銀座の醸造所 八蛮

今回はビール好きの間では有名な「八蛮」です。こちらは東京は銀座、街のど真ん中にある居酒屋兼醸造所です。醸造開始は２００５年と比較的新しい醸造所です。居酒屋の奥にある小さなスペースで、マスターが独りで醸造する「超」クラフトビール（免許の関係で発泡酒）が看板のお店です。面白いのがこちらの料金システムで、４２００円で飲み放題・食べ放題（２時間）というお値打ち価格。もちろん飲み放題には自家製ビール（発泡酒）も含まれますし、日本酒や焼酎などこだわりのお酒も飲み放題という太っ腹です。銀座という場所にありながら、なかなか行けなかったのですが、ようやく訪問できました。

　　　　　

最寄り駅は地下鉄東銀座駅で歌舞伎座から徒歩５分くらいです。見た目は普通の
居酒屋です。こんな所に醸造所があるとは考えられません。

　　　　　

開店直後の店内の様子です。他にまだお客さんは居ませんでしたが、この後続々
とお客さんが入ってきました。お客さんは近所のサラリーマンでしょうか、常連
さんばかり。地元に根付いた醸造所のようです。人気の高さがうかがえます。
ちなみにこの写真の右奥が醸造スペースになっています。この時、マスターが醸
造作業中で、テーブルの上には大麦・小麦のモルトの入った容器が置かれていま
した。

　　　　　

こちらが醸造スペースです。ほんとに狭い。ここでほとんどすべての作業をこな
すみたいで、夏場は暑さで大変だそうです。

　　　　　

こちらの釜（寸胴）で麦汁の仕込みを行うみたいです。この後、実際に煮込んで
ました。居酒屋全体が麦汁のいい香りでいっぱいになり、正しくビール工場に変
身です。

　　　　　

ヴァイツェンです。こちらでは基本的にこの１種類を提供しているみたいです。
通常のヴァイツェンのレシピにオレンジピールといった副原料を入れて発泡酒と
して醸造しているそうです。ただ副原料の量は少なく、限りなく通常のヴァイツ
ェンに近い味わいです。他にもスタウトを醸造するみたいですが、それは副原料
との関連みたいです。ご覧のようにこちらでは「とりあえずビール」はこのヴァイツ
ェンがピッチャーで出てきます。

　　　　　

こちらのヴァイツェンはなんとナチュラルカーボネーションだそうです。アロマは
かなりバナナ香が強く、超フレッシュな酵母の香りが印象的です。酸味が心地
よく、最後に爽やかな香りが鼻を抜けます。オレンジピールの香りは全くしません。
そういう意味では普通のヴァイツェンです。マスターによると、飲んだロットはま
だ「若い」ビールだそうで、やや何かが足りなく弱い感じがします。ナチュラルカ
ーボネーションであることも関連しているかもしれません。しかし、美味しいヴァ
イツェンだと思います。特に、香りが秀逸です。スルスルとたくさん飲めそうなヴ
ァイツェンです（実際、たくさん飲んだ）。

　　　　　

料理は色々と頂きましたが、気に入ったのはこちら。フランスパンのタラモ添えで
す。タラモに「あおのり」が入っているようで、なかなかイケます。料理は何も言
わなくても、次から次に提供してくれます。

今まで色んな醸造所を巡ってきましたが、ここは異色中の異色。手造りのヴァイツ
ェンもさることながら、マスターの人柄がお客さんを呼んでいるんですね。ちなみ
にマスターによると、仕込みは居酒屋をしながら独りで行っているため、限界だそ
うです。今から夏の最盛期なので、体を壊さないよう、頑張ってもらいたいです。


銀座　居酒屋　八蛮
東京都中央区銀座2-14-9
TEL：03-3546-8708