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チューリップス・シスター第11話

2016-08-23 14:07:43 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第11話 事件の容疑者

真理と美咲の周囲で、また謎の殺人事件が起きるが、それは真理と美咲への神イエスからの試練なのかもしれない。
自分達を理解出来ない魔性世界の魔物や呪い邪悪なの邪気という外敵との戦い、その戦いに勝利し、真理と美咲は自分達の能力の開化の為には、犠牲者が必要だったのか?

姉妹の能力を追いかけるように、神イエス、精霊、天使からの導きで、残酷な出来事が動き始まったのかもしれない。
しかし事件は未解決、生きているのかどうかも分からない、現実の世界で記憶消された人達は現実の世界で生きて、姿を消した人達は次元の違う別の世界に導かれたのか。
事件が続く事に神父の心の神は、神イエスと精霊や天使からの導きではないと神父に伝えていた。
「いったい何が、誰が導いたのだろうか」
神父は心で思いながら、教会の中で常に神イエスと聖母マリア像を目の前にして両手を合わせ膝をつき祈りを続けていく。
教会での祈りを続けや誓いをした事で、神父の寿命は長くなる。
真理と美咲の今後の能力の開化の為に必要と判断した、神イエス、精霊、天使からの神父の寿命の導きであった。
神父が祈りを続け誓いを唱えると、薄らと動く影が脳裏を過ぎり、その影はある言葉を呟いていたが、光を透す波長(光透波)で、言葉や文字で表す事が出来ないものだった。
しかし、神父の心の中では残酷な何かが動き始めていた、そして、ふと浮かんでくるのは成人となり神イエスに認められた能力を持つ神父の甥の姿だった。

「もしかするとトランシルバニアにいる私の甥が導いているのかもしれない、甥の能力とは何だろうか」
神父には甥の能力について神父には何も伝心はなかった、神父の後を継ぐ者の神父以上の能力を知る必要もなかった。
神父には真理と美咲を魔性世界の魔物や呪い邪悪なの邪気という外敵から守るという役割、その後の真理と美咲の能力を開化させながら共に生きていくのが甥の役割である為だ。
眼に見えない世界が見える甥の神父以上の能力を知る事は、神父も同じ能力はあったが甥の本当の能力を知る事で寿命が短くなる為でもあった。
真理と美咲が住んでいたチューリップを育て出荷する農園跡地には古ぼけた3つの建物があった。
一つは自宅、一つは機械置き場の大きな倉庫、一つは農作業に使う農機具を置いてある小さな倉庫だ。
機械置き場の大きな倉庫には、中二階(ロフト)があった。
真理と美咲の父の直継は、この小さな倉庫で首つり自殺し命を落としたのだが不審な死でもあった。
自殺か殺人事件か判断したのは警察での判断だった、神父は強い憤りや叔父夫婦は自殺と判断された事で警察に若干の不信感を感じている。
15歳の誕生日の1ヶ月前、真理と美咲が3才まで過ごした、あのチューリップ農園跡地で殺人事件が起きたのである。

銀行の支店長代理、山口四郎52才、場所は農園跡地のチューリップ畑の中であった。
刃渡り10cmのナイフで、胸部に2ヶ所、腹部に2ヶ所、刺された痕跡があった。
何故か死体のまわりには赤いチューリップが咲き誇っていた。
当時、真理と美咲の父母が育てていたものだろう。

警察や鑑識の見立ては、複数の刺し傷、正面から指されている事から、知人、友人、恨みを持つ人物の犯行であると推測された。
山口四郎の周辺の聞き込みでは、特に恨みをかう事もなく銀行に来るお客からも印象の良い支店長であったようだ。
警察は過去にまでさかのぼって調査を始めるが、捜査が進まない事に苛立ちを抱いていた。。
過去の捜査でわかった事は、支店長になる以前の山口四郎は過去5年間は融資係で「融資お断り役」であった。
山口四郎は、お断り役ではあったが融資サービスがあった為20%を融資する事で、直継と融資をすすめていたようだ。
しかし、融資お断り役で2年目頃から苦情が良くあったという事から、融資を断られた人物ではないかと推測をした。
その頃、断られた人物を探すに当り過去の真実での捜査で容疑者は多く存在していたが捜査が進むにつれて、真理と美咲の父と母に辿り着く。

しかし、真理と美咲の父の直継は自殺で亡くなり母の高子は行方不明として扱われているが、直継の死亡原因に問題があり事件性があれば未解決事件となるかもしれない。当時の死亡原因は自殺だったが、今回の殺人事件との関わりがあれば、再度、警察は捜査する事になる。
死体の発見現場も農園跡地のチューリップ畑の中という不自然な場所でもあり、死体の周囲だけに赤いチューリップが咲き乱れ、離れた他の場所にはバラバラに赤と白、黄色のチューリップが咲いている光景を見て、警察の捜査は混乱していく。

