歴史系博物館の目玉となる展示品といえば・・・
やっぱり、「兜」とか「刀」なのでしょうか。
その人気の秘密はなんでしょう・・・
兜にしても、刀にしても、大きく分けて発掘品と伝世品とあるわけですが、
伝世品の多くは、長期間所蔵される中で、どうしても修理が必要になり、
多くのものが、オリジナル、プラスアルファなものになっています。
でも、全くのオリジナル(発掘品)よりも、むしろ展示品としては人気があるような。
本来、兜とは、戦場において頭部を保護するものですが、
時を経て、武士が自らを主張する役割も果たすようになります。
どのような兜をかぶることで、自らを輝かせるのか!?
もともと、威厳を見せるための工夫はなされたようですが、
室町時代末から江戸時代初期の戦乱の世にいたり、
良い意味でも悪い意味でも、常識にとらわれない「ばさら」な風潮が生まれます。
兜を介した自己表現においても、その精神が当然のことながら大いに反映され、
斬新奇抜なものが数多く作られるようになったことは、
現代を生きる私たちが見ても型破りな、いわゆる「変わり兜」がその証。
モチーフはさまざま。
諏訪大明神といった軍神などを文字にしたり、神仏の彫像や名称そのものを前立てにするものもあり。
その目的は、周囲を驚かせる・・というだけでなく、
おそらく神仏や動植物、事物のパワーを、一番大切な場所(頭)を守る兜=自分に宿す・・・
そういうことを、とっても真面目に目指したのでは!?
実際、武将の中には、信仰する神社に兜を平時は預け、
戦が始まると、わざわざ借りに行き着用した・・という伝承もあったりして。
戦がない合間に、神社などのパワースポットで、兜もエネルギーをチャージし、
戦で、パワーを全開(!?)したのでは!?
↑(注)これはあくまでも想像です。
兜は、見方を変えれば武士の死装束。
だからこそ、十人十色の人生観や宗教観、そういうものを見える化した兜・・
修理を何度となく重ね、当時の姿をとどめているかもしれない(!?)兜を前にするからこそ、
私たちは、ほんの一瞬、戦国の世にタイムスリップできるのかもしれません。
これもまた、兜の魅力のひとつ?
・・・
特別展示室は、武田氏館跡からの発掘品を中心とした展示になってはおりますが、
今年は信玄公ご生誕500年という、記念の年。
期間限定で、武田氏関連のもの、江戸時代に制作された錦絵などを展示しております。
そんな中でも、現在展示中の「諏訪法性兜」(すわほっしょうのかぶと)は必見・・かと。
当館での展示は、8月9日(月)までです🙇
それ以後は、所蔵先となります長野県下諏訪町立諏訪湖博物館へお越しください。