真田広之さん主演・プロデュースの「SHOGUN 将軍」が
エミー賞18冠で話題になっている。
真田広之さんは同世代なだけに嬉しい。
世界的な俳優さんとして、ますます活躍されることだろう。
さて、本日の冒頭画像は、横浜市イギリス館。
1937(昭和12)年に完成した、かつての英国領事館だ。
横浜市の有形文化財に指定されている。
代々、横浜生まれの横浜育ちの「ハマッ子」のせいか
西洋館は幼いときから大好きだ。
古い記憶のなかで、憧れたうちの一軒は、
母の実家、祖父母の家のすぐ近くにあった洋館だった。
冒頭画像のイギリス館が、華やかな雰囲気なのに対し、
いかめしいドイツ式とでも言ったら良いだろうか。
それはそれは堂々たる西洋館だった。
幼いながら、通るたびに、胸がときめいたものだ。
高い塀と鬱蒼たる木々に囲まれて、見えない部分には、
和館もあったのだろうと、
今、想い返している。
そのお屋敷にまつわる物語。
何十年も前、母から聞いたもので、
もはや私の記憶も曖昧だが・・・
西洋館の家族は、主人夫婦に、姉妹と息子。
ご主人は、手広く貿易をなさっていたのだか、
お医者様だったか・・・
いずれにしても、財力だけではなく、
豊かな教養をお持ちだった人物と、
後年、お屋敷を眺める度に、感嘆したものだ。
戦後すぐのこと。
お屋敷に、一人の若者が下宿をした。
若者は、戦地から戻ってきたばかりだったという。
背が高く、精悍な顔立ちは、見るものを振り返らせたはずだ。
そんな若者と、お屋敷の長女さんは、たちまち恋に落ちる。
お父様は彼を高く買っていたので、
もう大喜びで、二人はめでたく婚約した、
・・・というのだが。
長女さんは、お屋敷で、生涯独身を貫いた。
婚約した若者は?
どうして彼と結婚しなかったの?
彼は、新しい世界へと羽ばたいてしまったのだ。
それも信じられないほど、遠くへ・・・
長女さんも、ご家族も、彼の活躍を見聞きしない日は
なかったことだろう。
「婚約者」は、俳優として大成功を収めていたのだ。
その俳優は、高度成長期生まれの幼い私だって知っていた
大スター。
日本映画の巨匠と組んだ数々の作品は、高く評価され、
やがて海外の映画にも出演、世界で賞賛されている。
敗戦国の日本人が世界で評価される・・・
当時の日本で、その喜び誇らしさは、
現代のわたしたちが感じる、
ケン・ワタナベや、真田広之さん以上だったにちがいない。
女性関係も華やかだった。
「元婚約者」は、どんな想いで聞いていたのだろうか・・・
生涯独身だった長女さんは、妹さんと二人でお屋敷に暮らしていた。
独立した弟さんが、最期まで、サポートにあたっていたと聞く。
今、あのお屋敷は、ない。
かつての広い敷地に、ありふれた建売住宅が並んで、
もはや久しい。
私が知っているくらいなのだから、
この話は近所では有名だったのだろう。
真偽の程はともかく、
それゆえに、長女さんは縁遠くなってしまったのか・・・
もし「恋物語」が事実だったならば、
彼への想いを断ち切れなかったのかもしれない。
あれほどの男性と恋に落ちてしまったら・・・
次の恋は難しいのではないかしら?
聞かせてくれた母自身は、「恋物語」当時、
まだ小学生になるかならないかくらい。
近所に下宿していたという、後の「大スター」を見たわけではない。
今から10年以上前に、少し、この件を調べたことがある。
そのときは、この「恋物語」には整合性がないと感じた。
だが、先日、Wikipediaを見ると、
戦後、あの地に彼が住んでいたと、はっきり書かれていた。
これを、以前は見落としていた?
それとも、最近、追記された?
もう少し調べてみたい。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
現段階では、「恋物語」は噂話に過ぎませんことを、
お断りしておきます。
もろもろの不備、勘違いや間違いは、
個人のブログのことと、
お許しくださいませ。