(岩波新書 19年)の、189~191ページの記述です(この見解については前記の要論文にも記載されています)。
そこでは労働組合の組織形態、すなわち「産業別組合」ではなく「企業内組合」となっていることに大きな原因が求められています。それに筆者なりに率直に付け加えさせていただくと、「労働組合が賃金の引上げなどに本気に取り組んでこなかったから」ではないでしょうか。
連合自体が作った資料からも「自由にして民主的な労働組合」が労働組合本来の目的を実は果たしてこなかったからではないか、と推測できるかと思います。
日本経済30年史: バブルからアベノミクスまで (岩波新書)
- 市民生活を守るために
市民の多くは雇用されています。それゆえその生活を守っていくためには、労働条件の維持改善が不可欠です。労働組合はその砦のはずです。労働組合は個々の経営者および経営者団体に対しては市民生活の改善を要求するとともに、政府に対してはそのための政策を求めていくことが必要です。
さらに市民生活の基本中の基本は命が危機にさらされないことです。9条自衛隊明記や緊急事態条項の創設などの改憲はそれとはまったく逆行します。
労働組合は現在何をすべきか、芳野連合会長の「2つの反共主義」に基づく言動では市民生活にとっていい結果とはならないどころか、市民生活を大変な危険にさらすことになります。
労働組合を名乗っている以上それでいいのでしょうか?
芳野会長には「なぜ2つの反共主義を徹底させれば市民生活が改善されるか」ぜひ具体的に伺いたく思います。その点どうなのでしょうか?
「2つの反共主義(反共・反共闘)を克服して、市民生活の改善を求める幅広い層との共闘で市民生活の基本である命を守り、市民生活の向上を図っていく」が連合には求められていることではないでしょうか。
連合には、そしてなによりも芳野会長自身によく考えてもらいたいと思います。いかがでしょうか?
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひご意見いただければ幸いです。
白井先生、お忙しい中、また猛暑でお疲れでしょうに、無理なお願いを聞いていただきありがとうございました!
読者の皆様、それぞれの思いでコメントもよろしくお願いいたしますm(__)m。
これからもぜひ一日一回、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!!!
連合・芳野会長が立憲と国民の合同演説に名古屋入りも…現場からは「迷惑だ」とブーイング
配信 日刊ゲンダイ
現場から不満が噴出している。連合の芳野友子会長は、28日、参院愛知選挙区(改選数4)から出馬している立憲候補と国民候補を応援するために名古屋入りする予定だ。ところが、地元からは「迷惑だ」とブーイングが上がっている。
連合・芳野会長は取り込まれたか…自民・麻生副総裁との異例の会食に疑問の声が噴出
芳野会長が弁士として駆けつけるのは、午後1時から名古屋駅前で行われる<立憲民主・国民民主・連合愛知>による3者合同の街頭演説会。本来、愛知県は野党の地盤だ。
前回2016年の参院選も、民進党(当時)の公認候補は2人とも当選している。しかし、今回は、立憲と国民に分裂した2人が、共に当選するのは難しくなっている。
合同演説会は、異例のスタイルで行われる。連合愛知によると、立憲候補と国民候補が、それぞれ自前の街宣車に乗って、自前のマイクを使って演説するという。合同演説会ならば、1台の街宣車に立憲、国民、芳野会長の3人が仲良く並ぶのが自然だが、立憲と国民は2台の街宣車にバラバラに乗り、芳野会長は、どちらか片方に乗るという。
「合同演説会という発想がおかしい」
“合同”なのにそれぞれが自前の街宣車で参加し…(左から、立憲民主の斎藤嘉隆、国民民主の伊藤孝恵両候補)/(C)日刊ゲンダイ
ある陣営の関係者がこう言う。
「6年前も議席を争ったが、2人は同じ政党の仲間でした。でも、今回は他党の対立候補として命懸けで戦っている。同じ街宣車に仲良く乗れるはずがありません。そもそも、合同演説会という発想がおかしい。一緒に演説しても票は増えませんよ。貴重な時間を集票効果の薄い合同演説会に割かれるのももったいない。
それでも、候補者は連合の要請を断れなかったのだと思う。どうせ、両党の支援組織である連合トップの芳野会長の“やっている感”を演出するための企画でしょう。スリーショットにしたかったのだと思う。もし、本気で2議席獲得を考えているなら、芳野会長は、トヨタの工場に行って『立憲、国民の2人とも当選させて欲しい』と組合員に頭を下げた方が、よほど効果がありますよ」
