長々と書きましたので、どうぞ途中まででも。
23日のコンサートに出かけたのは、一度は聴いてみたいと思っていた、リムスキー・コルサコフの交響組曲シェヘラザードが目的でした。
この交響組曲名のシェヘラザードとは、千夜一夜物語(アラビアンナイト)の語り手であるシェヘラザードを発想とした交響組曲です。
簡単に千夜一夜を説明しますと。
アラビアのシャフリアール王は妃が奴隷たちと不貞を働いていることを知り、王は女性不信に陥り妃と奴隷たちを処刑してしまう。
そして毎夜、生娘を呼び、一晩過ごしては翌朝に首をはねるという恐るべき暴君に成り果てます。
やがて大臣の娘シェエラザードが自ら進んで王のもとへ赴きます。
毎夜、シェエラザードは王に不思議な物語を聞かせます。
「今日はここまで」と話を終えるシェエラザードに、続きを聞きたい王は処刑を思い留まる。
そんな日々が千一夜続いた末に、ついに王の傷心は癒えて、シェエラザードを妻に娶る。
物語は1,001話もある長い話ですが、概略はこんなところです。
シェエラザードは夜な夜な王に話して聞かせたわけですが、千一夜物語だから当然1,001もの物語があるわけで、その中には官能的で暴力的な物語も多くあり、とても子どもに聞かせられないようなものもあるようです。(そこまで読破していないのでよくはわかりませんが)
リムスキー・コルサコフの交響組曲《シェヘラザード》op.35はこのような曲です。
指揮 :アラン・ギルバート
バイオリン独奏:矢部達哉 ハープ:吉野直子
東京都交響楽団
第1楽章 海とシンドバッドの船
シェヘラザードを象徴する独奏ヴァイオリンソロの主題が何度も流れてきます。それが気持ちを落ち着かせ、とても穏やかな気分にしてくれます。ソロで弾くコンサートマスターの腕の見せ所でもあります。
第2楽章 カランダール王子の物語
奥ゆかしいヴァイオリン・ソロ。とても良く鳴るファゴット、オーボエ、トロンボーン、トランペット。どの楽器も最高の音色で次々と登場してきます。
第3楽章:若い王子と王女
名曲を集めたCDに収録されていることが多いので、良く知られているメロディーが流れる楽章です。
第4楽章 バグダッドの祭り、海、青銅の騎士のある岩にての難破、終曲。
伸び伸びと鳴り響くトロンボーンもとても心地良く印象的です。最後まで奥ゆかしく繊細なそれぞれの楽器のソロも見事でした。
曲は静かに終わります。
都響のfaceブックから当日の掲載画像をお借りしました。
期待していた通りのコンサートでした。