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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー46話

2023-04-12 10:22:22 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


直也と真一は海へ行った事で悲しみの涙を洗い流し優しさや思いやりを強く思うようになっています。その思いは春樹の伝説を胸に抱いている学生達の心を癒していたのかもしれません。生きている学生同士が互いに優しさや思いやりを持つ事によって直也への期待感も薄れていき「希望」がうまれ自分自身を考えるようになっていきます。「春樹もう終わりにしようか?」と直也は再び心の中で春樹に声をかけていました。
「春と夏休みは旅館だなボードとスーツは持参か?バイトで少し稼ぐしかねぇか」
真一が直也に声をかけると少し間があり直也は真一に典子のことをどう思うかを聞いたが返事はありません。話をもとに戻して真一の様子を伺う直也です。その時ソワソワした真一の姿を直也は初めて見たのです。典子の事をもしかしたらと思ったが直也は海のように流されるのも良いかと典子の事を話す事をしませんでした。ラーメン店のカウンターには籠(かご)の中にいくつものドリームキャッチャーが置かれています。典子は毎日のように少しずつ作っていたのでしょう。2年からのクラス替えと冬休みの事があり典子は毎日ラーメン店の手伝いに来なくなっていました。生徒会の集会には直也と典子はいつも参加し直也と真一2人で帰っていたが徐々に会話が上手くいかなくなっていきます。いつも直也と典子2人で歩いていた道を独りで歩く事もありました。んなとき直也は「LALALA(ららら)という喫茶店でしばらく1人でアイスコーヒーを飲んでから帰っていきます。典子も女子同士の仲間を作っていてドリームキャッチャーを作っては渡していたようです。知らない女子を見るとカバンについているのを見るとすぐに直也は典子の友達だとわかります。週2回一緒に帰っていたのも直也と典子はそれぞれに帰るようになっていきます。ある時では喫茶店のカウンターで直也は喫茶店のお姉さんと会話をしていたら女子が1名1つ席を空けてカウンター席に座りました。カウンターの隅でいつも見かける女子学生達です。恵美姉さんと仲の良い同級生のように見えた直也でしたが2人を見ていると恵美(えみ)姉さんは妹の紀華(のりか)であると紹介され直也と挨拶を交わします。「もしかして大島直也君?」「どうしてわかったの?」
「有名人でしょ何処でも伝説の話し聞いてたから」
「伝説なんかじゃないよ、伝説なんかじゃない」「えっ?」
この時にはクラスメイトではない近藤紀華は直也の雰囲気が変わった事を感じていました。あれほど暴力的で嫌いな人間だった直也に紀華は小さな声をかけたのです。直也の雰囲気で紀華はわかったようで空いてる席に移動し隣の席に座っていきます。人見知りをする紀華は直也の顔をじっと見つめながら声をかけてきます。
「お姉ちゃんの知り合いだったんだね正面見てないで、こっち向いてみて」
ちょっと恥ずかしながら紀華の顔を見た時に胸がドキドキしていた直也でした。
「しゃべるの苦手でしょ、なんだか顔見てるとわかるんだよね雰囲気もそうだし、お姉ちゃん綺麗でしょ好きになっちゃえばいいのに」
初対面でこんなに話してくるなんて、なんてヤツだと思いながらも話を聞き伝説の話をされます。
「そんなふうに噂が流れてるんだ俺には関係ないよ噂は俺が作ったかもしれないけど本当はそんな話じゃない何もかもが嫌になるもの」
紀華は責任逃れをしない直也に興味を持ち直也と2人で色々な話をしていきます。
「いつも、ここに一人で来るの?」
「時々ね。いつもは仲間と一緒だし来れない時もあるよアルバイトもしてるしね」
なぜか近藤紀華と話してると緊張がほぐれてきて直也は聞かれた事には全て答えていた。
「すごいね直也君って、すぐに返事が返ってくる、すごく気分がいいわ、ねぇいつもここに来てよ私ね話がみんなと合わないから話し相手になって」
「どうして話が合わないの?普通に話してると思うけど」
紀華は学校では何人かとは話せるけど人見知りであまり話が合わず男子生徒達に関してもハッキリしない態度にイライラして教室で静かにしていると言います。
