保護活動をしている天然記念物の雁(オオヒシクイ)の飛来数が今シーズンは少ない。
例年であれば200羽前後の越冬数だが、昨日なんとか100羽を超えました。
特に今シーズンは温暖なので、餌が採れるところが北にあれば、わざわざ関東まで南下しなくても良いので、昨年より激減です。
温暖化が、渡り鳥にも影響しています。
鍵になり竿になり並んで、鳴きながら飛ぶ雁の姿を見たことがあるでしょうか。
1950年頃までは全国各地に飛来していたが、今では北限が太平洋側で関東の霞ヶ浦周辺まで、日本海側は島根あたりまでで、限られた場所だけで見られるだけになっています。
それだけ少なくなったので天然記念物に指定して保護しているわけです。
昔から野鳥が謌に詠まれているのも多いです。
雁は万葉集や古今集などの時代から、ホトトギスと並び最も多く登場している鳥です。
それは雁の飛ぶ姿が人の心を捉え、いろいろな思いを抱かせる鳥だからなのです。
「雁」が使われた言葉も多いです。
「雁が音」「雁風呂」「雁の涙」「雁の使い」「落雁」「雁首」など、まだまだあります。
雁が音(かりがね)は
鳴き声がその裏悲しい声の響きに哀愁が感じられ、万葉や平安の時代から、遠い人を想う気持ちの表現に使われたりしています。
源氏物語にも雁が登場します。
「初雁は恋しき人のつらなれや 旅の空とぶ声のかなしき」
紫式部 源氏物語「須磨」の章の一節
ところで、なにげなく食べている雁擬き(がんもどき)が雁に関係あるのをご存知でしょうか。
江戸時代の将軍家の元旦の祝宴には、雁のたたき肉は欠かせないものだったと言われています。
庶民はこのような上流社会とはちがい、雁のたたきが食べられなかったことから、そこで風味が雁の肉に似ている豆腐で形をまね「雁もどき」という名をつけて食べたと言われています。
“がんもどき”と言うがなぜ
チコちゃんに叱られるで取り上げられるかもね!