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新国立オペラ・蝶々夫人

2019-06-09 23:39:29 | 新国立劇場オペラ

今日は新国立の蝶々夫人でオペラパレス。千秋楽でした。
この作品、実はあまり食指が動かなくて。何故って、前半は幼い日本女性を現地妻にする話に不快感や憤りがあり、後半はヒロインが可愛そうすぎてやりきれなくなるから。
だから今日も初台に向かいながら期待で胸高鳴るって感じではなく。幕が上がるのを静かに待ってましたが、東フィルの演奏で否応なくドラマに引き込まれていき。

最初にひどく心が動いたのが、山下牧子さんの身のこなし方や仕草。Metで不動のスズキはジフチャックだけど、日本人から見たら、あんなスズキ、らしくない、っていつも思ってたから。
こうでしょ、スズキってこんな風だったはずだよ、やっぱ日本人歌手じゃなきゃ。って、訳のわからないこと口走ってた笑笑笑

シャイーが振ったスカラ座2016シーズンのをプレミアムシアターが放送したのですが、これが初演版で、女を金で買ったってトーンが強くて途中で見るに耐えなくなった記憶があります。
Metはラセットとオポライスの両方を観ましたが、ジョルダーニもアラーニャも若気の至りだったと強い後悔や苦悩を表現してたから、救いがあった。ぼくら日本人にはスカラ座初演版は受け入れられない、なんてこと思った。

まあそんなことはともかく、今日もドラマは熱く切なく展開して、ひどく感情移入して、泣きたくなること度々。ピンカートンのコステロは文句なしでしたが、それ以上にシャープレスの須藤慎吾さんが、演技も歌もすごかった。
前述の山下牧子さんは最後まで素晴らしく、ぼくと同じように感じた人が多かったことが、カーテンコールの拍手喝采で証明。
そしてタイトルロールの佐藤康子さん、パルマやフィレンツェでも歌った実力者とありましたが、たっぷり歌って観せてくれ、素晴らしかったです。
それから今日の影の主役は、マエストロレンツェッティ率いる東フィルでしょう。蝶々夫人の音楽は本当に美しく、ドラマが蘇ってきます。





















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