「この子ね、変わってるでしょ、気にしなくていいからね。私も妹と話し合わないからねぇ」
「お姉ちゃんの話しは聞かなくていいからね私と話をしようよ」
「いいよお姉ちゃん抜きでね」
直也が紀華に答えるとカウンターの中にいるお姉さん2人は驚いて直也の顔を見つめます。
紀華は学校では文系のクラスで過去には小さい頃に両親が交通事故で他界し施設で育ち姉の恵美は叔父叔母に育てられたようです。
「私さ両親の愛情って知らないの教えてくれる?」
「俺も愛情はわからないな、いつも自由だったし叔父さんと叔母さんの所にいるし両親がいても感じた事はないよ、でもね自由にさせてくれたのが愛情なのかなって思うよ」「自由?どうして、そんなことハッきり言えるの?」
「自由だからこそ何かをしなきゃって思うしそう思ってきたから いつも仲間がよってきたんだと思ってる」
「へぇそうなんだ私は何も考えてない、何とかしなくちゃなんて考えたことないよ」
こんな会話が続いたが直也は嫌になる事はなかった。むしろもっと会話をしていたいと思っていました。
「なぁ笑ってみ笑ってくれたら、俺、ここおごるからさ」と紀華は直也の言葉で顔をそらしてしまいます。
顔をそらした紀華に直也は指を出しいいからこっちを向いてといい紀華の頬に指が当たると笑みを見せると紀華は顔をそらし恥ずかしそうに苦笑いをする。直也はそんなそぶりをする紀華に興味を持ち、もう一回同じことを言います。今度は俺ば見てみなと言って両方の頬に人差し指を当てた。睨みつけられたが紀華は一回だけ深呼吸して今度は飽きれたように苦笑をする。
「それでいいんだよ、その方が似合ってるよ笑ってるほうが話しやすそうだ」
最低な事だと思いながら直也は典子と紀華を比べていて典子と正反対の性格に何か共感出来るような安心できるような気がしています。紀華と知り合った事で直也の心の中で頷いていたものから解放されたようだった。自分の顔に手を触れたのは記憶にある限り直也だけである事を紀華は思います。他人に触れられる事が嫌いだったはずなのに直也だけにはそうではなかったのです。この日を境に喫茶店で時々直也と2人で会うようになっていき直也は紀華にもドリームキャッチャーを渡します。典子は直也のいない日で真一がラーメン店で出前のアルバイトをしている時に真一に会うようになっていきます。直也の変化を気にしていたが真一と会うようになると直也の事の相談事は徐々に減ります。生徒会集会の時には久しぶりに一緒に帰る日があった。真一と典子は無言であったが直也から声をかけてみた。
「どうかしたのか?前と変わったよな俺たち」
「え?どうしてそんなこと言うの?変わったのは直也だよ」
「そうだな、俺は変わったんだよな」
「ねぇ冬休みの時に何があったの?真一もなんかおかしいし」
「あぁ俺と真一は変わったよ。典子は知らなくていい事を典子だけじゃなく他の連中も知らなくていい事だ。自然の流れに任せて素直に生きろ」
直也の言葉は典子にとって凄く重い言葉で典子は直也とすれ違っていた事を知ってしまったのです。
典子は一週間登校拒否をして私服でショッピングセンターを回っていました。最初に出会った時には予定していたショッピングセンターへ行かず直也の案内をしていた事を思い出しながら良い思い出にしようとしていたのです。直也は学校が終わるとすぐに3日間でしたが典子の自宅へ行くが典子は夜遅くに帰って来てる事で会う事は出来なかった。典子の登校拒否7日目事です。直也が自宅へ戻ると出前を終えた真一が待っていて典子の状況を話してくれた。この日の出前の帰り道で真一と会い涙を流しながら直也と出会った時からの事を話し直也とすれ違ってしまった事を話していました。真一の白衣には典子の涙が白衣を濡らしていました。直也は真一から典子の様子を聞くとしばらくの間そっとしておこうと思います。前へ進むには時間が解決してくれる、それに典子に言うべき事は言ったはず。真一は直也の気持ちを理解していて直也と同じ事を思っていたのです。この頃の直也は真一も典子も信頼できる仲間だと思っていただけでした。成長の仕方の違う真一や典子では直也とは深い付き合いは出来ないのかもしれない。あの海で再リセットした直也は新しい出会いをした直也と真一も典子も他の仲間達と同様であったのです。真一と典子には少し悲しい3学期だったのでしょう。最後の日明日からは春休みになります。


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