佇む猫 (2) Dr.ロミと助手のアオの物語

気位の高いロシアンブルー(Dr.ロミ)と、野良出身で粗野な茶白(助手のアオ)の日常。主に擬人化日記。

これまでの記録7 アンカー猫の日常

2019年01月31日 | 主に画像(ロミ)
ウチとのり丸が暮らしているのは3LDKの(ボロい)賃貸。
そう、ここはペット可物件のファミリータイプ…のり丸は独身で同居人もなく、一人暮らしには広めなファミリータイプに住んでいる。
だが、この先他人と暮らす予定はないらしいし、のり丸本人にその願望もない。
 
のり丸はよく人から「浮世離れしている」「地に足がついとらん」と言われとる。
「もしかして、ただのバカなのか?」と心を痛めている人達もいる。
 
のり丸と暮らせる人間はこの世には多分おらんじゃろう。
 
……どうやら、のり丸を「地上の生活」に引き止めておくアンカーとしての役割をウチが担うことになったらしい。
 
 
「帰ったよ、ロミ氏!」
のり丸が帰ってきても、基本ウチは出迎えない。
ツーンとしながら、さりげなく草を食べに行く。
 
……が、不覚にもしっぽの付け根はボンボンに膨らんでしまう。
 
 
 【しっぽの付け根だけがボンと膨らむ】
これは嬉しい時…という情報を最近仕入れて喜んでいるのり丸である。
威嚇や恐怖の時はしっぽ全体がブワーっと膨らむ。
 
【しっぽの付け根だけボンボンになっている】
 

帰ってきても、のり丸はウチの存在を忘れたかのように作業に集中している事が多い。
実際、集中すると周囲の音が聞こえなくなり、時間の感覚がわからなくなるらしい。
 
ついに、「いい加減にしてや!」とウチは怒る。
 
【これはよくやる】
のり丸はこれをやめさせるために「ダメ!」と言ったり「痛い!」と言ったり「無視」したりいろんなことを試みたが…。
 
 
「痛っ」と言いながら、ウチが噛んだ袖口をクンクン嗅いで「魚くっさ」と言う。
のり丸はいつもウチが噛むと「魚くっさ」と言いながらもニヤニヤしている。

…何なん、アンタ。
 
【噛むことを無視されてもヒートアップする】
 
 
カァーーっとなり、何回かガブガブ噛んでいると、
「カッちゃんさー、噛み猫になると(他の人に)かわいがってもらえなくなるよ」
とウチに言う。
 
(ウチが「カッ」と怒っている時は、カッちゃんや勝子などの昭和の名前で呼ばれることがある)
 
「カッちゃん性格いいのに、他の人に誤解されたらもったいないなぁ」
などと言う。
 
(のり丸の身に何かあって、ウチが人にもらわれていくという不測の事態を想像して言っている)
 
 
知るか、ボケ。
ウチはウチじゃ、ボケ。
 
 

のり丸が風呂場の扉を開けた時、ウチもすかさず風呂場に忍び込む。
一度は勢いあまって、湯がたまっている浴槽にバシャンと飛び込んだこともある。
 
【猫にしては珍しく風呂が好き】
 
 
ウチが忍び込むと、のり丸は必ずウチを風呂の外に出す。
ウチは腹が立って全身をフグのように膨らまして、背を向ける。
 
【これはあまり膨らんでない画像だが…】
 

「ロミ、後ろを向いてどうした?」
とのり丸に声をかけられても、ウチは耳だけを動かして返事をする。
 
怒っとるんじゃ。
ウチがしようとすることを邪魔したから、ウチはものすごく怒っとるんじゃ。
 
 
ウチはウチのやり方でのり丸と関わっているんじゃけど、この方法でええんかの?
これしかできんし、これをすると「ん?」とのり丸がウチに注意を向けてくれるからの。
 
【デロンギのオイルヒータの上に乗る】
これをすると、のり丸は注意深くウチを見る。
 
【動かん】
まぁ、居心地が悪いから、この上にはいつまでもいられんけど。
 
 
【遊んどる】
 
【のり丸に遊ばせてやっとる】
 
 
この人間、目覚める度に「今は2019年1月か!」と叫び、「この時代に戻ってきた!」と喜び、「おおロミ、いたのか?」と言うからの。

生きているものの存在、一緒に暮らしているものの存在、そういうものがのり丸の意識から消えてしまわないようにブログを書かせている。

(まぁ、ウチは魔物猫じゃから、きっと大丈夫じゃろう)


