レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
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ブログ再開の決意!

2019-07-30 12:00:31 | 日記・エッセイ・コラム

みなさまお久しぶりです。2年間の放置中にもレミのソラにご訪問された方々、ありがとうございます。
やっと再開する気になりました。これから色々と新たな展開をするにはやっぱりネットの力ですよ、センセ!と生徒さんに強く後押しされました。確かにホームページも放置状態、全く更新してなかったら廃業したと思われますよね!

かなり前の写真ですが、自宅のスタジオで浴衣を来てるのがスペイン人の建築家アルバロ、そして後方で私の夫が気合いを入れた演奏をしてるふり(ピアノ全く弾けません)
今年3月13日に亡くなった夫の写真を整理してますが、やっぱりこれが一番彼らしく楽しくておもしろい。

2017年7月夫は食道がんの手術をして声を失いましたが、いつも前向きに再発の度に放射線治療を受けていました。しかしとうとう昨年末には余命宣告。私の誕生日には最後のプレゼントとばかりに真っ赤なバラの花束60本(!)とたっぷりとしたテンポで歌ってくれたハッピーバースデー(人工咽頭なので音程は全て1度、でも感動だった)
そんなドラマチックな翌日吐血し、1ヶ月間一般病棟に入院〜もう治療は出来ないからと強制的に緩和ケア入院〜夫が勝手に緩和ケア脱走〜4週間自宅療養〜3/11再び吐血で本人嫌がったけど再入院〜彼はすっかりしょんぼりしてたが私はちょっと一安心〜からのまさかの展開であっという間に息を引き取ってしまった。

お通夜やお葬式はまだ「こなす」という感覚でした。亡くなった、という受け入れ難い現実に涙が止まらなくても、こういうもんなんだろうと思って頑張って乗り切った。ちょっと落ち着いて五十日祭(訳あって神式でお葬式したので)が終わり、これで忌明けだ!と思ってましたが・・・

こんな状況の中でも、今年9/16の県民芸術祭・山形市芸術祭の開幕記念公演「雪の女王2019」の脚本/作曲を昨年11月から進めていました。彼が亡くなったその時も、私はカイとゲルダの二重唱を書いてた。亡くなって一週間は何もできなかったけど、その後自分の感情に蓋をして何とか作品を書き上げた。それから膨大な量のオーケストレーション。やっと先週オーケストラの皆さんにパート譜を発送した。そのとたん・・


夫の思い出が私の脳内を支配し始めて、
どこにいても
なにをしても
生きていた時の彼の姿が蘇ってくる・・
庭にちょうちょが飛んできても、彼の姿に重ね合わせてしまう。

そして、彼の人生を私の知ってる部分だけ振り返る。
明るくて陽気で楽しくて人に優しくておしゃべりが大好きで。
感性が鋭くて興味があることにとことんこだわって。
建築家として人と文化を一番大事に考えてた。
だけど人を信じすぎて迷惑をかけたり逆に騙されたり。

そんな彼の人生は終わってしまった。
だけど残された私には彼のためにできることはもうなにもない。
ただ思い出して、心が締め付けられて、終わり。
介護の大変さなどもう全然思い出さず、むしろもっとやってあげられたのではないかと悔やまれる。


8月は「雪の女王2019」は本格的な立ち稽古になります。
2年前とは違った脚本/作曲、演出で、キャストも増え、オーケストラも34人!
5月の音楽稽古から今のところは順調に進んでますよ〜
動きがつくと更に魅力的な作品になっていきます。
楽しみながら作り上げる!雪の女王に集中して、夫のことを思い出す余裕を作らない!

だけど。
雪の女王の最後のアリア
「たったひとりで春を待つ・・」を聞くと
自分で作ったメロディながら涙がこぼれそうになるんだよね。


ということで、これからはしっかりとブログ書いていきたいと思っています。
しばらくは「雪の女王ネタ」ばっかりになるかもしれませんが・・