
いよいよ3学期も終わり直也と真一は海へ行って波乗りをしに行く事を考えていました。しかし改装増築で常連客が増えたラーメン店「どんどん屋」では出前のアルバイトなしでは仕事が回らなくなっていたのです。直也と真一のアルバイトを考えたが無理をかけまいと思いアルバイト募集の紙を店の前に貼りました。しかし直也と真一は海へ行くのに小遣いが足りず出前で稼ぐ事を考えていました。
「叔父さん、少しの間、アルバイトさせてくれないかな?」「どうしてだ?」
「海に行くのに、たりないんだ」
「それならアルバイト募集はしなくてもいい?でもな募集するよお前らがけじゃ足りないからな」
直也は叔父と相談し2週間ある春休みの最後の3日間だけ以前お世話になった旅館へ予約をします。改装増築でラーメン店「どんどん屋」では出前が出来ないほどの忙しさとなり一般のお客以外に学生達が外で待つようになり出前が出来なくなっていました。殆んどが直也や真一が知っている学生達で尊王寺学園だけではなく他の学校からの仲間達そして私立四谷学園からも寄ってくるようになっていました。学生達に話を聞くと叔父の店を情報交換の場として最終的な話は直也か真一に頼る事が出来るという事で仲間達は集まって来ていたのです。退学した学生達は通常10から12人ほどで行動し何人も喧嘩を売られたが殆んど喧嘩をする学生達は喧嘩をする事が無くなっています。その場から逃げるようにし何処へ逃げるかと言うと叔父のラーメン店と決めていたらしい。お腹もすくし学割があり相談も出来るとなると、ちょうどいい場所だったらしく、どうしてか店に入ると追いかけてくるチンピラはいなくなる。この頃には逃げるのも嫌になるほどであり店に来ては色々情報交換しながら対策を練っていた様です。直也と真一がいなくても冬休みも普段同様ラーメン店に来ては同じようにしていた、叔父への相談もあったが叔父は答えを出さず話を聞くだけであった。大人の叔父と話せる事だけで仲間達は気分が楽になれたのです。今回の春休みには日中に直也と真一がアルバイトをしているという事で店に来る仲間達は多かった。
「チンピラたちの問題、もう限界なのかなー」「そうかもしれねぇな」直也と真一は他のグループのチンピラ達12人の問題を完全に解決するかを考えながら出前のバイトをしています。出前をしていて気づいた事があった真一は直也に話した。
「あのチンピラ、すぐそこの電車のガード下にいるんだよな」
直也は他のチンピラ達もいる事は知っていていて叔父が過去暴力団であった事を思い出して叔父を見ながら叔父の気持ちを考えてみた。
「もしかしたら解決できるかも知れねぇよ、真一よ面白くなりそうだぜ」
楽しそうな笑顔で直也は真一に話しをしていた。
「真一よ、おまえ典子んちの親父さんに叔父さんの過去を聞いてきてくれねぇか?今日のバイト終わったらよ俺が行くと篤志先輩がいるからよ面倒だ」「そうだな、わかったよ、話してくれっかなぁ」
「きっと話してくれるよ典子がいると思うから、そっとだぞ裏口にきっといるはずだ」
真一は直也に言われたとおり焼肉店の裏口へ行くと典子の親父さんがいた。
「あいつ、何でも知ってんだな。あのう?」
典子の親父さんは普段は無口だが真一から声をかけると過去の事を話してくれて典子の親父さんも直也の叔父さんと同じく元暴力団という事を話してくれました。その姿を典子は自宅の2階の窓から見ていて真一の後をつけるように直也のいるラーメン店へ向かう。暖簾を下げたラーメン店ではカウンターの中では叔父さんがいて直也は座敷の席で横になって何かを考えているようです。真一は店の座敷で横になってる直也に声をかけ聞いた事を話します。典子は店には入らず外に立ちすくんで直也でなく真一が出て来るのを待っているかのようだった。叔父さんは元暴龍会(ぼうりゅうかい)の幹部で組は解散したが本田興業という街金融投資会社として残されていて叔父さんへ今でも相談をしている関係があるとの事であった。暴龍会と言えば取立ての厳しさや暴力でその街で知らない人はいないくらい有名な組であったようだ。その話が終わると真一は店を出て行き家に向います。
駅に近づくと典子が真一に声をかけ駅の改札口で典子と話をしています。