じゃあ、またの。
 

ダーティワーク 3.洗脳と二重思考

2019年01月17日 | 手記・のり丸
全く…当時のことを思い出すと自分がクソすぎて、文章がちっとも進まない。
 
ブラック企業に関しての情報は検索するとたくさん出て来るし書物もある。
なので、あえて私がブラック企業とはなんぞや…を書く必要はない。
ただ自分のことを書けばいいのだが、正直それがものすごく恥ずかしい。
それまでの私は、ブラック企業というものを本当の意味で知らなかった。
 
私が働いていた悪徳株式会社は(業種を明らかにすると)尼崎でわりと簡単に特定されてしまう会社だ。
いつか自分の仕事の内容をブログで書くことがあるかもしれないが、今回はあえて業種は書かない。
 
悪徳株式会社では月に200時間ぐらい残業があったが(事実)、残業のほとんどが「業務と全く関係のない作業」に費やされていることが特徴的だった。
社員は全員、社長が年間1000万以上つぎ込んでどっぷりハマっている自己啓発セミナー関係の書類に追われていた。
そのセミナーでは講師が「飴と鞭」を使い分けながら受講生をプラス思考(単一思考)に向かわせる方法を取っているが、理論上は「正論」を述べている。
 
そのセミナーで「自分の本質を学べる」と思っている人は世の中に一定数いるだろう。
そのセミナーは「叡智の泉」であり、セミナーに参加すると自己改革できると思っている人も世の中に一定数いるだろう。
そう思う人達がいるから、セミナー会社は繁栄しているのだ。
しかし私の目には、社長をはじめ幹部全員が「毒の池」に浸かっているように見えた。
 
問題はそんなことではないのだ。
問題はなぜ自分が「毒の池」に浸かっているように見える会社に入社したのか、ということである。3000歩譲って考えても、なぜ初日で辞めなかったのだろうか、ということである。
 
つまりこういうことだ。
 
私はマンネリ化している日常から脱却するために、自ら進んでネジが数本ゆるんでいる女(会社)と付き合ったのだ。
その女(会社)はブスで性格が悪く意地悪で、他の人間はすべて自分の奴隷だという妄想を持っていて、物を壊したり人を殴ったりする。
 
その女(会社)は他人をコントロールし、関わっている人間の時間を搾取する。
やがて、このままこの女(会社)と付き合っていると突然死するかもしれないという予感をハッキリと感じるようになる。
 
視点を変えて女(会社)を見ようとしても、何一つ好きなところが見つからない。
そもそも、自分がそんな風にしか捉えていない女(会社)の為に命を削る意味があるだろうか。
(…くだらない、くだらなすぎて頭がおかしくなりそうだ)と思いながら女(会社)から離れない自分が一番くだらないのではないだろうか。
 
…私は明らかに「命の時間」を浪費していた。
 
 
初対面の時、「君が人生で求めているものをここに書きなさい」と、社長は白い紙を私の前に差し出した。
「わからないので書くことはできません」と、私は答えた。
社長は苦笑しながら「すべての人間が求めているものだ」と言った。
「わかりません」と、また私は答えた。
 
社長は白い紙を取ると、太いマジックで大きく「幸せ」と書き、再び私に紙を差し出した。
「今、君が求めているものはこれだ」
 
社長の振る舞いは明らかに芝居掛かっており、下手な演技をしているように見えた。
「でっかい球を投げる人(※注1)」というよりも、「台本通りにしゃべっている人」という印象の方が強かった。
なぜか私の脳裏に「二重思考(※注2)」という言葉が浮かんだ。
 
(注1:人は言葉のキャッチボールをするが、独善的になるほど言葉が断定的になり、破壊力のある大きな球を相手に投げるようになる。)
(注2:「二重思考」というのは、ジョージ・オーウェルという人が書いた「1984年」という小説の中に出てくる言葉だ。権力者に「2+2=5」だと言われたことを信じ込み、同時に自分が「2+2=4」であるという事実を知っていることを忘れる。矛盾を完全に忘れ、またその矛盾を忘れたことも忘れなければならない…ということが二重思考である。)
 
仕事中に、突然天井のマイクから「14番、池図君」と社長の大声が響く。
すると課長の池図は仕事を中断して1分間踊り出す。
(14番というのは「踊れ」という合図である)
「3番、全員!」という声が響くと、全員直立して会社理念の唱和を始める。
(3番は「理念を唱和しろ」という合図である。…35番ぐらいまで項目があった。)
 
