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チューリップス・シスター第5話

2016-07-26 07:52:23 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第5話 真理の生活

真理の生活では、姉としての自覚や知恵他に何かが生まれていた。
どんな人に対しても、優しさや思いやりを笑顔で表現していたようだが、相手の心理が見えるような笑顔にも見える。
しかし、静かな眼差しで優しさや思いやりの温かさに癒されるが、別の能力もあるようだったが表情に出す事も表現する事も出来なかった。
何よりも、人の心を癒す真理の微笑には、誰もが、微笑を返し、挨拶を交わしていた。
叔父夫婦は、悩みや不安と苦しみというものとは、無縁のように思えていた。
真理には、何か人を引きつけるものが感じられた。
小学2年生になった真理には、多くの友達ができた、常に真理の周囲には女子生徒達がいた。
多くの互いに助け合える友達が出来ると、努力を惜しまない、勤勉さも備わったようだ。
真理は、色々な花や観葉植物を好み、毎日のように、植物図鑑を開いて見ていた。
図鑑の中で、真理が最も興味を示していたのは主に「HERBS図鑑」であった。
その図鑑には、ハーブの花や葉の形、育て方、薬効、歴史などが記載されていた。
その中で、特に興味を持ったのは、数百数千年前からの歴史であった。
ハーブの歴史は、時代ごとに常に受け告げられ、様々な書物や図鑑に残されている。
常に新しいハーブがあれば、その書物には次々と記載されていた。

真理にとって幾つもある、HERBSの書物は、次々と叔父夫婦は新しい書物や図鑑を購入していく。
真理に大切なもの欠かせないものは、真理を思う叔父夫婦にも欠かせないものになる。
叔母は、ハーブの苗を手に入れ、真理に与えると、笑顔で受けとり、庭の数箇所に植えた。
毎日のように、水やりをする真理の姿は、まるで、自分の子供を育てるように、声をかけていた。
そんな真理に、叔父夫婦は、真理へあふれんばかりの愛情を注いだ。
内科医の叔父の診療所には、笑顔の真理の笑顔が、不可欠になっていく。
いつまでも笑顔を絶やさないようにと、診療所には他の子供達も預かる保育場所を新たに設けた。
他には、遊び場として庭の改築もおこなった。
テラスや花壇、他の遊具などを置き、そこには、多くの子供達の笑う姿があった。
徐々に、多くの子供達が集まりはじめ、笑顔の耐えない診療所として、評判も良くなっていった。
真理は、集まる子供達を暖かく包み込むように、宝物を見つけたように大切にした。

叔父夫婦は、誕生日ではないのに行事など、事あるごとにプレゼントを贈った。
真理の笑顔や喜びのため、あらゆる環境を作り、真理の為だけに全てを与えた。
7才になった真理には個性的でモラルもあり、患者や看護婦に可愛がられた。
真理を養女として向かい入れてからは、診療所での待ち時間も診療されてるような気分になるという。
「小さな天使さん」と呼ばれ、真理の笑顔はまさに「リトルエンジェル」そのままであった。
皆、心を癒され、不思議な魅力を感じていた。

真理は、何も教える事なく、礼儀作法をわきまえていた。
診療所に来る誰にでも、包み込むように暖かく接していく。
まるで向き合う相手の事を知り尽くしたかのような、叔父はそう思い神父にも伝えていた。
待合室では、真理がいる時は、不思議な魅力に吸い込まれていくように、患者、看護師、事務員、皆が笑顔になった。
叔父夫婦は、美咲の状況も常に、神父から聞いていた。
叔父夫婦は「これでいいのだろうか」と思っていたが、それは、真理の成長と共に、徐々にその思いは薄らいでいく。
叔父夫婦にとっての真理は我が子、美咲への気持ちは、徐々に遠ざかっていく。
真理の笑顔は、叔父夫婦の心を魅了し潤していくのだ。
目に映る真理は、現実には成長しているといえるが、真理の人間的成長は、真理の中に有る備わっている能力の成長を遅らせる事になる。
本当の真理の姿は誰も知る事の出来ないものであった、海と湖の水脈で繋がっている妹の美咲の存在が関わっていたからだ。
真理と美咲は、離れていても同じ能力で誰にも悟られないように、神父は何かを感じていたが、それが何か知るよしもなかった。

真理の表面的な笑顔は、まさに天使だ、誰もが癒される天使。しかし、心の中にある能力に、気づく事が遅れるようになっていく。その遅れが成長と共に、真理の苦しみを増大させ、苦痛を伴う事になるとは、誰も知る事はなかった。


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