引っ越しから入学式までの5日。
入学式の朝、早めにアパートに辿り着いた。
保育園の参観日の時に見た、はにかんだような
嬉しそうな笑顔はその時以来二回目。さみしかったんだろう、彼なりに。
開けたドアの向こうには、よれっとでも洗濯ばさみでおさえた
Tシャツの洗濯物が干してあるのと、
洗った平皿。
テーブルが間に合わなかったので段ボールの上の旅行の友(ふりかけ)
私が過保護で準備した、青いふきんは、彼にとって台ふきんじゃなかったらしく
ドラッグストアで格子柄のペラペラのふきん3枚セット、麦茶のティパック、
通学用のカバンに、差し込んだままのパスタ。
我が家が好きだったあさげ。
冷蔵庫には牛乳二本と野菜ジュース。
朝早いから炊いておいてと言ったご飯は、
ほぐすことなく蒸れ固まっていたけれど、炊いてくれたことが嬉しい。
5日でも一人暮らしというものは人をこうも成長させるものなのかな。
やらざるを得ない状況。
どうか、この頑張りが続いてほしいと願う。
彼なりの生き方を見つけてほしい。と願う。
危ういけれど、私たちは願うしかない。