毎日、早朝の4時頃に社長からLINEで「愛」や「夢」がふんだんに盛り込まれたポエムが送られてきた。
それに対して誰か一人でも朝礼までに「既読、返信」をしていない社員がいたら大変なことになる。
社長はパイプ椅子を投げて暴れ、挙句、全体責任で皆が反省文を書かなければならない。
そして最後は責任を取って班長が坊主頭になるということもあった。
「もし、ここが戦場だったら君たちは死んでいるよ。上官の『合図』を無視したのだからね」と、社長は真顔で言う。
 社長は「皆の為になることを皆の為にしている」と深く確信している顔をしていた。
その世界の不文律ではそうかもしれない。
 
100%ウンザリした時は、すみやかにそこを立ち去らなければならない。
自分で選択した結果が失敗で「心底バカなのか、オレは」と思ったら、猛烈に反省して方向転換しなければならないのだ。
 
 
 
この度、悪徳株式会社のHPをのぞいてみると、またメンバーが入れ替わっていた。
「2+2=5」の世界には長居ができない、ということを私に教えてくれた貴重な会社だ。
けれども、私はもう会社のHPを観覧しないだろう。
スルースキルを積んでいくことに決めたからだ。
 
「これをやらない」ということを決めることは、「これをやる」というリストを作ることよりも役立つことがある。
…ということも悪徳株式会社から学んだことである。

 

 
今日のロミ

 

【新しいオモチャが増えた】
 
 
【寒いのでパジャマに入り込んでいる】

 

 

これまでの記録6 感情と表情

2019年01月03日 | 主に画像(ロミ)

今年もよろしくの!!(…仏頂面じゃが)

代り映えのない部屋で、のり丸は(相変わらず)寝てばかりいるので、正直なところ、これといった画像はない……

……が、(苦し紛れに)今回は表情に焦点を当ててアップしてみた。

 

 

【正面からの手が怖い】

しかし懲りずにウチを「よしよし」しようとする、のり丸の手に腹立つの。

 

【そんなに従順な猫が好きなのか?】

ぬいぐるみじゃないし、感情があるから「従順」は到底無理じゃの。

絶対に人間の思い通りにはならないから、早よ諦めてくれ。

 

【また、手を伸ばそうとしている】

猫がイカ耳の時は、そっとしておくのが無難じゃ。

 

【人間社会でのネズミ捕りの仕事はとっくになくなったけど】

この間、小さいクモを捕まえてパクっと食べた。

もちろん、のり丸が制止するまえじゃ。

 

【大きいクモは引き離された】

大きいクモを追いかけていると、のり丸がクモをベランダに逃がした、クゥゥーーーッ!!!

すごく楽しかったんじゃが(怒)。

 

【いつも獲物を探している】

なんだか、ずば抜けた動体視力がもったいの、宝の持ち腐れじゃ。

 

【何かを追っている】

それは光の粒子かもしれない…。

 

【けれども、何の為にここにいるのか?とは考えない】

必要、必要じゃない、も考えんの。

人間は存在価値をよく考えるようじゃが。

 

【イカ耳】

湧き上がってくる感情の表現方法。

 

【イカ耳】

環境に折り合いは付いてないけど、折り合いを付けようとも思わない。

ただ、その時の感情を自覚するのみ。

 

 

【イカ耳】

流されることもなく、止まることもない。

ウチはその瞬間におるだけじゃが、人間はウチの未来を考えてせつなくなるようじゃ。

 

 

【考えてないけど、人間が勝手に意味付けをする】

そもそも人間はなぜ進化したんかの?

「なぜ?」を追求したからかもしれんの。

 

【時にはうつらうつらして】

半分は夢の世界で遊ぶのじゃ。

この世のほとんどは「見えないもの」で構成されているのじゃが、人間は自分が知っているわずかの知識で追い詰められる。

 

【まどろみの世界に入っていく】

のり丸もウチも寝てばかりの人生(猫生)じゃ。

のり丸の前世は「軍人」。(…設定)

その前の前も「商人」や「農夫」や「娼婦」や「医者」やら、いろんな「役」をやっていたはずじゃ。(…どうでも良いことじゃが)

ただ、今世の「役」は「ぐうたら人間」らしい。

ある意味「勇者」よりも難しい部分がある。

世の中に許される程度の「ぐうたら」のさじ加減には、苦い経験とテクニックが必要じゃからの。

 

 

食事の風景

 

【いつもの食事の風景】

体重が夏から200g減⤵の2.7㎏。

けっこう食べているんじゃけど…痩せたことをのり丸が心配しとる。

 

じゃあ、またの!