「何しようとしてるの?また直也が何かするの?」「何でもないわけじゃないけど心配しなくてもいいからな直也はきっと話し合いでケリをつけようとしてるんだから典子ならわかるだろ」
真一は笑顔で典子の顔を見ておでこを人差し指で一回デコピンしてから改札口を入り家に帰っていきます。
ラーメン店内では直也は叔父に声をかけて話をしています。
「なぁ叔父さん、暴龍会(ぼうりゅうかい)の組長ってなんだ」
「お前、何を調べてやがる、知らん」「喧嘩しないで勝つ方法には欠かせないことなんだけどな」
「ふっお前は何考えてる?その組長は俺だ春樹の為に辞めた今じゃ本田興業になってるがな、お前毎日のようにそこに出前してたろ」
「あぁ、出前してたな、からかわれるし」「今の社長は俺の舎弟だった、お前の事気に入ったらしいぞ目を見ればすぐにわかるんだ根性のあるなしがな、お前にはいつも次の日の出前の内容も渡してくれてたろ」
「そんじゃぁ、本田興業の名前、使ってもいいか?」
「それは、お前の責任で使えばいいでもな相手がある事なら言葉には気をつけろよ看板は違うが極道は極道だ」
直也は叔父とそんな会話をして自分の部屋へ戻って他のチンピラ達12人をどうやって集めるか仲間をどう集めるかを春樹1人の笑っている写真を見ながら考えていた。次の日は定休日で出前のお客しかとらない為、直也と真一は休みをとっていたが駅前で真一と合い相談をします。仲間達を集めるのは簡単だけどチンピラ達を集めるのはどうかなというのが問題でした。直也は一日で済ませようとしていたようだ。駅前のロータリーの所には各学校の顔見知りの学生達がいた。その中で四谷学園の学生に一騎に会えないか聞いてみると学生は達は沢村一騎に公衆電話で連絡をとってくれた。どうやら四学も落ちついたと直也は見ていた。ロータリーには離れて学生グループがあったが直也の姿をみると皆近づいてきました。40人位のグループになり皆で挨拶を交わしているとバイクに乗った一騎がやってきます。あの喧嘩の遠征の出来事以来であったので最初は話しづらかったが直也と一騎は普通に話し合った。アイツラ(チンピラ達)を一日で撃退したい事と話だけで解決をと一騎には土下座をしてもらいたいと直也は一騎に伝えます。その瞬間には仲間達の目は一騎に向けられます。直也は一騎が仲間としていけるかどうかを試す事も考えていた。直也の顔を見る一騎の表情は睨みつけるようであったが周りの学生を見回しながらひと呼吸おいて後ろ向きで直也に言いいます。
「いいよ大元(おおもと)は俺だしターゲットにされたヤツラには申しわけねぇしな土下座だけでいいのか?」「あぁそれだけでいいや後は俺が話をすっからでもよ、もしもの時は俺が手を出すからな、お前は絶対手を出すな!」「直也ってヤツは変わってるよなーだから伝説の1人にもなるのかなって噂でこっち(四学)の方まで流れてっぞ」
駅のロータリーにいた仲間達にも声をかけ、ある事を12人のチンピラ達に仕掛ける事になります。場所はラーメン店から歩いて5分程の街の公園でチンピラ12人を目標50人程の学生達が取り囲み直也と真一が話をするという事になる。オトリになるものを何人か選んでチンピラの12人を公園に集める事を話すと情報屋達が前へ出てきて手を上げます。
「馬鹿言ってんじゃねぇよ、お前らは情報だけとればいいんだ」
「そうだぜ、お前らがチンピラに喧嘩を売って、おびき寄せるんだぞ何発か殴られるかも知れねぇぞ無理はさせられねぇ」
「でも、いつも守ってもらってるし、こんな時でもないと、かりはかいせないよ」
「しょうがねぇなぁ、本当に大丈夫か?」「話しできない情報は持ってるし直接見てるから大丈夫だと思う」
「お前らも馬鹿だなー、よし、やるか、一日で終わりにすっからな」
「直也、一日でどうこう出来る相手じゃねぇだろ!」
「俺もそう思う」「なぁ!」「そうか、なら俺一人でやるからいいや」
「よくねぇだろよ直也」
直也と真一の余裕がある表情が誰もが気になった。仲間達は誰もが無理だと思ったがも直也達なら「もしかしたら」と言う気持ちを持たされます。
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