レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
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Tango para vos

2010-10-22 00:21:25 | 日記・エッセイ・コラム
タンゴ・パラ・ボス。
これ、私たちタンゴ五重奏団のお名前です。

意味は
「あなたのためのタンゴ」

vosはアルゼンチンとパラグアイでのみ使われる「あなた」らしいです。
ワタクシ、タンゴパラボスって語感がとても好き。なんてったって音の流れがタンゴっぽい。

この秋シーズンの大忙しが一段落したので、タンゴの練習いっぱいしてる。特にピアソラはピアノソロが沢山あって、これを格好悪く弾くわけにはいかない。毎晩ひとりで熱いタンゲーラになってた。

しかし。今日の午前中は高校の大学受験実技模試でモーツァルトのホルンコンチェルトを伴奏しなければいけなかった。クラシックだ。ああしまった。ワタクシまだタンゴにいるかも‥‥。不安を抱えながらも伴奏を始めた。少々アップテンポのモーツァルトは案の定私の魂に火をつけた。

ぽーぽーぽーぽぽぽぽぽー
F君の音にテンポを合わせながらも、レミはからみを入れ情熱の世界に彼を呼び寄せた。
あああ。誰もワタクシをとめられない。徐々にF君も反応してきた。僅かにだがホルンの音が色っぽくなってきた。
それと同時に何だか音がはずれてきたぞ。いや構うもんか。もうこうなったらモーツァルトだろうがなんだろうがホルンと行き着いてやる。どこに?どこにでもない、タンゴに終着点はないのだ。

ぽれぽれぽれぽれーぽれぽー。
立派なトリルで彼は終結してくれた。良かった、終わった。

なんか楽しかったな。模試でタンゴな気分になるなんて。
そしてF君はタンゲーロの道を歩むのであろうか。
それはないかもしれない。儚い一時の夢もまたタンゴ。


タンゴに浸りまくる

2010-10-11 02:23:21 | 日記・エッセイ・コラム
8日は我らがタンゴ五重奏団 "Tango para vos”の練習でした。
前回からギタリスト・コセキットくんが新たに加わって、東北初の本格的なタンゴ・キンテートの誕生です!!バンドネオン・キッキーに会って夢を語り合ったのは今年2月2日。2がレミのラッキーナンバーだったのか、5月にはカルテット、そして9月にはキンテートの結成。こんなに早く願いが実現するのは、ただのラッキーや偶然じゃない気がする。思いが強ければ神様が味方について導いてくれる。12月の山形・米沢・仙台ライブのプログラムも大体決まって、チラシも近々出来上がる!
と盛り上がった練習の後晩ご飯食べてから、古典のタンゴをピアノとバンドネオンでなぞってみた。不思議なことに二人とも身体の芯からタンゴ人になってた。もう誰も私たちを止められない勢いでタンゴの夜を熱く過ごした。結局今度の!stライブでConcierto para Quintetoもやろうと二人で勝手に決めて、ワタクシ涙が出そうなくらい嬉しいのです。夢のまた夢だと思ってた曲、もう全身全霊で弾くのが私の使命だ。
9日は12日のコンサートの曲を地道に練習して、10日はレッスンの後ABっちと仙台へ映画を観に行く。
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アルゼンチンタンゴ~伝説のマエストロたち


グスタヴォ・サンタオラージャが音楽監修、ウオルター・サレス監督によるドキュメンタリー映画。
60年~70年もの演奏歴を持ち、今なお現役で活躍するマエストロ達が新しい”アルバム”録音のために集結。そしてコロン劇場でのコンサート。2008年の制作ですが、マエストロ22人中8人はお亡くなりになってるらしい。人生はタンゴと言い切るマエストロたちは自分を導いてくれた師匠を敬い、過去に思いをはせながらタンゴ全盛期の録音から再び譜面をおこし(当時は演奏後は酒と女にかまけてしまい譜面をなくしちゃったらしい)人生の深みそのものの音楽を聞かせてくれる。よぼよぼ老人がタンゴを弾く瞬間に青年になり、老女は黒髪の乙女になる。涙が出ました。ああレミも彼らのようにタンゴとともに人生全うしたい。だけどタンゴの次にバッハが好き、と帰り道でABっちにのうのうと宣うレミでした。


ピアノ弾きまくる

2010-10-07 01:30:39 | 日記・エッセイ・コラム
10/2はソプラノとバリトン/デュオリサイタル、イタリア歌曲・日本歌曲・オペラの計19曲の伴奏。ヴェルディって意外といいノリだなと、今回実感しました。
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葉山温泉での打ち上げも、豪華なお料理でごちそうさまでした!


そして10/5は郡山七中で音楽鑑賞教室。前半レミトリオ後半グリーグのコンチェルトという超充実プログラムで、これはあの力を借りるしかない‥‥‥

郡山といえば、そう。
ホルモン!

去年コンクールの審査で満身創痍になったレミを生き返らせてくれたホルモン様。
(詳しくは↓)
http://bela.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/06/post_ec4f.html

1年3ヶ月ぶりのホルモン様との再会。
グリーグの指揮者、かっこよすぎC先生。
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レミトリオのモスクワDスキが食いまくる。その迫力に地元のO楽器のOさんは圧倒される。
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そして同じくモリヤスタ・キョコローンがスープを食らう。
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本番前夜のホルモン補給が終わり、
最後にフレッシュジュースのスイカ・パイン・メロン・マンゴーのジャイアントカクテル締め。
ディスイズ コオリヤマナイト。
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そして本番。生徒さん先生方800人で体育館はぴっしり埋まってます。レミトリオ定番の仮面舞踏会やEARTHや、今回初演奏のカプリースなど前半8曲演奏し、後半はいよいよコンチェルト。
吹奏楽部の皆さんがオーケストラとなり見事に演奏してくれました。指揮者C先生はポールスミスのスーツにばっちり身を包み、渾身のタクトを振る!!ワタクシもこの日のためにわざわざ調達してくれた真新しいヤマハC7を弾きまくる!!前日のエルボー鍵盤叩きと調律師さんの大奮闘のおかげでC7は見事眠りから目覚めてくれました。ありがとうピアノちゃん。

そして限りなく優しいC先生は駅まで送り届けて下さり、ワタクシはその夜は東京千駄ヶ谷。
6日の午前中は12日のサロンコンサートの合わせ。
前日13~15歳の中学生との共演からいきなり69歳のフランス人マルグリットさん。
いやいや、お年を召してもフレッシュでかわいらしく、初共演なのに何だか今までずっとお友達のような気がします。本番が楽しみです。
お昼はヒマラヤカレーのテイクアウトたらふく食べて、午後バンドネオンのキッキーとタンゴ。手垢の付いた例のピアソラ定番曲にあれこれ合わせていったら思いのほか熱くなる二人。こういうセッションで気持ち高められるのはピアソラにジャジーな要素があるから。これは13日にお披露目の予定。