佇む猫 (2) Dr.ロミと助手のアオの物語

気位の高いロシアンブルー(Dr.ロミ)と、野良出身で粗野な茶白(助手のアオ)の日常。主に擬人化日記。

魅惑の早朝清掃アルバイト(1)きっかけ

2019年02月21日 | 手記・のり丸
このところ連日にわたり「正夢」を見ている。
自分が無意識のうちに推測していたことを夢で映像化し、それがたまたま「少し先の未来」と一致したものを「正夢」というのかもしれない。
けれども、正夢はどことなく「気持ち悪さ」を伴うものである。
 
最近ろくに眠れなくて疲弊している。
寝不足だったり、過眠だったり……これからも「睡眠」は私のテーマになるだろう。
 
 

私は脳の手術を2回しており、放射線治療もしている。
それによって破壊されてしまった脳細胞もある。
しかし、その経験によって会得したものもある。
否応なしに「視点の転換」がおこり、それまでの「固定概念が崩される」という経験もした。
 
 
誰もが世界を自分の主観で見ている。
誰もが自分の感覚器を通して世界を感じ、自分の知覚や経験のレンズを通して世界を認識している。
それぞれが異なる脳を持ち、同じ世界を別の角度で観察している。
 
例えば同じ山に存在していても、山頂から俯瞰するように風景を見渡している人もいれば、木々をかき分け細部に注意を払いながら歩いている人もいる。
その人が見ているものが、その人の現実である。
(視点の転換がおこり、木に生息している昆虫を見ていた人が、ロープウェイから山全体を見渡すこともある)
 
他者がどの立ち位置で生まれ、どのような世界を見てきて、どのような方法で道を進んで来たのか…それは自分には永遠にわからない事だと思う。
草原を歩いてきた人に、崖を登ってきた人の背景は想像できないし、その逆もしかりである。
 
人は皆、独自な存在である。
劣っている存在や優れている存在はない。
あるのは違いだけ…爪の細胞か、眉毛の細胞か、というような違いだけである。
(…と、私は思う)
 
 
私は子供の頃から夜型であった。
親が寝静まった頃に、こっそりと自分だけの世界に浸っていた。
布団の中にもぐって懐中電灯の光でマンガを読むこともあれば、窓から抜け出して屋根の上で夜空を見ることもあった。
しかも朝の6時にはオトンに部屋のドアを蹴られて飛び起きるので、子供なのに慢性の睡眠不足だった。

私の夜型は年々ひどくなる一方だった。
 
(不健康の原因は夜型のせいかもしれない)
 
ある日、そう思った私は実験的に朝型に切り替えることにした。
夜の10時までに寝て、朝5時に起きる生活に変えることにした。
…しかし意志の弱い私が急に朝型になるのはかなり難しく、3日で挫折してしまった。
 
夜更かしを治すには、朝から活動的に動くしかない。
 
考え抜いた挙句、本業の前に「短時間の早朝清掃アルバイト」をすることにした。
今から3年前のことである。
 
知人の紹介で、大阪の「ビル管理会社」に向かった。
 
「今まで清掃の仕事をしたことはありますか?」
「アルバイトでゴンドラはあります」
「…ゴンドラね。…家で掃除機をかけることはありますか?」
「はい、かけます(…たまに)」
「じゃあ、大丈夫ですね。明後日から来てください」
あっさりとアルバイトは決まった。

早朝6時から7時30分までの短時間アルバイトである。
…振り返るとなかなか面白い経験だった。
 
(今回は題名の「魅惑の…」部分を何一つ書くことができなかったので、次回書くことにする)
 
 
【今日のロミ】