警察の捜査が進むにつれて過去の出来事で徐々に容疑者になる人物像が浮かび上がり、山口四郎に融資を断られた人物を探し出す事になる。
ピックアップされた中に、多くの容疑者が浮かび上がり、真理と美咲の父親の名前もあった。
捜査線上、唯一容疑者で浮かび上がったのは真理と美咲の両親であったが、この時には父の直継は自殺で亡くなり母の高子は行方不明で両親と会う事は出来ない。

「話が違う、融資枠はあると信じていたのに何故だ、理由はなんだ」と言い続けた直継は、山口四郎に何度も合っていた事から死亡していても容疑がかけられる。
そして直継の周囲の人物から捜査は始まる。
当時の真理と美咲の父、直継は20%の融資枠で進められていたが、突然、山口四郎に融資を何度も合うたびに断られ続けられるようになる。
山口四郎は、銀行側で強引に決められた事を、直継に伝える事が出来なかったのだ。
そして山口四郎と直継の間で色々な問題があった。
銀行側は赤字の個人企業では融資枠サービスは取り消され、銀行側の一方的な決定で融資を断られていた。
他にも多くの容疑者はいたが、山口四郎が紹介し別の銀行からの融資を受けられる様になっていた。

しかし、直継には紹介する事はなくチューリップだけでは経営困難と判断していた為、コンサルタントしてアドバイスをしていたが、農園の敷地を売る事を進めたりした事で、直継は苛立ちトラブルとなっていたのだ。
農園の敷地の面積は、通常の農家の数十倍あり、敷地を売る事を進めていたようだったが、祖父から大切に何十年と持っていた敷地を売る事を直継は納得出来なかったのだ。
しかし、直継の存在は亡くなり死亡診断書が出され直継ぐと合う事は出来ない、女性でも殺人は出来るという考えで、直継の次に容疑者として行方不明の妻の高子の存在であった。

あらゆる角度からの捜査で、まず高子の失踪届の記録の確認、戸籍謄本等から高子の実家を割りだし、同じ誕生日の双子の姉妹がいる事が判明した。ここで1つの疑問がある、何故だろうか、高子の失踪届が出された当時は、家族構成や出生元等を調べる事をしなかったのだろうか、神イエスからの誘導か導き、いや違う、制服を着た警察官が担当していたからだ。
当時は、高子との付き合いのあった人物達を調査しただけだった。
「高子さんの行方に心当たりがあれば警察署に連絡を下さい」と警察官は伝えただけで、すぐに見つかるだろうと思っていたようだ。
結局、情報提供はないまま捜査をしていたが、担当の警察官は他の警察署へ異動となり捜査は中断され、高子の存在は薄れていく。

私服の刑事達は、高子の実家へ向かう、もしかしたら高子は実家にいる京子という人物から情報が得られると考え、高子の実家へ向かい訪問した。
誕生日が同じ双子という先入観からだった。
写真を見ると似てはいるが、別人の顔だと見て冷静さはあったが驚きを隠せない刑事達だった。
刑事と京子との会話
「高子さんについて、お話を聞きたいのですが宜しいでしょうか?」と警察手帳を見せて一人の刑事は声をかけた。
「はい、でも、高子に何かあったのでしょうか?」と京子は答える。
「ちょっと今は言えないのですが、お二人は双子でしたね」
「はい、その通りですが、二卵生の双子で私が長女ですが、それが何か?」
「そうでしたか、一つ確認できました、ありがとうございます」
「高子さんの居場所は、わかりますかね」
「さあ、どうでしょう、結婚式後から全く合っていないので」

この後は、刑事達は高子の出来事からこれまでの事を話し、高子の行方など聞き出そうとしていたが、京子は首をひねり何の事か分からなかった。
結局、無駄足になってしまったと思う刑事達であったが、ただ双子の姉であるという事から、直継と高子には一卵性の双子の姉妹がいた事に気付いた。
そして、双子の姉妹について調査をすると違和感という感覚を抱く。
何故なら、真理と美咲の姉妹の周囲で色々な出来事が起きている事に気付いたのである。
5人の精神科医の失踪届けが出されたが破棄され存在がない、失踪届を出しだ人物達も世に存在した痕跡もない。
これは、制服の警察官が当時に書かれた調書の内容から、刑事達は事件としてではないが不自然な出来事だと気付いたようだ。

