「未来に羽ばたくピアノ教育」というタイトルでロバート・ペース氏の本が出版されました。
ロバート・ペースという方は誰か?と申しますと、私がレッスンで使用している教材を作った人であります。
そのペース先生が(5年前にお亡くなりになりました)残された論文を、
神保洋子先生の訳で出版されることになりました。
その文面を一部抜粋してご紹介します。
音楽は長年、教育制度における必要不可欠な”主要科目”の一つとしてではなく”選択科目”
または”課外授業”として彩りを添えるだけのものとみなされてきました。
問題は、”主要科目”を伸ばすことに重点がおかれているのにもかかわらず
創造的に問題を解決する技術を発展させる生徒は非常に少ないことです。
多くの学校教育制度は生徒の思考の発達にかかわる過程よりも、試験の結果に関心があるのです。
能力を伸ばせないでいる生徒たちが想像力をもって対処しなければならない問題や
同時にいくつものことを処理したり そして決定的な決断をする大切な過程において必要な
”先を洞察する能力”に大変劣っていることは、痛々しいほどに明らかです。
私たちは、常に動きながら変わっていく時間の”流れ”の中にいるのです。
工夫のある問題解決の根源である創造的思考は、我々の生活の中で進行するさまざまな要素を
突き止め 見分けて統合し、評価することを可能にする”流れ”となります。
鍵盤即興は「行動しながら思考すること」を実際に練習することで、この”流れ”を
自然かつ 力強く経験させるものです。
私はこの本を読んで、音楽は子供たちの成長にとても大きな影響を与えていけるのだということを
感じました。
学校教育の中で落ちこぼされてきた大切な学びを、音楽教室で担っていく必要があるように思います。
この本は、音楽の友社から出版されています。書店には置かれていないかもしれませんので
お読みになりたい方は川上までご一報ください。
私の本でよかったら貸し出しもいたします。
学校の先生方や保護者の方、学生の方がお読みになってもおもしろいと思います。
毎日暑いですね。
かき氷がおいしい季節です。夏バテには気を付けて元気にレッスンにおいでください。