自民党の麻生副総裁と楽しく酒を酌み交わした芳野会長が現地に入って、どのくらい票が増えるのだろうか。
政権交代を目指してきたはずの連合がおかしい。夏の参院選が迫る中、立憲民主、国民民主両党への支援に力が入らず、むしろ自民党への接近が目立つ。約700万人を擁する労働組合のナショナルセンターは、どこに向かうのか。
「参院選まで自民党幹部との食事は控えてください」
今年3月、連合の芳野友子会長と自民党の麻生太郎副総裁の会食を受け、連合会長代行の松浦昭彦氏(UAゼンセン出身)、川本淳氏(自治労出身)が芳野氏と清水秀行事務局長(日教組出身)に苦言を呈した。
2月に芳野氏らが自民の小渕優子組織運動本部長らと会食した際にも両会長代行は自重を促したばかり。その後も清水氏らは自民党の二階俊博元幹事長と芳野氏の食事を計画したが、さすがに連合内の反対で実現しなか<picture></picture>
芳野氏の「自民シフト」に不満を持つ連合関係者は「誰もが初の女性会長を引きずり下ろす悪者になりたくない」と指摘したうえで「芳野氏はそれが分かっていて、好き勝手にやっている」と批判する。
連合は1989年、旧社会党系で官公労を中心とした総評と旧民社党系の民間労組を中心とした同盟が結集して発足した。政権交代可能な政治体制と「非自民、反共産勢力の結集」を掲げ、細川護熙政権誕生(93年)や旧民主党への政権交代(2009年)に大きな役割を果たしてきた。
だが、かつて50%以上あった労組全体の推定組織率は年々低下し、21年6月時点で16・9%。連合傘下の組合員はピーク時より100万人以上少ない約704万人で、全労働者の1割程度にとどまるなど、政治的な存在感は低下している。さらに連合は大企業の正社員が傘下組合員の大半を占め、非正規やパート労働者は1割あまりとみられる。ネットを中心に「労働貴族」「上級国民の集まり」などと皮肉られることも多い。
そんな中、21年10月任期満了の神津里季生前会長の後任人事は、本命だった相原康伸前事務局長(全トヨタ労連出身)を自動車総連が推薦しなかったことで難航した。連合の役員推薦委員会は、UAゼンセン会長の松浦氏や運輸労連の難波淳介委員長にも打診したが固辞された。
紆余(うよ)曲折を経て、連合は10月6日の定期大会で中小メーカーが大半を占める産業別労働組合(産別)の「ものづくり産業労働組合(JAM)」副会長だった芳野氏を会長に選出した。会長にはこれまで、政治的な影響力や春闘など重要な労使交渉をリードする力を期待される立場として、電機や鉄鋼などの大企業労組の会長経験者が就任してきた。芳野氏の抜てきは異例といえる。
神津前会長は「女性」「中小企業出身」「高卒たたき上げ」が芳野氏を選んだポイントだったと明かす。だが、連合会長という「火中の栗」を拾う人がいない中で、「初の女性会長という話題性で乗り切ろうとした」(関係者)という見方は根強い。
同じころ、労働界・政界を揺るがす「事件」が起きる。
◇
経済同友会の櫻田代表幹事と連合の芳野会長が会談し、経済の持続的な成長に向けては、男女間の賃金格差の是正や働き方の多様性の確保など、人への投資が重要だという認識で一致しました。
経済同友会の櫻田代表幹事と連合の芳野会長は7日午後、都内のホテルで会談しました。
7日の会談では、男女間の賃金格差の是正やリモートワークの推進といった働き方の多様性を確保することなどについて意見を交わし、人への投資が重要だという認識で一致したということです。
また会談では、夏の参議院選挙に向けて、連合の芳野会長が有権者の政治への関心や投票率の向上に向けて、それぞれの立場で継続的に取り組むべきだと求めました。
◆業界との協力を強調
◆野党低迷、狙う自民
これからもぜひ一日一回、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!!!
この20年間政府は何をしてきたのか。
安い労働力を求めて海外に工場を作る。
安い労働力を求めて派遣労働を拡める。
安い労働力を求めて海外からの労働者を認める。
全てを認め押し進めてきたのは自分達じゃあないか。
本当に汗をかき苦労をして働いている国民の皆さんは怒らなければいけないですよ。
この怒りを代弁するのが連合じゃあないんですか。
この政府寄りの会長には驚きますね。
一度中小零細の町工場に行って汗と油にまみれて働いてる人々を見てきてください。
どちらの味方にならなければいけないのか、直ぐに分かると思います。
それが連合のあるべき姿ですよ。
それが無理なら直ぐに会長を代えて頂きたい。
自由で民主的な連合などの合言葉など当たり前すぎて、小学生の生徒会の発想ですよ。
全ての労働者の為に戦うのが連合でしょ。
彼女に望むのは無理なのかもしれないですね。