Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年4月号 コミュニティーの話題:難民キャンプ憲法と選挙

2012年06月29日 | コミュニティーとカルチャー
カネレはコミュニティーリーダー達とキャンプの新憲法および選挙について、様々な展望を話し合った。

我々のコミュニティーは新憲法の考え方を歓迎している。部族主義や宗教的影響力は現在の憲法制度から外れている。我々は、統率力をコミュニティーからキャンプレベルへ変えていく必要がある
―― ウガンダコミュニティーのリーダー

私は新憲法を歓迎したい。キャンプもこれまでなかった新しい制度だ。どのブロックにも協力して仕事をする10人の代表がいる。若者たちにとっては、社会を改革するために指導力や統治力を発揮できるチャンスだと期待している。
―― F.サイド、カクマ全ソマリア青年リーダー

私はこの新ルールに強く反対する。これは、少数の人々に、多数の意見を押し付ける専制的な管理体制だ。キャンプはこの種の新ルールではなく、国の法律で治められるべきだと考えている。だから、憲法には否定的な印象を受ける。個人の権利を知ることは、、我々を知的にしてくれる。
―― 匿名の難民 UNHCR通訳

権力の移行は現実的でないと思う。そんなことにはなってほしくないが、選ばれたリーダー達が操り人形のように扱われることもあり得る。否定的であろうと肯定的であろうとコミュニティーに影響を与えるすべてのことに、真の統率者が決定力を持つべきである。
―― A.トーマス、カクマ2の小学校教師

この制度には、官僚主義の支配が認められる。定義が明確になされていない憲法だ。政治活動が、コミュニティーの中で力を得てくるだろう。これに関連して、私が知りたいことがもう一つある。難民の保護に関して権利の章典の中に何と書かれているのだろうか? これこそは、どんな民主的な統治においても市民の政治的な権利である。
―― エチオピア人のカネレ記者

カクマの指導力は変わるべきである。キャンプは21年間も存続してきて、アフリカ全土の多くの国から人が集まってきている。中央集権的な指導力が必要だ。
―― カクマ3の多国籍コミュニティーのリーダー

私はこの憲法に反対です。国籍も言葉も異なり、文化も宗教も様々な難民たちを、一つの政府で管理することは簡単なことではないでしょう。水のように貴重な資源をめぐって争いが増えるのではないでしょうか。UNHCRにとって、難民の生の声に正しく耳を傾けることこそが、最も大事なことだと、私は思います。
―― カクマ1のエチオピアコミュニティーのリーダー

新制度は悪くはないと思いますが、大事なことは憲法の施行です。施行により、機会が平等に与えられた集団が作りだされます。多くのコミュニティーリーダーの存在は、堕落と差別を拡大するのではないかと感じます。
―― エチオピアのオガデンコミュニティーのリーダー

新憲法を支持します。憲法を読みました。私は、2011年の憲法を作成した起草委員会のメンバーでした。この制度は人々に権利として公共奉仕を利用する機会を与えます。これまでは混乱の連続でした。時が来たら、公正で、分け隔てがなく、教養があり、キャンプを1つにまとめていける人をリーダーに選びたいと思います。
―― カクマ1、ゾーン1、ブロック8、ソマリコミュニティーのリーダー

新憲法にも新しい指導体制にも賛同します。新体制はそれぞれのブロックを基盤としており、それぞれのコミュニティーで最も脆弱な人を見つけやすいと思います。選挙は、自分たちの奉仕に対して可能な範囲で報酬が得られると理解している候補者達の間で、激しい争いになるでしょう。これまでは、コミュニティーリーダーはボランティア活動だったので、すべての仕事は無償で行われてきました。このことが、虐待と暴力を招いた一因となっていたと思います。
―― B.ウェックトゥール、エチオピアのヌエコミュニティーの事務官

この憲法は特定の多数派国民に有利に働くので反対です。難民には、全体を把握する1人指導者は不要だと思います。地元の行政組織もコミュニティーの統治組織として残すべきだと思います。なぜなら、新組織には何事も決定できる力がないからです。
―― C.アテム、カクマ1 ホンコン地域

憲法に賛成です。憲法は、連帯感、平和的な共存、人権尊重を助長することができるからです。これらの新ルールは、カクマの難民が、自分たちとそのコミュニティーを、同胞愛に導かれた一つの大きな社会として治めていくための道筋になると思います。私は、ただただ、選挙が自由で公正に行われることを祈っています。
―― P.ニアル、カクマ1のスーダンコミュニティーのリーダー

憲法には反対です。キャンプ人口の1%にも満たない人しか、新制度を知りません。従って、もう少し、2013年まで延ばすべきです。これらは、一握りの人とペンと椅子によって作られた制度です。難民は誘惑にさらされやすい。一人の指導体制のもとでは、抑圧、不正、賄賂等が増加するでしょう。人口の大部分が読み書きできないのだから、人々は、この憲法に関して、正しい知識を持っていない。これこそが、我々の弱みにつけこんで支配者たちが利益を得ている理由です。
―― S.バシール、ソマリ ダロドコミュニティーのリーダー

これには絶対に反対です。この選挙は中止すべきです。コミュニティーは、この選挙が実行される前に、現行憲法について危機感をもって考えなければいけません。多国籍による住民の相違点は一朝一夕で克服できるほど簡単なことではありません。コミュニティーは、これまで通りの統率と体制のもとで、存在すべきだと思います。
―― ガブリエル、カクマ1のスーダン青年リーダー

憲法と選挙には反対です。どちらもそれぞれに大きな課題ですが、短期間の間に一緒くたにまとめられてきました。なぜ? これらの法律が施行された後の、長期的帰結は何でしょうか? 人々は、何が起きるのか考えるべきです。将来における否定的な影響を止めることにも、同意を与えるべきです。
―― G.モハメド、学生

ここから何が生まれてくるのかわからない。候補者が誠実かどうかを確かめられるはっきりした基準がほしい。様々なブロックやゾーンの人々はそれを知り、候補者に何が期待されているのかを知るべきだ。こうすることが、人々に権限を与える。つまり、誰に、なぜ投票するのかを知ること。
―― コンゴ難民のNGOスタッフ


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