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リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

リッカルド・ムーティ指揮《マクベス》イタリア・オペラ・アカデミー in 東京

2021-04-19 23:41:00 | リッカルド・ムーティ
今夜はイタリア・オペラ・アカデミー in 東京 ・リッカルド・ムーティ指揮《マクベス》(演奏会形式)で東京文化会館。

スタンディングでの長いカーテンコールに、最後にまたムーティが出てきて、チャオ、もう寝るよ、って仕草。
それでやっと終わった。
いま10時すぎの車中で書いている。
感激で胸いっぱいって感じ。

なんと素晴らしいマクベスだったろう。
これがヴェルディのマクベス。
これがムーティのマクベス。

第一幕、ミケレッティとザネッラートはいきなり本公演モードで歌い出した。
2人はただ衣装をつけていなかっただけ。
ただステージに動き回れるスペースがなかっただけ。
2人は本公演のつもりで歌っていた。表情で演技していた。

それからアナスタシアが立ち上がって歌い始め、ぼくらの心に火をつけた。
もうマクベスのドラマにどっぷりはまっていた。

アナスタシアの突き抜ける高音だけでなく、低音部も美しく歌える声。高い技術。響き渡る豊かな声量。表情や仕草やちょっとした手や身体の動きでの演技(芝居)力。キリッとした美しいマスク。何もかも素晴らしかった。
ネトレプコが鬼のような悪魔だとすれば、アナスタシアは恐ろしくも美しい悪魔とでも言えばいいか。

ミケレッティは2幕の気がおかしくなる辺りから凄みがましていった。3幕ではまさにマクベスが乗り移っていた。素晴らしかった。

これらイタリア勢に比べると芹澤さんは少し硬かった。もっと思い切って表現・演技してほしかった。
出番は少なかったが城さんは見ごとな快唱。やはり力がある。
北原さんも表情豊かだった。要所で存在感があった。

オケは若い人たちが多かったがムーティの指揮によく応えていた。技術のある人たちが集まっていたのだろう。
ダイナミックにドラマを盛り上げた。

合唱は良かった。藤原や二期会の知った顔が何人もいたから当然か。
3幕の合唱の場面は本当に美しかった。ムーティは合唱をとても重視したんだ。スカラ座の合唱団はすごいもんね。

さてマエストロ・ムーティ。
何を書けばいいか。
自分が一番のスターなのに、ソリストやオケの若い音楽家たちを気遣い、励まし、或いはたぶん褒めていた、ように思える場面があった。
そういう人だから毎年、日本人の音楽家を育てようときてくれるんだろう。

そして本公演ならピットに隠れて見えないマエストロ・ムーティの指揮ぶりを、今夜はこうして間近で見れたこと。
忘れることはないだろう。
素晴らしい夜だった。

明日は青山貴さんや谷原めぐみさんたちの「リッカルド・ムーティ introduces 若い音楽家による《マクベス》(抜粋/演奏会形式/字幕付)」を川崎ミューザで観る。
青山貴さんを見かけたので、明日行きますから、と伝えた。谷原さんもいたはず。明日はプレッシャーがかかるだろうけど、期待してる。















































































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