「何だこの事情調書の内容は、信じられない、これを書いた警察官は、今何処にいるんだ」
事情調書を書いた警察官は、すでに警察官ではなくなり、異動した勤務地だった警察署でも何処にいるのか全く分からずじまいだった。
調書を書いた警察官達は、自ら辞表を出し姿を消していた為、刑事達は調書を何度も読みながら当時の出来事について慎重に考えた。

そして、12年前の復讐という先入観によって姉妹による殺人事件として容疑の矛先は、真理と美咲にも向けられた。
当時、真理と美咲の父は自殺、母は失踪、内科医の叔父によって失踪届けが出されたのは、姉妹は当時3才まじかの頃である。
現在、成長した真理と美咲は成長し15歳、学校へ通う事なく過ごしていた事で殺人容疑をかけられたのだ。

叔父夫婦と神父やセラピストは、刑事達の先入観から真理と美咲を守らなければならないと強い思いを抱く。
刑事達は叔父夫婦に当時の話を聞き、15歳になる真理と美咲にも事情聴取をおこなう事になる。
真理は叔父夫婦宅に引きとられ生活をして、事件当夜のアリバイはあった。

内科医の叔父は、美咲については「引きこもり自閉症」と診断されていると騙すつもりはなかったが嘘をつき、美咲を守ろうとした。
真理は素直に事情聴取に応じられるが、美咲は真理とは違っていたからだ。
また美咲の心の叫びが、私服の刑事達を巻き込むのではないかという思いもあり、これまで以上の犠牲者は出させてはならないと思いもあった。
「私服警官達を守るためにも、美咲に合わせてはいけない」
内科医の叔父と神父とセラピストは同じ思いを抱きながら持っていた。

美咲は施設に引きとられ、引きこもり自閉症という事で事情聴取は出来ず捜査は混乱していくのか。しかし、美咲は事件前に山口四郎らしき男性の殺人事件の風景を鮮明に描いていたのである。神父は、刑事達を美咲に合わせようとはなかったが、美咲の描いたスケッチブックの絵を刑事達に見せた。その絵を見た刑事達は驚いていた、そして美咲は刑事達の姿を見ると自分自身からスケッチブックから切り離し、刑事達へ素直に表情は変えずに渡したのだ。
なぜ美咲は、自ら刑事達に渡したのだろうか、神父の瞳に映る現在の美咲の姿は美咲自身が成長した姿だったのか。今後の美咲に何かが降りかかる予兆を神父は感じていたが、美咲を束縛する事なく自由にさせてみようと神父は思った。

横たわる人物にのしかかりナイフで刺そうとしている、その周りには一面に菜の花とチューリップが咲いている絵画である。
神父は、美咲のアリバイを刑事達に証言していた。
絵を見た刑事達は、疑わずにはいられなかったのだろう。
しかし、刑事達がいくら声をかけても、いつものように美咲から返答はない。
黙々と下を向き顔を上げる事すらない、ただ絵を描くだけだった。
刑事達は真理と美咲のアリバイは成立していた為、美咲に焦点を当て精神治療の事を神父に話す。
神父は、以前、精神科医に見てもらった事を刑事達に話をした。

刑事達は、美咲の様子を見ながら何度か声をかけるが、美咲は何事もなかったように平然としていた。
入院も治療も出来ないままの美咲に、刑事達が声をかけようが、美咲の行動は同じ、聞こうにも聞ける状態ではなかった。
3才から14才まで同じ行動しかしない美咲に、刑事達は疑問を持っていた。
子供の成長という面で、何らかの変化があってもおかしくないと考えていたのだろう。
どうする事も出来ない美咲に対して事情聴取は困難であった。
過去に診てもらった精神科医にも刑事達は、真理と美咲の事情聴取を取っていたが、神父の言う事を信じるより他なかった。
真理と美咲への容疑はなくなったはずだった。

事件後、何故か美咲は風評画と風景画や動物の絵画だけではなく花の絵を描くようになっていた。
その変化に気づいた神父は、叔父夫婦にその絵を見せ相談をした。
叔父夫婦では、どうして良いか分からず、以前診断してくれたフリーランスの精神科医に相談を持ちかける。
美咲は、人には見えないものの現実の絵を描いていた。
精神科医は、美咲の変化を知ってもらう為には、その絵を刑事達に見せた方が良いとの事であった。
しかし、美咲を知る叔父夫婦と神父は、その絵を隠そうとしていたが、その絵の存在を知り制服の警察官が再度施設へ訪れたのだった。
フリーランスの精神科医は警察署へ連絡をしていた、何故かと言えば美咲の真実を知らせる為、美咲への気遣いはいらない事、決して関わってはならない事を伝える為だった。
過去のように犠牲者を増やさない為にも、神父は心の中の神に祈り、フリーランスの精神科医は願っていた。


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