歴タビ日記~風に吹かれて~

歴タビ、歴史をめぐる旅。旅先で知った、気になる歴史のエピソードを備忘録も兼ね、まとめています。

箱根駅伝を想う

2024-01-07 07:56:20 | 歴史 本と映画
横浜生まれ、横浜育ちの「ハマッ子」なので、
箱根駅伝は、子どもの頃から近しい。


コロナ禍以前のここ十数年は、沿道観戦も欠かさなかった。

選手が走ってくるのを、寒風吹き付ける路上で、待つこと数時間。

先頭選手が、いよいよやってくるとのアナウンスが入る・・・
その一瞬の静寂の後・・・大歓声。




(画像は2020年2区・9区で撮影)


目の前を、まさに風を切るようにして走る、
その力強さに、懸命さに、我を忘れ、夢中で叫ぶ。

どの学校にも声援を送らずにはいられない。
それがコロナ禍以前、わたしの正月だった。


今年の箱根駅伝が終わった今、
やっと落ち着き、正直、ほっとしている。

箱根駅伝が近付き、話題が出始めると、もう気もそぞろ、
期待と不安が入り交じって、何も手につかなくなってしまう。

最近は、もっぱらテレビ観戦なのだが、小心者なので、
観戦中は、贔屓のチームの走りが心配で
観ていられなくなることも、しばしば。
一方、ご贔屓チームが活躍すれば、ガッツポーズで飛び上がる・・・

とにかく、泣いたり、わめいたり、気分は乱高下。
ジェットコースターの如き2日間なのだ。




今年の大会は第100回の記念大会だった。
それにあわせたのだろう、
「タスキシリーズ」の最新刊『タスキ彼方』(小学館)が出た。

額賀澪「タスキシリーズ」は、
2016年、デビュー間もなかった作者の『タスキメシ』に始まる。

駅伝選手として将来を期待されながら、ケガに泣かされる
高校生・早馬 が主人公だ。
早馬 は、リハビリの傍ら、なぜか料理部も兼部することになり、
やがて料理に魅せられていく・・・

作中の料理部のレシピで、我が家の定番になった一品もある、
料理も魅力的な小説だ。


当時は、料理と陸上という組み合わせが、とにかく新鮮だった。

そして額賀氏のストリーテラーとしての才。
毎度、最後にどんでん返し、それがまた泣かされるのだ。
額賀氏の作品は、基本、青春小説なので、明日を信じられるのが良い。

とにかく「タスキシリーズ」は、
早馬と弟・春馬、親友やライバルとなる陸上選手、
そして思いを寄せる料理部員の都らと共に進み、

『タスキメシ箱根』では大学生に、
『タスキメシ五輪』は社会人に、主人公も成長している。



そして100回大会の今年『タスキ彼方』。
早馬は登場しないが、おなじみの常連校が並ぶ。

本作では、100回大会を目指す令和の大学生と
日中戦争下、箱根駅伝の中止された大学生との
それぞれが描かれる。


もちろん、時々涙しながらも、一気読みしたのだが・・・
歴史好き&箱根駅伝ファンとしては、
それだけでは終われない。

『タスキ彼方』に書かれていた、
大学生が学徒出陣、多くが特攻要員に駆り出される時代の
箱根駅伝を、もっと、知りたくなる。



さっそく、『タスキ彼方』で参考文献として挙げられていた本を
図書館から借りた。
所蔵があり、読みやすそうだった本だ。

早坂隆『昭和十八年の冬 最後の箱根駅伝 
 戦時下でつながれたタスキ』(中央公論新社)。

・・・既に読了。

『タスキ彼方』のタイトルの意味を、
あらためて噛みしめる。

そして「タスキ」の重さゆえに、
箱根駅伝が、ますます好きになっている。


拙ブログでは、『タスキ彼方』から
戦前の箱根駅伝中止決定から戦後の復活大会までを
大まかにまとめたのだが、裏付けが欲しくて、
これはボツにした。(非公開)


今、歴史にまつわるノンフィクションだけでなく、
フィクションも合わせ、図書館に予約していて、
ようやく借りられた本のストックが
すさまじいことになっているw

(フィクションは、直木賞候補の加藤シゲアキ『なれのはて』講談社を
読み始めたところ。秋田の土崎空襲を扱っている!)

しばらく先になるかも知れないが、
戦前・戦後の箱根駅伝についてまとめたいと
宣言をこめて、本日アップした。

本日の記事は「プロローグ」のつもりでいる。


📖 額賀澪作品の書影は、「額賀澪公式サイト」より
『最後の箱根駅伝』は版元ドットコムよりお借りしました。

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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。

波乱の幕開けとなった2024年。
箱根駅伝の選手の中にも、
被災地の出身者がいらっしゃるそうです。

今、被災していない私達のできることは
普通の生活を送ること、
そして、いつか私にもできることのある日まで、
見守っていくことなのでしょう。

大変な幕開けの本年ですが、
拙ブログでは、細々と「歴史」にまつわる想いを
まとめていくつもりです。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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